3号機の特徴
3号機の特徴
- 3号機に採用している改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)は,国,メーカー,電力会社が共同で開発した安全性・信頼性の優れた原子炉です。ABWRは,国内では東京電力柏崎刈羽原子力発電所6・7号機,中部電力浜岡原子力発電所5号機,北陸電力志賀原子力発電所2号機に採用されています。
- 3号機の主な特徴としては,原子炉内蔵型再循環ポンプ,改良型制御棒駆動機構,鉄筋コンクリート製原子炉格納容器,運転操作・監視のしやすい中央制御盤など最新の技術を採用し,安全性・信頼性の一層の向上を図っています。
原子炉内蔵型再循環ポンプ(RIP:Reactor Internal Pump)の採用
炉心下部の大口径配管を削除
- 再循環配管の供用期間中検査が不要となり,作業者が受ける放射線量が低減
- 配管破断の可能性がなくなり,万一の事故でも炉心が露出しないため安全性が向上
従来型BWR | ABWR | |
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ポンプ台数 | ジェットポンプ20台 再循環ポンプ2台 |
RIP10台 |
再循環配管 | あり | なし |
その他 | - | 軸シール部のない 水中モータ採用 |
改良型制御棒駆動機構の採用
駆動源を多様化(水圧および電動)
- 安全性が向上
- 電動駆動により制御棒の微調整が可能となったため,制御棒操作時の燃料への負荷が軽減し,運転性が向上
- 制御棒を複数本同時操作(ギャングモード)が可能となり,起動時間が短縮
従来型BWR | ABWR | |
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駆動方式 | 通常:水圧駆動 スクラム:水圧駆動 |
通常:電動駆動 スクラム:水圧駆動 |
最少ステップ幅 | 152mm | 36.6mm |
同時操作本数 | 1本 | 26本(最大) |
改良型中央制御盤の採用
- 操作盤の集中化,大型表示盤の採用
- 大型表示盤の採用で,各オペレータはより早く必要な情報を確認できる
従来型BWR | ABWR | |
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構成 | 主盤+副盤 | 主盤+大型表示盤 |
運転員の操作 | ハードスイッチ | ハードスイッチ+フラットディスプレイによるタッチ操作 |
その他 | - |
|
鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV:Reinforced Concrete Containment Vessel)の採用
原子炉格納容器が原子炉建物と一体の構造で,原子炉建物をコンパクト化
- RCCVは鉄筋コンクリート構造で事故時の圧力に対抗し,内張りの鋼製ライナで漏えいを防止する構造
- 格納容器の寸法がコンパクトになり,原子炉建物の重心も下がったことから耐震設計上,有利