6月後半(7月20日公表)

不適合の管理状況(平成23年6月後半審議分)

印刷用PDF[146KB]

 平成23年6月16日~平成23年6月30日の間に,不適合判定検討会にて審議し,不適合と判定したもの。
 なお,不適合事象は重要度に応じて「A~Cのグレード分け」を行い,管理の程度を定めている。

Aグレード 0件

 対象となる事象は,ありませんでした。

Bグレード 4件

No 審議日 号機 プラント
運転状態
不適合事象・処置計画
1 6月17日 共通 - 固体廃棄物貯蔵所で低レベル放射性廃棄物を詰めたドラム缶の移動作業を実施していたところ,ドラム缶底面に腐食(貫通孔)が認められた。
当該ドラム缶の内容物について健全なドラム缶への詰め替えを行う。
(固体廃棄物貯蔵所:低レベル放射性廃棄物を詰めたドラム缶を保管するための建物。発電所敷地内に3棟あり,ドラム缶(200リットル)を35,500本貯蔵することが可能)
放射性廃棄物:放射能レベルにより区分され,「高レベル放射性廃棄物」は使用済燃料の再処理に伴い発生するが,「低レベル放射性廃棄物」は原子力発電所等の施設運営に伴い発生するもので,修理工事などで発生した廃材や,使用済みのイオン交換樹脂などがある。)
2 6月17日 共通 - 「放射線管理手順書」および「放射線測定機器管理手順書」の改正手続きにおいて,部制への組織変更に伴う承認者の変更を失念し,部長承認でなく課長承認により改正していたことが認められた。
当該文書の改正について,部長承認を得る。
3 6月20日 共通 - 遠隔地の管理区域出入口において,監視員がAPD[PDF:23KB]の入域処理後の警報設定値を確認し記録することで,入域手続きの確認を行うことにしているが,APD[PDF:23KB]の入域処理が未実施である作業員1名の入域が認められた。
(なお,入域手続きの完了していないAPD[PDF:23KB]でも,一定の線量で警報が鳴る機能を有している)
当日の線量実績を管理システムへ登録する。
APD[PDF:23KB]:警報付ポケット線量計のこと。日々の被ばく線量を管理する器具)
4 6月24日 2号機 運転中 毎月実施している復水脱塩器出口の水質測定業務のうち全有機炭素測定において,5月分の測定が未実施であったことが認められた。
5月分の復水脱塩器出口水質について,評価を行う。
(復水脱塩器:原子炉給水の水質を浄化するための装置)
(全有機炭素:水中に含まれる有機物中の炭素の量。全有機炭素を含む水が原子炉内に入ると,分解され原子炉水の純度(導電率)が悪くなるため傾向把握している)

Cグレード 16件

No 審議日 号機 プラント
運転状態
不適合事象・処置計画
1 6月20日 2号機 運転中 固体廃棄物処理系のA-復水スラッジ貯蔵タンク水位計指示の上昇が認められた。
(なお,実際に水位の上昇はない)
当該計器を点検する。
(復水スラッジ貯蔵タンク:復水系で使用したフィルタ廃樹脂をためるタンク)
2 6月21日 1号機 定期検査中 空調換気系の放管室冷凍機の点検において,冷凍機に内蔵している圧縮機の振動が管理値をはずれていることが認められた。
当該圧縮機を取り替える。
(放管室冷凍機:放射線管理室の雰囲気温度を調節するために設置された冷凍機)
3 6月21日 1号機 定期検査中 復水器水室ベント弁[PDF:23KB]のサポートに傷が認められた。
当該サポートを取り替える。
(サポート:荷重等を支持するために使用される支持金具)
(復水器水室:タービンを回した蒸気を冷やす海水が流れる箇所)
(ベント弁:空気抜き弁)
4 6月23日 1号機 定期検査中 海水電解装置[PDF:211KB]のC-水路注入配管に詰まりが認められた。
当該配管を取り替える。
海水電解装置[PDF:211KB]:海水を使用している機器への海生生物の付着を抑制するために注入している次亜塩素酸ソーダを,海水の電気分解により生成する装置)
5 6月23日 1号機 定期検査中 予備品として保管していた計器の点検において,計器に不調が認められた。
当該計器を取り替える。
6 6月24日 2号機 運転中 格納容器内のガス(酸素濃度等)を測定する装置の除湿器の性能が低下し,中央制御室に「除湿器出口温度高」の警報が発報した。
当該除湿器を取り替える。
7 6月24日 2号機 運転中 中央制御室に「高感度オフガスモニタ機器異常」の警報が発報し,高感度オフガスモニタの指示が低下したことが認められた。
当該モニタを点検する。
(高感度オフガスモニタ:運転中における燃料被覆管の微小な孔を早期に検知するために,排ガスを連続的にサンプリングし核種分析測定している装置)
8 6月27日 共通 - 「点検計画作成・運用手順書」の様式の押印欄において,誤記が認められた。
当該箇所を修正する。
9 6月28日 共通 - 放射性固体廃棄物に関する測定機器の記録が所定の保管場所(ファイル)に保管されていないことが認められた。
当該記録を所定のファィルに保管する。
10 6月29日 1号機 定期検査中 原子炉建物空気冷却機のB-冷水ポンプ点検において,インペラとケーシングリングの隙間が広がっていることが認められた。
当該部品を取り替える。
(原子炉建物空気冷却設備:原子炉建物内の雰囲気温度を冷却する設備)
(冷水ポンプ:冷却機へ冷やした水を供給するポンプ)
(インペラ:羽根車)
(ケーシングリング:ポンプの羽根車とケーシングの摺動部分に取付けた部品)
11 6月29日 1号機 定期検査中 原子炉建物空気冷却機のB-冷水ポンプ点検において,浸透探傷検査したところ,インペラにわずかな傷が認められた。
当該部品を手入れする。
12 6月29日 1号機 定期検査中 原子炉建物空気冷却機のB-冷水ポンプ点検において,浸透探傷検査したところ,ケーシングリングにわずかな傷が認められた。
当該部品を手入れする。
13 6月30日 2号機 運転中 格納容器内のガス(酸素濃度等)を測定する装置の定期的な校正において,ドレンを計量する管の水位計に変動が認められた。
当該計器を点検する。
14 6月30日 1号機 定期検査中 所内圧縮空気系の弁のシート部から,わずかな空気の漏えいが認められた。
当該弁を点検する。
(シート部:弁の閉止機能を有するところ)
15 6月30日 1号機 定期検査中 雑固体廃棄物処理設備の溶融物投入機の点検において,電線の被覆に傷が認められた。
当該電線を補修する。
(雑固体廃棄物処理設備:配管廃材等の不燃性の放射性雑固体廃棄物を処理する設備)
16 6月30日 1号機 定期検査中 ドライウェル除湿系の冷凍機の点検において,冷凍機用電磁弁に動作の不調が認められた。
当該電磁弁を取り替える。
(ドライウェル:圧力抑制室とともに格納容器を構成する設備)
(ドライウェル除湿系:ドライウェル内機器に対し,発生した熱および湿分を除去することで機器の雰囲気温度,湿度を適正範囲に保持する系統)