Energia 中国電力

過去の不適切事案と再発防止に向けた取り組み

  当社は,過去の不適切事案を受け,“同様の不正を起こさない,起こさせない”という強い決意のもと,再発防止対策に取り組んでいます。
  また当社は,道路上の他社の電柱に設置している電線類について,本来実施すべき自治体への道路占用許可申請を行っていない箇所があることを確認した旨,2017年5月にお知らせしておりますが,本件についても今後,適正化に向けて迅速に取り組むとともに,再発防止を徹底し,適切な業務運営に努めていきます。

2006年秋以降に判明した発電設備に係る一連の不適切事案の再発防止に向けた取り組み

  当社は,2006年秋以降に判明した発電設備に係る一連の不適切事案を受け,2007年5月に,「不正をしない意識・正す姿勢」「不正を隠さない仕組み・企業風土づくり」「不正をさせない業務運営」を3本の柱とする60項目の再発防止対策を策定・公表し,全社を挙げて取り組んできました。
  これらの再発防止対策については,2009年1月末までに,「実施することで目的を達成することができる施策(8施策)」については完了し,また,「取り組みを継続することで目的を達成する施策(52施策)」については,日常の業務運営の中に織り込んで実施するようルール化したうえで,日常業務へ移行しました。
  日常業務に移行した施策については,2010年3月に判明した島根原子力発電所点検不備などの不適切事案から得られた新たな教訓も織り込みながら,以下の4点を重点課題として取り組んでいます。

重点課題

  1. 業務の重要性や責任に対する意識の低さ
  2. 社内ルール等に関する知識不足
  3. 業務実態に合わない社内ルールの存在
  4. 品質管理面でのチェックが不十分

取り組み内容

  • 行動規範カード

    コンプライアンス経営推進宣言の「3つの行動」,中国電力企業倫理綱領および企業倫理相談窓口の概要をコンパクトにまとめ,携帯しやすいカードにして全社員に配布し,これらを常に意識し,行動するよう取り組んでいます。
  • 行動規範カード

  • アドバイザリーボードの概要

    (2007年2月から2009年11月まで「企業再生プロジェクト」の諮問機関として設置)

島根原子力発電所  点検不備に係る再発防止対策について

  当社は,2010年に点検不備問題が判明して以降,直接的な原因の再発防止対策として手順書の見直しなどを行うとともに,根本的な原因の対策として「原子力品質マネジメントの充実」と「原子力安全文化醸成活動の推進」を二つの柱とする再発防止対策に着実に取り組んできました。
  また,社外有識者を中心とした「原子力安全文化有識者会議」を年2回定期的に開催し,再発防止対策の実施状況や原子力安全文化醸成の取り組み状況を報告しています。

原子力品質マネジメントの充実

不適合管理プロセスの改善

  業務プロセスの要求事項や機器・設備に求められる要求事項(機能)を満たしていない状態を「不適合」と言います。
  発電所内で発生(発見)した不具合事象は,限られた箇所で判断しないよう,「不適合判定検討会」において複数のメンバーが審議して不適合であるか否かを判定し,また,不適合と判定した事象は管理グレードに応じて適切・確実に管理を行うよう,不適合管理プロセスを改善し,適宜見直しを行っています。

※不適合管理…不適合な状態が放置されることを防ぐため,他の正常な状態と区別(識別)して管理すること。

原子力部門の業務運営の仕組みの強化

  原子力の規制要求等の状況変化に速やかに対応し,適切にマネジメントできるよう,仕組みを強化しています。

※規制要求…法令や原子力規制委員会などからの指示文書等により,原子力発電所の安全確保全般について原子力発電事業者に求められる事項のこと。

原子力安全文化醸成活動の推進

  「報告する文化」および「常に問いかける姿勢」が不足していたことを踏まえ,これらを中心とした原子力安全文化醸成活動を推進しています。

社員の意識改革

  企業・組織における事件・事故・トラブル事例など,毎年テーマを選定し,継続的に職場内での話し合い研修を行い,職場単位で行動基準を策定するなど,内容を工夫しながら引き続き社員の意識改革に取り組んでいます。

話し合い研修の様子

風化防止への取り組み

  点検不備に係る最終報告書を経済産業大臣に提出した6月3日を「原子力安全文化の日」に制定し,安全文化の大切さを全社(関係・協力会社を含む)で共有し,確認するなど,風化させないための取り組みを継続実施しています。

対話活動の推進

  定例訪問への参加など地域の皆さまとの対話活動を継続し,「地域に対し一人ひとりが約束を果たし続ける」という意識の向上を図っています。

島根原子力発電所  低レベル放射性廃棄物のモルタル充填に用いる流量計問題の再発防止対策について

  島根原子力発電所において発生した低レベル放射性廃棄物の搬出に先立ち,埋設処分を行う日本原燃株式会社により実施された監査を契機として,低レベル放射性廃棄物を収めたドラム缶を固型化させるためにモルタルを充填する際に用いる添加水流量計2台の校正記録の写しが不正に作成された事実が2015年6月に判明しました。
  また,そのことに至る過程で,添加水流量計ほか計3台の流量計について,メーカーによる校正の正式な発注手続きが行われていなかった事実,およびメーカー代理店から不調があるとして戻ってきた校正が未実施の添加水流量計およびモルタル充填流量計の計2台を固型化設備に取り付け,固型化設備を運転していた事実が判明しました。
  当社は,判明した問題について事実関係を調査・分析した結果,原因を「業務管理のしくみの問題」,「業務運営の問題」,「意識面の問題」に整理し,再発防止対策に取り組んでいます。
  なお,再発防止対策の実施状況については,「原子力安全文化有識者会議」,「企業倫理委員会」に報告し,第三者の評価をいただきながら取り組みを進めています。

業務管理の仕組みの改善

EAMで管理対象としていなかった機器の点検計画管理方法の改善

  EAMで管理していなかった機器を抽出し,EAMに登録して管理する機器とそれ以外の方法で管理する機器を明確化させ,前者についてはシステム改良を行い,後者については「抜け・漏れ,改ざん防止」の観点から管理方法を定め,点検計画実績を管理しています。

※EAM(統合保全システム)…原子力発電所の設備に対する保全計画・実施・結果に係る情報を統合的に管理するシステム。2010年の点検不備問題の再発防止対策として,帳票で管理していた点検計画等をシステムへ移行して管理している。

固型化設備稼働前の確認プロセスの改善

  固型化設備の稼働前に必要な機器の点検・校正が終了していることを確認するよう手順とし,他設備にも展開しています。

業務に即した手順への見直し

  固型化設備の管理記録について,設備稼働前に作成するとともに,点検の有効期限を明記するよう手順を見直し,他手順書に展開しています。

業務運営の改善

管理者によるマネジメントの改善

  管理者の責務(業務管理,内部牽制,コミュニケーション等)の認識を向上させる研修を実施し,所属員の管理・指導を充実して業務管理の向上を図っています。また,管理者自らが自身の責務に係る業務点検を定期的に行うことで,管理者責務意識の継続的引き上げを図っています。

内部牽制の強化につながる管理方法の改善

  国,自治体等へ提出する重要な報告書等の提出前に,根拠資料との照合,複数でのチェックを徹底し,業務品質の向上を図るとともに,内部牽制の強化を行っています。
  また,監査等にあたっては,監査員への説明の正確性・妥当性の確保,監査員からの質問・指摘への迅速な対応を行うために,担当者一人の対応とはせず,原則,管理者が同席することを徹底しています。

意識面の取り組みの改善

本事案についての事例研修

  本事案の問題点(コンプライアンスに反する行為の実施,不適切な調達行為,管理者への未報告等) について所員全員に事例研修を実施し,原子力安全文化醸成活動の重要性を一人ひとりに徹底し,再発防止を図っています。

「地域に対し一人ひとりが約束を果たし続ける意識」をさらに向上させるための取り組み

  地域の皆さまに発電所を運転させていただいているという思いを浸透させ,また,「個々の業務の重要性」と「地域とのかかわり」について,一人ひとりの認識を向上させるため,お客さまとの接点を増やし,お客さま視点の価値観を認識する機会を拡大しています。

適切な発注業務管理の推進

  所員に対して適切な発注業務に関する教育を実施するとともに,請負者に対しては,当社からの不適切な発注は請け負わないよう,適切な業務管理を要請しました。