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専門機関の見解_c

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)

WHO(世界保健機関)の協力機関の1つで,1992年にIRPA(国際放射線防護学会)から独立した専門組織。
様々な種類の非電離放射線に関する影響を調査し,国際指針の作成や防護についての活動をしている。
1998年にIRPA(国際放射線防護学会)の50/60Hz電磁界の暫定ガイドラインに代る新しいガイドラインを発表した。
その後,2007年にWHOが公表した「環境保健クライテリアNo.238」をうけ,2010年には1998年ガイドラインの低周波部分(1Hz~100kHz)を改訂した。

時間変化する電界および磁界への曝露制限に関するガイドライン(1Hzから100kHzまで)(2010年)

2007年に公表された世界保健機関(WHO)の環境保健クライテリア238の考え方をもとに,1998年ガイドラインの低周波部分(1Hz~100kHz)を2010年に改訂した。

主な変更は,

・ 基本制限※を体内誘導電流密度から体内誘導電界に変更

・ 参考レベル※算定時の人体モデルを変更

・ 電磁界ばく露を制限する根拠として,従来重視されていなかった磁気閃光を考慮

これらの変更の結果,磁界のガイドライン値は,1998年に公表された100マイクロT(50Hz)および83.3マイクロT(60Hz)から,200マイクロT(50Hz,60Hz)に見直された。

国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)

※: 基本制限とは磁界ばく露による人体の健康影響を防ぐために守るべき限度値であり,体内に誘導される電流や電界で示されることが多く,直接測定することができない。一方,参考レベルは基本制限に相当する電流や電界を体内に誘導する外部磁界および外部電界の大きさを表しており,人体モデルを用いた計算シミュレーションで求められる。外部磁界の参考レベルは,磁界測定器で容易に測定することが可能である。 なお,人体モデルでは人体に最も強く電磁界が結合する最悪条件を想定している。このため,参考レベルに等しい電界や磁界が人体の一部に入射しても,基本制限を超えるとは限らない。

電界および磁界の曝露制限値(60Hzの場合の参考レベル)

60Hz 電界 磁界
職業者曝露 8.33kV/m以下 1,000マイクロT 以下
一般公衆曝露 4.16kV/m以下 200マイクロT 以下

IARCの発がん性評価に関する見解(2001年11月)

ICNIRPは,2001年のIARCの発がん性評価に対し,「実験的研究による根拠がない状況では,疫学データにより,電磁界のガイドラインを確立することは不十分である」旨の見解を出しています。

EMFと健康に関する疫学文献評論(2001年12月)

ICNIRPの疫学分科会は「EMFと健康に関する疫学文献評論(2001年)」の中でプール解析(2000年,スウェーデン)の結果について,「既知のメカニズムがなく,再現性のある実験的根拠がないため解釈は困難であり,更なる研究が必要である。」と報告しています。 なお,本疫学分科会には,ICNIRPの委員(当時)であり,プール解析を実施したアールボム博士自身も参加しています。

ファクトシート: 時間変化する電界および磁界(1Hzから100kHzまで)への曝露制限に関するガイドラインについて(2010年11月)

ICNIRPは,ガイドラインの改訂にあたり,「低周波磁界への長期ばく露が小児白血病のリスク上昇と因果的に関連することについての既存の科学的証拠は,ばく露ガイドラインの根拠とするには非常に弱い,ということである。したがって,表面電荷の知覚,神経および筋組織の直接刺激,網膜閃光現象の誘発が,唯一の,十分に確立された健康への有害な影響であり,指針の根拠として利用できる。」と報告しています。
なお,ICNIRPの委員として,スウェーデン カロリンスカ研究所のマリア・ファヒティング博士も参加しています。

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