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調査・研究

電磁界による健康影響を調査・研究する方法としては,人を対象とした「疫学研究」と,動物や細胞を用いた「生物学的研究」があり,両方の研究結果を総合的に評価する必要があります。

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疫学研究とは

疫学研究(調査)とは,病気の原因と思われる環境因子を設定し,その因子が病気を引起こす可能性を調べる統計的調査です。

  • 疫学研究でよく知られた例としては,喫煙と肺ガンの関係があります。タバコを吸う集団の肺ガンの発生率と吸わない集団の発生率を比較して,喫煙量に対する危険の度合いを調査します。この危険の度合いは,相対危険比と呼ばれ「ある環境因子により病気の発生率が何倍になるか」を示しています。
  • 現在まで数多くの電磁界に関する疫学研究が発表されてきましたが,調査結果に一致性がないことや磁界の量と反応関係が不明瞭であることなどが指摘されており,疫学研究の結果のみで人の健康との関連性を明確にすることは難しいとされています。

人間の集団における病気の分布とその発生要因を研究する学問」を疫学といいます。

疫学(疫学研究)では何を調べるの?

疫学研究

疫学研究の手順(タバコと肺ガンの例)

手順1

手順2

手順3

手順4

疫学の判断基準とは?

疫学の判断基準とは?

WHO(世界保健機関)のホームページでは,電磁界とガンに関する疫学研究及び動物や細胞を使った生物学研究を評価するため基準(Hill基準)について,下記のとおり解説しています。

判断基準 解説 磁界とガンの関係 (参考)たばことガンの関係
①関連性の強さ 疫学研究におけるガンのリスクの強度は,次のように分類される。
・ガンのリスク=5以上強い関連性がある。
・ガンのリスク=3以下弱い関連性がある。
・ガンのリスク=1.5以下基本的に無意味である。
磁界の影響ありとする疫学研究では,ガンのリスクは2以下であり,関連性は弱い。 喫煙のガンのリスクは,10~30であり,強い関連性がある。
②関連性の一貫性 各国の疫学研究や違う疫学者によっても,その多くが同一のガンに対して,同程度のリスクを示しているかということ。 磁界に関する研究では,ガンの増加を示している研究がある一方で,他の多くの研究では否定されている。 喫煙とガンに関する全ての研究は,基本的に肺ガンと喉頭ガンのリスクの増大という点で一致している。
③量-反応関係 磁界曝露量が増大すると,それに比例してガンのリスクも増大するかということ。 ほとんどの磁界の疫学研究では,量-反応関係を示すものは見当たらない。 喫煙量が多いほど肺ガンのリスクは高まる。
④実験室の証拠 磁界曝露によるガンのリスクを示す動物や細胞を使った実験結果は存在するかということ。 磁界がガンの原因となり得ると判断できる細胞実験,動物実験の証拠はほとんどない。  
⑤生物学的メカニズム 磁界とガンのリスクの関連を示す説得力ある生物学的メカニズムは存在するかということ。 現時点では,説得力ある生物学的メカニズムは立証されていない。 たばこの煙には,発ガン性物質が含れていることが周知の事実であり説得力がある。
総合評価 磁界とガンの関連性について,現時点の証拠は不十分である。  

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生物学的研究とは

 生物学的研究とは,動物や細胞に実際に磁界をあてて,その影響や因果関係,メカニズムを調べる実験研究です。
 統計的に関連があるかどうかを調べる疫学研究と違い,生物学的研究では,電磁界と生体影響との因果関係を直接検証できます。

  • わが国の電力中央研究所でも生物学的研究を行っていますが,電磁界による影響は見られていません。
  • 電磁界による影響が認められたとする実験では,居住環境を上回る大きな電磁界が用いられるなどしており,また追試による再現性がないものも多く,因果関係は明確になっていません。

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