患者さまからお問い合わせの多いご質問についてお答えいたします。
PET(ペット)とは、Positron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)の略語です。PETはポジトロンを放出する標識された検査薬を注射し、体の中での分布や代謝の様子を体の外から検出して画像にする検査装置で、がんの検査や脳、心臓の検査に使われます。
ポジトロンとは、陽電子つまりプラスの電荷をもった電子のことです。ポジトロンを放出する元素は「ポジトロン核種」と呼ばれ、半減期(寿命)が短いため、PET・検診センター内のサイクロトロンという装置で造られます。
PETに使用する検査薬は、糖分、アミノ酸、脂肪酸など人体が必要とする物質に「ポジトロン核種」を標識した化合物でこれを注射して検査します。
MRIやCTは臓器の形態や血流の状態を表わすのに対して、PETは組織の機能や代謝を画像化する検査です。
腎臓、膀胱、子宮など生理的集積に埋もれたり、重なっているがんや、前立腺がんなど進行の遅いがん、細胞成分の少ないのう胞性・粘液性のがん、原発性の肝がん、分化度の高い肺がん、腎臓がん、胃がんは発見されにくいので、これらのがんの原発巣の診断には他の検査法との併用が必要です。ただし、転移や再発診断には有効な検査です。
またすべてのがんにおいて、小さすぎて腫瘍を形成していないがんは発見できません。
がんの種類ごとに他の検査との併用をおすすめします。
糖の代謝を正しく診断するためには、検査前約6時間は絶食をしていただく必要があります。水やお茶は飲んでも良いですが、砂糖入りの甘い飲みものは避けてください。ごはん以外に飴などのお菓子も、検査が終わるまでがまんしていただきます。また、運動や必要以上の発声(おしゃべり、歌など)も控えていただく必要があります。検査前日の運動も控えてください。
検査薬にはわずかですが放射線が含まれています。しかし、これは胃のX線検査の同程度で人体への影響は少ないと思われます。注射から約2時間で放射線量は半減します。また、薬は尿で排泄され、一日経つと体内にはほとんど残りません。
PETがん検診の積極的な対象は中・高年者が望ましいとされています。
ただし,遺伝的に高い発がんリスクを有する方や喫煙などの危険因子を有する方はこの限りではありません。
がん検査のうち,健康保険が適用されるのは早期胃がんを除く全てのがん検査です。保険適用による検査のお申込みの際には,主治医の先生とよくご相談のうえお申込みください。
悪性の腫瘍は検査薬に含まれたブドウ糖の摂取が高く、良性では少ないという特性があります。この反応で良性か悪性かを判断します。ただし、必ずしもすべての腫瘍を正確に判別できるわけではないことをご理解ください。
PET検査は一度の検査で全身が検索できますので、がんの転移を発見するのに大いに役立ちます。転移の有無によって、治療法が変わりますので、PET検査は有用です。ただし、小さな細胞レベルの転移は発見が困難です。
詳細な報告書をお届けしますので、必要な追加検査を行って適切な治療を行うことになります。もちろん当院でも必要な検査・治療は可能です。
いずれにしろ、専門的な相談・検討を行って治療をすることが重要です。
保険診療の場合は,ご紹介いただきました医師よりご説明があります。
自由診療の場合は,検査当日の15時30分より,随時,ご希望の方にご説明いたします。
受付してから会計まで,通常は2時間半から3時間となります。
検査薬にはわずかですが放射線が含まれています。24時間くらい接触を控えていただいております。