Energia 中国電力株式会社 中電病院

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耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科の直通電話番号

(082)541-4016(開院日の8時30分~17時)

耳鼻咽喉科の外来分担表

 
午前 藤井 藤井 藤井 藤井 藤井
午後 特殊検査
外来手術
(予約制)
藤井
(但し,奇数月の第3火曜の午後は手術のため休診)
- 藤井 特殊検査
外来手術
(予約制)
  • 午前受付・・・8時~11時
    診療開始・・・9時~
  • 午後受付・・・11時10分~15時30分
    診療開始・・・14時~

耳鼻咽喉科医師のプロフィール

氏名ふりがな 役職 専門領域 資格
藤井 守
藤井 守ふじい まもる
部長 鼻科学・平衡神経科学 日本耳鼻咽喉科学会専門医

中電病院 耳鼻咽喉科の専門分野

鼻・副鼻腔炎に対する内視鏡手術(副鼻腔炎,ちくのう症や鼻づまり,鼻水の改善)

  慢性副鼻腔炎(いわゆる,ちくのう症や鼻茸,ポリープ)に対して,内視鏡を用いた副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESSとも呼びます)を多く手がけています。副鼻腔に問題がある場合,その手前の鼻腔の形態も整えて空気の流れを良くして,鼻腔と副鼻腔との間の換気障害を改善しなければ術後の長期の安定性は保てないと考えています。そのため,副鼻腔に対する手術に加えて,鼻中隔彎曲症やアレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎による下甲介粘膜の腫れに対する鼻腔内形態の矯正手術(鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術+後鼻神経切断術[翼突管神経切断術とも呼びます]→後ほど説明します)も併せて行い,換気を回復させることで良好な成績を上げています。換気を改善させるので,鼻づまりに対しても改善効果が期待できます。一般的に耳鼻咽喉科医師1名勤務の施設では扁桃・アデノイド手術が手術件数としては最多になるものですが,下記の表のように2017年度で130件の内視鏡下鼻副鼻腔手術が行われ(重大な合併症や術後感染は起こっておりません),扁桃・アデノイド手術を上回っています。これも当科の専門性を反映する結果と思われます。

  2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度
内視鏡下鼻副鼻腔手術 106件 151件 82件 83件 130件
扁桃/アデノイド手術 47件 24件 25件 24件 12件
当院独特な手技上の工夫
中甲介の縫合固定による副鼻腔への換気路の確保

  鼻腔と副鼻腔の境に中甲介という構造があります。副鼻腔炎が慢性化している人では,この中甲介が外側に寄り気味で鼻腔と副鼻腔の境が狭くなって換気が悪い状態にある人が多いです。また,手術中に内側へ寄せても,術後に外側へジワッと戻っていくことが多々あり,こうなると再び鼻腔と副鼻腔の境が狭くなって換気が悪くなり,副鼻腔炎が再燃しやすくなります。
  従来,中甲介を適正位置へ保ち,術後変化を防ぐ有効な手段がありませんでした。しかし,欧米の一部の施設では中甲介を鼻中隔(鼻の空間を左右に分けている真中の仕切り)に糸で縫いつける方法が行われています。狭く深い鼻腔の中での縫合操作は意外に難易度の高い操作のため,日本国内では殆ど行われていません。当科では2006年度途中よりこの手技を取り入れ,鼻腔形態の保持および副鼻腔炎の術後経過の安定に大きな成果を上げています。

最近の手技上の工夫点

鼻中隔矯正術(鼻中隔湾曲症による鼻づまりに対する手術)

鼻中隔彎曲症の矯正手術時のBatten Graft

  鼻中隔と呼ばれる,鼻の空間を左右に分けている真中の仕切りの曲がりによる鼻づまりもよく見られます。これに対しては鼻中隔正術という手技が有用です。鼻中隔湾曲症(正式には鼻中隔彎曲症,鼻中隔弯曲症と云います)の矯正手術の基本的な考え方は弯曲した骨/軟骨部分の除去です。多くの方では,この弯曲部の除去で事足ります。
  ただ,鼻中隔前端部分からの弯曲が強い方が時々おられます。そうなると,弯曲部の除去のみでは対応できません。前端部分は鼻の形状を前方で支える構造なので,ここを弯曲是正のために除去すると,鼻の形状の前方の支えがなくなり,鼻が落ち込んでしまいます。そのため以前は,前端部分は手術で矯正することは困難と云われていました。
  当院ではこのような症例対しても,前端部分を温存したままで,出来るだけ矯正する手技も取り入れています。
  ただし,この手技も前端部型の鼻中隔彎曲症のすべての症例を下図のようにまっすぐにできるという訳ではありません。鼻の高さが別な要因で規定されているため,下図の手段を取り入れても,幾らかのゆがみは残ります。

鼻中隔矯正術

  以前に鼻中隔矯正術を受けたことがあるけれど,前端の弯曲が残っているといった場合は,修正用の軟骨片の採取ができないことが多いので改めて前端部を修正することは困難です。
  また,元々曲り癖のある部位を温存しながらの手術のためか,手術の効果は手術直後ではなく,術後1~2か月程度かけて徐々に現れてくる人が多いようです。

スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎で,特に重症の方に対する手術的治療
(鼻中隔や後鼻神経に対する手術などで鼻づまり,鼻水の改善)

1. 鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術や後鼻神経切断術(翼突管神経切断術ともよびます)

  季節性の花粉症や,通年性のアレルギー性鼻炎の程度が強くて,外来でのレーザー治療の効果が乏しかった方,あるいは鼻腔内が狭くてレーザー治療が困難な方に対する治療法です。入院での手術となりますが,鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術が有効です。鼻中隔という鼻の中で左右を分けている仕切りの左右への歪みが修正され,アレルギーで腫れた下甲介粘膜の処理も十分に行われるので,鼻づまり,鼻汁(鼻みず),クシャミというアレルギー性鼻炎の3大症状全てに効果を期待できます。
  その中でも特に症状の強いアレルギー性鼻炎に対しては,先ほどの鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術に加えて,内視鏡を用いた後鼻神経切断術(翼突管神経切断術とも呼びます)という手技を併せて行うことで,さらに高い効果を期待できます。
  後鼻神経(翼突管神経)へのアプローチは粘膜下下甲介骨切除術に引き続いて行う下甲介経由のアプローチが教科書的なものです。しかし,症例によっては奥深くて神経の同定確認,あるいは神経確認後の手術操作が困難な場合があります。当科では,従来法よりも経路の短い中鼻道経由のアプローチも併用することで神経の同定確認及び手術操作が十分な視野の元で確実に行えるようになりました。

2. レーザー治療

  スギ花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎の患者さまには,日帰りで施術可能な炭酸ガスレーザー照射手術という手段もあります。ただ,鼻中隔という鼻の中で左右を分けている仕切りの左右への歪みが強い場合や,アレルギーの程度が強くて下甲介粘膜の腫れが高度であると,レーザー治療用の器具を奥まで進めることができません。
  その場合は,先にお話しした鼻中隔矯正術+粘膜下下甲介骨切除術や後鼻神経切断術(翼突管神経切断術)をお勧めしています。

  • ・レーザー治療は何故効くの?
      レーザー光線を照射することでスギ花粉などの原因抗原に敏感になっている粘膜層のみを薄く焼いて(μmの単位です)落とします。その後再生した新しい粘膜はスギ花粉に対する敏感さを余り持っていないのでクシャミや鼻水といった症状が和らぎます。ただ,ごく表層にしか作用しないので,腫れた粘膜をしぼませる効果には乏しく,鼻づまりに対する効果は余り期待できません。

  • ・花粉症の時期に行うの?
      スギ花粉症の場合,花粉が飛散しはじめる頃にはレーザー照射手術の傷が落ち着いていることが望ましいです。そのため,レーザー照射手術自体は前年の晩秋~初冬に行うのが望ましいと思われます。

  • ・すぐ,出来るの?
      日帰りとは言っても,「手術」ですので通常の外来に受診していただき鼻内の状態や他の合併疾患,薬剤アレルギーの有無などを確認させていただいてから,手術日の予約を取らせていただくことになります。

内耳由来のメマイ疾患

  メマイの原因は大まかに分けると内耳の障害,中枢性(脳)の障害,自律神経系の障害に分けられます。
  当科では問診ならびに諸検査で,患者さまのメマイの原因が上記の3つの何処にありそうか?を調べます。おおまかな割合では,内耳の問題である可能性は約1/3であり,そうであれば当科で治療も行います。中枢性や自律神経系の障害と思われる場合には脳神経外科や脳神経内科専門医に紹介させていただきます。この場合,当院には該当診療科常勤医師がないため他院への紹介となります。
  また,調べても原因がはっきりしないものも現実には3割程度あります。

  内耳性メマイの中では良性発作性頭位眩暈症という疾患が比較的多いです。本来,卵形嚢という場所に存在している耳石の一部が脱落して,半規管内に迷入したために起こるメマイです。これに対しては広島県内でも早くから頭位療法という理学的療法を取り入れています。全例に適応という訳ではありませんが,患者さまの状態に応じて後半規管型にはParnes法やSemont法,外側半規管型にはLempert変法や頭部傾斜捻転法という手技を行っています。頭部傾斜捻転法は当科のオリジナル法であり,これらの成果はすでに広島医学誌,耳鼻咽喉科臨床誌,耳鼻咽喉科頭頸部外科誌,平衡神経科学会誌,Acta Otolaryngologica誌といった専門学術雑誌に11編の論文として掲載されています。