(082)541-4024(開院日 8時30分~17時)
中電病院薬剤科では,薬剤師が医薬品に関するさまざまな業務にかかわることにより患者さんをはじめ病院社員からもチーム医療を担う一員として信頼され,医薬品の適正使用に貢献できる薬剤科を目指して日々業務に取り組んでおります。当院の薬剤科には,薬剤師(正社員・パートタイム社員)および薬剤補助者が勤務しており,調剤業務(外来調剤,入院調剤,注射薬調剤)を中心として,病棟業務,抗がん剤調製,院内製剤,医薬品情報,薬物血中濃度モニタリング(TDM)などの業務を各担当薬剤師が行っています。
医師が発行する処方せんに基づいて,外来院内処方,入院処方の内服薬・外用薬の調剤を行っています。処方せん発行時に,他科との重複投与,相互作用,禁忌症等がないかを調剤支援システムによりチェックをし,薬剤師の立場でもチェックを行っています。処方内容に疑義(用法・用量,重複,相互作用等)がある場合は医師に確認後,調剤を行っています。
医師が発行する注射処方せんに基づいて,入院定期注射薬の患者別個人払い出しと臨時注射薬の払い出しを行っています。その他,消毒薬や処置薬も含め,薬品の供給と品質確保を含めた在庫管理を行っています。
入院病棟に担当薬剤師を配置し,病棟薬剤業務・薬剤管理指導業務を行っています。入院患者さんに処方されている薬の「飲み方」「効果」「副作用」などの服薬指導を行うとともに,ベットサイドで得られた情報を医師・看護師にフィードバックを行い,より良い薬物療法を目指しています。退院時指導として,退院される患者さんがご自宅に帰ってからの薬の服用方法についての注意事項および保管方法等について,患者さんあるいはご家族に説明を行っています。
また、手術や検査等で入院される患者さんに対し、入退院支援センターや外来看護師等と協力し、患者さんが使用されている薬剤やサプリメントの確認を行っています。手術や検査に影響を与える薬剤を使用されている場合、必要に応じ中止する薬剤の説明を行っています。
外来患者さんが化学療法室で行う抗がん剤や入院患者さんの抗がん剤の調製は,安全キャビネットや閉鎖式接続器具を使用することにより,調製者の安全を確保しています。さらに,抗がん剤の投与計画は患者さん毎に異なるため,患者さんの身長や体重,薬の投与量や投与期間,投与方法のチェックを行い抗がん剤の適正使用に貢献しています。
また,入院患者さんのTPN(中心静脈栄養法)の注射薬の無菌調製も行っています。
院内製剤とは薬剤師により病院内で調製される製剤のことです。薬物治療において,市販されている薬では効果が得られない場合,市販されている剤形(薬の形)そのままでは治療に使用できない場合など,薬物治療上のニーズに応じて,個々の患者さんに合わせて院内製剤として調製しています。
医薬品の安全性や適正使用に関する情報を収集・整理し,院内のスタッフや患者さんに情報提供するほか,医薬品に関する問い合わせに対応しています。 また,院内で起きた副作用の報告やプレアボイド(副作用回避事例報告)を収集・報告し,医療安全の推進を図っています。
抗MRSA薬(バンコマイシン,テイコプラニン)について,シミュレーションソフトを使い,薬物の血中濃度がどのように変化しているのかをモニタリングし,適切な投与量,投与間隔をシミュレーションしています。抗MRSA薬は薬品の効果のある血中濃度の範囲(有効血中濃度域)と副作用が出る血中濃度の範囲(副作用発現濃度域) が接近しているものが多く,また,患者さんの病態や代謝排泄能により薬物の体内での吸収・排泄が大きく変化します。定期的に血中濃度の測定を行い,シミュレーション結果は主治医に報告し,個々の患者さんに合わせた最適な投与量を提案しています。
禁煙治療は,一定の要件を満たせば健康保険が適用されます。当院の「禁煙外来チーム」は,医師,薬剤師,看護師,事務職員等によって構成されています。患者さんは,外来で看護師の問診を受けた後,薬剤師から禁煙補助薬の貼り薬のニコチネルTTS®と内服薬のチャンピックス®の特徴と副作用の違いの説明を受けます。その後,外来で医師の診察を受けて,薬剤を選択します。2剤とも禁煙初期の離脱症状や精神的な作用を大幅に緩和するものです。また,禁煙外来チームによる精神的なサポートを行い,禁煙成功率のアップに努めています。
院内で取り扱う医薬品は,内服薬,外用薬,注射薬などの他に消毒薬,検査薬などがあります。薬品管理業務は,これら医薬品が品質に問題なく患者さんや院内に供給できるよう在庫管理し,各科各部署に供給する業務を行っています。それらの院内に配置された医薬品について,薬剤部内はもちろん各科各部署にて定期的に使用期限の確認を行っています。
PET(ポジトロン断層撮影法)検査に使用する放射性薬剤(FDG:フルオロデオキシグルコース)は,院内の製造施設で製造しています。薬剤師は,FDGが医薬品としての基準を満たしているかどうかの品質管理(無菌試験,エンドトキシン試験,半減期試験,pH試験等)を行っています。
AST(抗菌薬適正使用チーム)、感染防止委員会、NST(栄養サポートチーム)、褥瘡委員会、緩和ケア委員会、リスクマネジメント部会など、他の職種とともに院内のチーム、委員会の一員として活動しています。
抗菌化学療法認定薬剤師 1名
NST専門療法士 1名
日病薬病院認定薬剤師 5名