第26回 自治体説明会
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《開催日》2019年4月22日(月)13時30分~15時35分
《出席者》島根県,松江市,出雲市,安来市,雲南市,鳥取県,米子市,境港市
前回の説明会(2019年3月18日)以降に開催された2回の審査会合の概要等についてご説明しました。
<外部事象の考慮他>
○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 外部事象の考慮について [PDF:6,757KB]
島根原子力発電所 2号炉 燃料プールへの重量物落下について [PDF:4,018KB]
島根原子力発電所 2号炉 燃料プール監視設備について [PDF:1,972KB]
島根原子力発電所 2号炉 安全施設について [PDF:6,255KB]
○主なご説明内容
外部事象の考慮などについてご説明。
○自治体からの主なご質問
- 航空機落下確率の評価において,評価する建物の面積で,タービン建物や廃棄物処理建物の一部を除外するといった議論があったが,この件について他プラントの状況はどうか。
→評価の対象については,各社で若干の考え方の違いがあり,例えば,地下のものは考慮しない等がある。ご指摘の廃棄物処理建物の一部を評価の対象に含むことについては,島根2号機では廃棄物処理建物の一部に,中央制御室の機能を持たせているところがあり,このような機能的な特徴を踏まえてのものである。当社は,先行実績も確認しているが,審査会合で指摘を受けており,対応について現在,検討しているところである。
- 自然現象の組み合わせにおいて,地滑りと風がどのように組み合わされるのかイメージできない。
→風と地滑りの組み合わせについては,地滑りの衝突があり,その上に風の力があると考えていただきたい。
- 積雪の設計基準は100cmに設定されており,これは既往最大値と建築基準法で定められた値を比較し設定されているが,組み合わせの積雪荷重では,建築基準法で定められた72cmとなっている。考え方を説明いただきたい。
→建築基準法では,建築基準法で定められたもの(72cm)に対して,0.35倍を掛けた値を組み合せることとなっている。
- 審査会合で,組み合わせの積雪荷重についても100cmとすべきとの指摘があったかと思うがどのように対応されるか。
→審査会合での指摘については,どのように答えるかも含め今後,整理し対応していく。
<耐震設計の基本方針>
○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 耐震設計の基本方針について [PDF:15,359KB]
○主なご説明内容
耐震設計の基本方針についてご説明。
○自治体からの主なご質問
- 耐震重要度分類Sクラスの設計要求の考え方について,Sクラスは原子炉圧力容器,原子炉格納容器のように破損すれば放射性物質が拡散するものと理解しているが,基準地震動で機能喪失しないこと,申請時には,基準地震動の60%で概ね変形しないことということであった。
これが今回,基準地震動の50%となっている。安全性が後退したように見えるが変更理由を説明いただきたい。→当初申請時は,600ガルの基準地震動(Ss)に係数として0.6倍を掛けていたが,現在は,820ガルのSsに0.5倍を掛けており,数値は小さくなっていない。
係数に関しては,ガイドに0.5倍以上とある。申請時には,弾性設計用地震動(Sd)に関し,Ssが4つあり,それを1つの波で包絡させるため,係数として0.6倍を掛けていたが,今回は4つのSsの波すべてに0.5倍を掛けて,すべての波でSdを設定している。 - 以前から地下水対策をされていると思うが,既設の工事計画での評価と概ね同等か。地下水対策の効果はどのように出てきているか。
→地下水については,防波壁の施工完了後から建物廻りで地下水位を観測している。
その結果を踏まえ,今後,地下水位を設定するが,基本的に既申請時の朔望平均満潮水位0.46mと大きく変わらないと考えている。 - 水位だけでなく,地下水を汲み上げていると思うが,万一,福島第一の事故のようになった場合,できるだけ地下水の量を減らすということも重要。汲み上げ量は減っていないのか。
→詳しい数字は持ち合わせていないが,量は減っている。
- 上位クラス機器への波及的影響を考えている下位クラス機器のガントリークレーンについて,事故時の安全対策として原子炉補機海水ポンプ用電動機の予備品を確保しているが,仮に浸水し電動機を取替えることとなった場合,ユニッククレーンで届かなければ,ガントリークレーンを使用することになるが,機能維持についてどのような整理になっているか。
→原子炉補機海水ポンプ用電動機の取替えはユニッククレーンで対応でき,ガントリークレーンは使用しないので,動的機能維持までの確認はしない。
- Sクラス配管への3次元ダンパについて,海外で実績があるようだが,先行プラントにはないものであり,今後,審査の長期化が予想されるものになるか。
→制震装置自体は,国内原子力プラントの排気筒で使用実績があるが,配管系についは3次元形状をしており,3次元の応答があるため,対策が難しいということで,海外の3次元制震装置を採用する。試験を行っているのでこの結果を今後,説明していく。このようなこともあり,論点として挙げている。
<確率論的リスク評価>
○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について 内部事象PRA [PDF:2,654KB]
島根原子力発電所 2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について 地震レベル1PRA [PDF:5,800KB]
島根原子力発電所 2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について 津波レベル1PRA [PDF:4,958KB]
○主なご説明内容
確率論的リスク評価(PRA)についてご説明。
○自治体からの主なご質問
- PRAは分かり難いため説明にあたり,PRAのレベル1や1.5の解説をいただき分かりやすかった。
地震PRAの見直しの結果で,全体の炉心損傷確率が約8倍となっているが,何が効いてきたものか解説いただきたい。→ハザードの見直し,フラジリティの見直しなどによりPRAの適正化をした結果である。基準地震動の審査を受け,ハザードに反映しており,ハザード曲線で同じガル数の位置で比較すると地震の発生確率は上がっている。
特に600~1000ガルの地震の発生確率は,PRAに効いてくる。炉心損傷の発生確率が上がる主な要因は,地震の発生確率が高くなったことであり,その他の見直しは発生確率が低くなる形となり,これらのバランスで,炉心損傷の発生確率が約8倍になったということ。 - 内部事象PRAの起因事象の発生頻度は,島根だけでなく,全国の発生頻度となっているか。
→以前はアメリカのデータを使っていたこともあるが,現在は,国内の原子力発電所の実績に基づくデータを使用している。
- 津波PRAについて,防波壁の通路を開いたままで浸水解析を実施されている。審査会合の中で,閉じた状態でも解析を実施すると言われていたが,防波壁の通路が開いていることが必ず保守的とは思わない。ある程度浸水していれば,波力は弱まると考えているがどうか。
→浸水解析の結果から,浸水経路は,取水槽,放水槽の開口部の水位が上がって敷地内で浸水するものと,防波壁を乗り越える,指摘のあった防波壁通路からの浸水がある。
防波壁の通路を開けることで周りの波力は若干弱まることもあるが,そこには有意な変化はないと考える。
審査会合での指摘は,PRAは保守的に行うことが必ずしも良くない。通常時閉じているのであれば,閉じたままで行って,その際のリスクを掴むべきではないかとの指摘と理解している。現在,検討中であるが,浸水解析の中で,どこからどれだけの量が入ってくるか分かっているので,防波壁通路からの浸水量は,全体の1割程度とさほど大きくないことを確認しているので,そこは影響しないと回答するつもりである。
以上