第28回 自治体説明会

《開催日》2019年7月12日(金)14時00分~15時40分
《出席者》島根県,松江市,出雲市,安来市,雲南市,鳥取県,米子市,境港市

前回の説明会(2019年6月14日)以降に開催された4回の審査会合の概要等についてご説明しました。

<地震による損傷の防止(2019年6月18日審査会合分)>

○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 地震による損傷の防止(コメント回答) [PDF:5,345KB]

○主なご説明内容
地震による損傷の防止のうち弾性設計用地震動Sdの設定,地下水位の設定に関する指摘事項の回答などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 地下水位低下設備の効果を示すこととのコメントを受けているが,現在,設置している地下水位低下設備の運転を停止した状態で観測するのか。

    →地下水位低下設備を停止すると設備に影響を与えるため,シミュレーションにより評価する。

  • 液状化強度比について,簡易設定法の方が液状化試験結果よりも2倍も下回り極めて保守的としているが,今回の液状化試験データとして使える試料が取れたところは4箇所しかなく,残りの17箇所は試料の直径の1/5を超える礫があったかと思う。4箇所のデータを補足するための別手法の検討をされると思うが,その検討状況はどうか。また,別の試験をすることにより大幅に期間がかかるのか。

    →試料採取が非常に困難であることは説明しており,1/5を超える礫を含む試料についても基準を満たさない参考値として示している。今後,同じ手法で試料を増やしても同様の状態になることが容易に想像できるため,別の手法で試料を増やすこと等を考えているが,この試験に大幅な期間がかかるとは考えていない。

  • 地下水位低下設備は,基準地震動Ssに耐えられる設計で良いか。

    →そのとおり。審査会合でも説明している。

<津波による損傷の防止他(2019年6月27日審査会合分)>

○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 津波による損傷の防止(コメント回答) [PDF:7,566KB]
島根原子力発電所 2号炉 竜巻影響評価について(コメント回答) [PDF:3,296KB]
島根原子力発電所 2号炉 外部事象の考慮について(コメント回答) [PDF:2,568KB]
島根原子力発電所 2号炉 誤操作の防止について(コメント回答) [PDF:193KB]
島根原子力発電所 2号炉 全交流動力電源喪失対策設備について(コメント回答) [PDF:239KB]

○主なご説明内容
津波による損傷の防止のうち津波荷重の設定,外部事象の考慮のうち航空機落下確率に関する指摘事項の回答などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 津波について,ソリトン分裂波による影響として水位のシミュレーション結果を示しているが,仮にソリトン分裂波があった場合,水位の波形がどのようになるのか。また,ソリトン分裂波が発生した場合,どのようなところを設計上考慮しなければいけないのか。

    →ソリトン分裂波については,津波が遡上していく過程で,波が分裂してどんどん高くなっていく状況であり,波高が上昇し波圧も上昇する。砕波も同じであり水深が浅くなってくると波が高くなる。実際の水深と波高が変わってくるため,津波の波圧の算出が変わってくる。

  • 航空機落下確率について,タービン建物,廃棄物処理建物を標的面積に追加したことにより,目安となる10-7回/炉・年に近づいてきているが,この目安の根拠は何か。

    →航空機落下確率の評価は,随分昔から安全審査の中にあり,過去の海外の事例から引用してきた10-7回/炉・年が1つの目安として用いられている。また,この値の意味合いとしては,先日も日本原燃の施設の審査の中でも議論が出ており,この値を少々超えたから直ちに発電所の現象として変わるものではないが,まだ議論されているものと考えている。

  • 評価結果が目安値10-7回/炉・年に近づいてきている。例えば民間の航空機やチャーター便の発着回数も増えてきているがどう影響するのか。また,航空路の巡航中の方が離着陸時より落下確率が1桁低いが,離着陸時の落下事故確率が評価結果に反映されているのか。

    →事故データおよび対象事故データの選定方法のフローチャートに従い決めている。不定期便,滑走中や地上は対象としてない。離着陸時と巡航中は基本的なデータベースが違い,それぞれに従った評価を実施している。

  • 航空機落下確率の標的面積の計算は号炉毎に算出しているのか。

    →航空機落下確率は,号炉毎に評価するよう決められている。

  • 航空機の関係について,美保基地の中期防衛計画において空中給油機の数が増えてくると決まっているが,評価に考慮しているのか。

    →自衛隊機又は米軍機の落下事故について,発電所上空は訓練空域ではないため,訓練空域内での訓練中の落下事故および基地-訓練空域間往復時の落下事故は評価対象外とし,訓練空域外を飛行中の落下事故を評価対象としている。

<基準津波の策定(2019年6月28日審査会合分),外部事象の考慮他(2019年7月2日審査会合分)>

○ご説明資料
島根原子力発電所 2号炉 基準津波の策定について(コメント回答) [PDF:24,367KB]
島根原子力発電所 2号炉 外部事象の考慮について(コメント回答) [PDF:7,572KB]
島根原子力発電所 2号炉 津波による損傷の防止(コメント回答) [PDF:8,110KB]

○主なご説明内容
基準津波の策定のうち1号放水連絡通路防波扉位置における評価,外部事象の考慮のうち地滑り・土石流影響評価に関する指摘事項の回答などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 独立行政法人防災科学技術研究所と平成14年の島根県砂防課の調査に基づいて,土石流の危険渓流区域が敷地内に7箇所指定されているようである。例えば免震重要棟の設置や特定重大事故等対処施設の敷地造成などに伴い現地の状況や集水面積は変わり,谷の面積も減ってきているのではないかと思う。現在,実施している調査は,敷地造成が行われた段階での調査か。

    →そのとおり。土石流危険渓流については,免震重要棟の敷地造成により既に無くなっている。調査は現在の状態にて実施しているが,渓流の範囲としては造成前当時のもので評価している。

  • 面積がかなり減り,土石流が発生するリスクも低くなっていると考える。そのうえで仮に土石流が発生した場合の建物の強度を評価したものと理解する。

    →砂防基本計画策定指針等のやり方で考えると,渓床流動型土石流や山腹崩壊型土石流等が発生する可能性は非常に低いが,現地を調査した結果,堆積土砂が多少でもあれば,保守的に移動可能土砂量を算出して耐力評価をしていくという先行プラントの事例と同様に評価している。

  • 土石流の現地調査の結果から安全施設に影響を及ぼすような山腹崩壊型土石流が発生する可能性は低いとされている。本当に土砂が出ないのか。

    →現地調査をした結果,堆積土砂が薄く分布するため,侵食深,侵食幅および渓床の延長を想定して,表にある土砂量を算出している。その土砂が実際の渓流の近くにある施設に当った際にどうなるか評価している。その結果,安全機能の重要度分類クラス1,2については影響ないことを確認している。ただし,それら以外の安全施設において,固体廃棄物貯蔵所A棟,B棟が土石流危険区域の近くにあり,土石流による耐力評価を実施した結果,いずれも許容限界に対して発生値が非常に低く,耐力評価は全てが土石流によって損壊しない結果となっている。

  • 地山について,施工面として防波壁や地山への擦り付け部はどのようにされているのか。

    →防波壁の東端部の擦り付け部は,岩盤にH鋼を埋め込み,上側のコンクリートと一体化させている。西端部も同様に岩盤を露出させ,きれいに掃除した後,H鋼で一体化させている。

以上

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