vol.1
五感を研ぎ澄まして

五感を研ぎ澄まして

見て、触れて、聴いて、
全身を使って確認。
長年の経験と技術で、
わずかな異変も見逃しません。

安全に安定した電気をお届けするには、人の手による点検が必要不可欠。
トラブルをいち早く察知するため、視覚、聴覚、嗅覚といった
五感をフルに生かして作業しています。

五感を研ぎ澄まして鍛え抜いた技術

燃料にLNG(液化天然ガス)を使用し、発電効率の高いコンバインドサイクル発電方式を採用している柳井発電所。ここでは、安全に安定した電気を届けるという使命感のもと、24時間体制で毎日465項目もの機器点検を行っています。夏場は建物内の温度が40℃以上にも達し、常に機械音が鳴り響く過酷な環境のなか、高速回転しているモーターに異変がないか、聴診棒で内部の音を聴いて確認していきます。一般の人では分からないようなかすかな音の違いを聞き分けるのに、頼りになるのは自身の経験と五感を研ぎ澄まして鍛え抜いた技術。原因まで判別できる技術を身につけるには、長い年月がかかります。

モーターが発するわずかな音の違いも聞き逃しません

また、温度や振動にも異変がないかも念入りにチェック。毎日繰り返される作業の中で身についた感触や感覚を頼りに、モーターや配管等のわずかな温度の違いや振動の違いを手の甲で察知。手で触りにくいところは、足の裏に伝わる振動で異変を感知することも。全身で見て、触れて、聴いて、判断し、わずかな異変も見逃しません。

精度の高さを支える“マイプラント意識”

圧力調整弁などのバルブから水蒸気やガスが漏れていないか、目に見えないものを点検するのも大切な仕事。LNGに特有の臭いをつけているので、ガス漏れは嗅覚を使って確認します。水蒸気は懐中電灯で照らしてチェックしますが、わずかな漏れも見逃さないよう、小さな鏡を使うことも。鏡に水滴がつけば、蒸気漏れのおそれがあるということになります。

暗い箇所も懐中電灯で照らしながら,ひとつひとつ異変がないか点検します
こういった作業は、人によって感じ方が異なるため、伝承していくのが難しい技術です。新入社員は先輩社員に同行し、五感を使った点検を体感しながら覚えていきます。何度も繰り返し経験を重ねるなかで、達人の領域に近づいていくのです。

社員のモチベーションとなっているのが、自分のもののように発電所を愛する「マイプラント意識」。自分達の手で電力の安定供給を守るという強い責任感が、精度の高い点検に繋がっています。

撮影場所:柳井発電所 詳細はこちら >>

福山琴 琴職人

糸がはじきだす最高の音を求めて
手で触れ、音を聴き、
五感を研ぎ澄ます。

琴作りに大切なのは、五感。
木と対話をしながら、カンナをかけ、装飾をし、
糸を張っていきます。
手をかければかけただけ、良い音が出るのが琴作りの魅力です。

音質に関わる綾杉をひとつひとつ手作業で彫る藤田さん

長年の経験と勘が腕の見せどころ

全国生産量の70%を占め、楽器として初めて伝統工芸品に指定された「福山琴」。分業化が進むなか、藤田琴製作所の藤田さんは、木の選定から糸張りまですべて手作業で行っています。木は、湿度に強く、乾燥しても割れにくい厳選した会津桐のみを使用。琴の音色は木質が硬いとすっきりした音、木質が柔らかければ、丸みのある音など、持ってうまれた木の質や年輪で決まります。

木を選んだあとは、最低でも1年ほど天日や雨にさらして、ようやく作業に。飾りに使う木は陰干しをするので、3年間乾燥させます。その後、規定の長さと幅に切った木をカンナやノミで中央部をくり抜き、音が反響する「綾杉」というギザギザの模様をつけていきます。ここは機械では絶対にできない職人技。高音が出る場所は木の厚みを薄くするなど、長年の経験と勘に頼って作業を進めていきます。

一人ひとりのお客様のことを想い、琴糸を張る様子

一人ひとりのお客様にあわせた
繊細な作業

裏板を張ったあとは耐久性を出すために、数百℃に熱した真っ赤な鉄のコテで表面をムラがないように均等に焼き、ウズクリという草の根を束ねてできた棒たわしのような道具で表面をこすって仕上げます。豪華な装飾を施したあとは、糸張りを行います。
13本の糸を、一本ずつたるまないようにしっかり結び付けていく糸締めの作業。琴を弾く方の好みや年齢などを理解し、一人ひとりに合わせた糸の調節はとても繊細で、高度な技術が必要とされます。

そうやって藤田さんが魂を込めてつくった琴は、これまで多くの人の手に渡っていきました。大切な技術の伝承は口伝え。弟子は師匠の姿を見て学び、感覚をつかんでいきます。日本の伝統工芸が次の世代へ受け継がれていくには、繰り返し経験を重ねる中で職人に近づいていく、日々の積み重ねが必要なのです。

ものづくりのまち福山

福山は琴をはじめ、デニム、下駄、い草製品、木製家具、
備後織物など伝統的な産業が盛んな街として有名です。

福山市
  • 松永下駄
    松永下駄

    日本一の下駄の産地として知られる松永。明治時代初期、松永は製塩業が盛んで、塩を煮詰める薪を使って下駄を作ったのが松永下駄の始まりといわれています。松永下駄は「安価な大衆の下駄」として全国に広がり、1955年のピーク時には年間5,600万足を生産。現在も日本下駄の約5割を占めています。

  • びんご畳表
    びんご畳表

    備後地方は藺草生産の最適地であり、その藺草を使った「びんご畳表」は全国的に最高級の畳表として知られています。今でも、世界遺産・国宝・重要文化財などに使用されています。2008年には地域団体商標(地域ブランド)として登録されました。

  • デニム
    デニム

    福山市では、江戸時代から織物づくりが盛んに行われており、繊維産業が大きく発展してきました。現在では、高品質のデニムを生み出す企業が集積し、有名ファッションブランドで使用されるなど世界から注目されています。

柳井発電所 Yanai Power Station

柳井発電所はエネルギーの多様化を図るため、燃料にLNG(液化天然ガス)を使用しています。発電はLNGを燃やしてガスタービンを回し、その排熱を利用して、さらに蒸気タービンを回す、高効率なコンバインドサイクル発電方式。1つの建屋内に10基の発電機が横一列に並ぶ姿は圧巻で、日本では最長クラスの火力発電所です。
また、風光明媚な瀬戸内海に面しているため、周辺の島々の景観に溶け込むような建物の色使いやデザインを採用しています。

発電所出力 140万kW
発電方式 コンバインドサイクル発電
燃料 LNG(液化天然ガス)
敷地面積 約50万m²
所在地 山口県柳井市柳井字宮本塩浜1578-8
柳井発電所

この街の未来を、愛する人がいる。この街の未来を、愛する人がいる。