vol.5
次の世代に受け継いで

水力発電設備の点検技術は
ベテラン社員から若手社員へ
現場で脈々と受け継がれています。

水の流れを利用して電気をつくる水力発電。
その発電設備の点検は、安定的に電気をお届けするための大切な作業です。

山から麓に延びる⽔圧鉄管の点検

鳥取県米子市の中心部から南へ約30キロの地点にある日野郡日野町の「黒坂発電所」。水資源が比較的豊かな鳥取県では、水力発電所が多く点在しています。黒坂発電所は昭和15年に建設され、今もなお、電力供給を支えている現役の発電所です。ダムや河川から取り⼊れた⽔を発電⽤の⽔⾞まで送る設備のひとつである⽔圧鉄管は、⽔⼒発電にはなくてはならないもの。安定した電気をお届けするためには、保守点検が不可欠で、ベテラン社員と若手社員がペアを組み、月に一度現地に出向きます。車両では入ることのできない山道をひたすら⽔圧鉄管の最頂部目指して歩きます。日野町は雪の多い地域のため、時期によっては積もった雪をかき分けながら進むことも。

点検のスタート地点である⽔圧鉄管の最頂部を⽬指します

たどりつくと、休むまもなく麓に向けて点検を開始。⽔圧鉄管から水が漏れていないか、腐⾷していないか、ボルトは緩んでいないか、目や工具を使ってひとつひとつ確認します。流れる水の音に異変がないか、⽿をすますことも。⽔圧鉄管は急斜⾯に設置してあるため、常に安全に気を配りながら作業していきます。

⽔圧鉄管に異変がないかダブルチェック

80年受け継がれる点検技術

細部や設備全体を見渡せる技能が身につくには、数年間の作業経験が必要。その技術は机上での指導はもちろん、現場で実際に手本となる作業を⾒せることや、現場に応じた的確なアドバイスをすることにより、次の世代の若手社員に引き継いでいきます。どんなに時代が進化しても、人から人へ業務を受け継いでいく方法は今も昔も同じ。ベテラン社員の匠の技やノウハウは、脈々と受け継がれています。

撮影場所:黒坂発電所 詳細はこちら >>

神楽団団長

伝統を絶やさないために
舞を次の世代に伝えていく。

島根県西部に古くから伝わる伝統芸能「石見神楽」。
古来からの伝統を絶やさぬよう、子ども達は小さい頃から
厳しい練習を重ねて躍動感あふれる舞を継承しています。

塩祓の練習に取り組む団員

基本動作を徹底的に練習

石見神楽はその年の豊作や豊漁を祈願し、神々に捧げる舞や踊りのこと。古来より世代をこえて受け継がれてきた伝統芸能を守るため、厳しい練習を重ねているのが大尾谷(おおだに)子供神楽団です。団員は、小学生1年生から中学1年生までの15名。週2回、地元の神社に集まり練習に励んでいます。指導するのは自身も15歳から神楽を続けている団長の半場徳⼀さん。自ら手本として舞ってみせ、子供たちに目で、耳で、体で所作を感じとらせます。

教える演目はダイナミックな動きで人気の「大蛇(おろち)」を含め30種類以上。最初は神楽の基本となる型を体に染みつかせるため、東西南北の四方を舞い清めて神々を待つ「塩祓(しおはらい)」、八重事代主命(やえことしろぬしのかみ・恵比寿の大神)の鯛釣りの様子を舞った「恵比寿(えびす)」を徹底的に練習させます。最近では、地域の物語などを神楽化した創作神楽や、舞台演出を凝らしたステージ神楽も台頭してきており、これらの演目の練習にも力をいれています。

創作演目「弁慶」

伝統を受け継ぐ責任と誇り

地元だけでなく、全国、海外でも上演し、見る人を魅了する石見神楽。「言われてやっているようでは絶対に続かない。どんな厳しい練習でも逃げ出すことなく、真剣に取り組めるのは、子ども達に神楽をやりたいという意志があればこそ。その気持ちに応えなければと、指導する側も本当に真剣勝負です。伝統を絶やすことなく、次の世代に石見神楽を伝える責任もありますからね」と語る団長の半場さん。伝統を受け継ぐ責任と誇りを胸に、これからも人から人へ、技術と演じる心は伝えられていきます。

石見神楽を支える匠の技

石見神楽は、様々な職人が作りだす工芸品の上に
成り立っています。まばゆいばかりの衣装、独創的な蛇胴、
軽量で堅牢な和紙面。それぞれの技術は先⼈の英知と
研鑽の積み重ねで今日に受け継がれています。

石見
  • 石見神楽衣装
    石見神楽衣装
    いわみかぐらいしょう

    石見神楽の上演に際して使用される衣装は、金糸銀糸を織り込んだ絢爛豪華なもの。演目によっては頻繁な衣裳替えが行われ、一旦、舞台裏にさがり着替える場合もあれば、回転の所作を利用して早替りする場合もあります。

  • 石見神楽蛇胴
    石見神楽蛇胴
    いわみかぐらじゃどう

    蛇胴は、石見神楽で大蛇を表現するのに不可欠な衣装。明治の頃まではうろこを描いた白衣と股引で表現していましたが、吊り下げ式のちょうちんにヒントを得て、今のかたちに。和紙と竹のみの簡潔な造りながら、自在に伸縮し、うねり、のたうつ蛇の姿を見事に表現します。

  • 石見神楽面
    石見神楽面
    いわみかぐらめん

    石見神楽の神楽面は、地元石州和紙を素材に使っているので、軽くて丈夫なのが特徴。伝統の技法を駆使しながら表面に色づけしていくのですが、表情をどう作っていくかが職人の腕の見せどころ。神楽のみでなく、縁起物や室内装飾としても高い人気を誇っています。

黒坂発電所 Kurosaka Power Station

黒坂発電所は昭和15年7月に運転を開始しました。最大出力は15,000kWで鳥取県内で2番目の規模を誇ります。倉吉市にある制御所から遠隔でコントロールしているため、普段は無⼈運転しています。山肌に沿ってまっすぐに伸びる⽔圧鉄管は約330m。付近を走る国道180号線からは、その全景を眺望することができます。

発電所出力 15,000kW
発電方式 ダム水路式
水系河川 日野川水系 印賀川・中原川ほか
使用水量 10.00m³/s
有効落差 184.40m
所在地 鳥取県日野郡日野町大字下黒坂22番
黒坂発電所

この街の未来を、愛する人がいる。この街の未来を、愛する人がいる。