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新たな「壁面緑化システム」の実証試験開始について

EnerGia 報道資料

中国電力株式会社

新たな「壁面緑化システム」の実証試験開始について

当社エネルギア総合研究所(所長:平野 正樹)は,大成建設株式会社(代表取締役社長:村田 誉之)と共同で,循環式養液栽培方式を利用した新しい「壁面緑化システム」の開発を進めており,本日,同システムを用いた実証試験を,「宇品天然温泉ほの湯」(広島市南区宇品東三丁目4-34)で開始しましたので,お知らせします。

緑化システムは,夏場に受ける太陽熱を植栽が吸収し,建物の温度上昇を抑えることで冷房効率を上げることができるため,建物の省エネルギー効果や都市部でのヒートアイランド現象の緩和が期待できます。一方で,緑化システムの一部として培養液(肥料を水に溶解したもの)タンクを設置する場合には,タンクと培地(栽培用の床)槽を配管でつなぐ必要があるため,構成が複雑になる傾向がありました。また,植栽後の生育状況や美観を長く維持するためには,施肥や水やりなど,細やかな管理が必要という課題もありました。

この度共同開発を進めている「壁面緑化システム」は,これらの課題を踏まえて,植物を定植している培地槽と培養液槽を上下二層構造の一体方式として設置することで,従来,培地槽と培養液タンクをつないでいた配管構成を簡素化することにより,コンパクトかつ軽量なシステムを実現しています。これにより,従来の壁面緑化システムと比べ,清掃等のメンテナンスが簡便になったほか,システム同士を連結し,緑化面積を拡張することも容易になりました。
また,循環式の養液栽培方式を採用することで,肥料成分を含む培養液が植物にむらなく自動的に散布され,植物の生育に適した条件を維持しやすくなっており,その結果,美観を保ちつつ安定して植栽を生育させることが容易になると考えています。

今回の実証試験では,培養液循環システムの動作や,植栽の生育状況の確認などを進め,システム全体の実用性を評価することを目的としており,平成30年3月まで実施する予定です。

1. 壁面緑化システムの概要

当システムは,プランター型の栽培槽の上部に登はん材を垂直に設置し,そこへ「つる性植物」を立体的に登はん・繁茂させるものです。

(1) 壁面緑化システムに採用した植物

年間を通して常緑であり,耐暑性や耐寒性など環境ストレス耐性に優れている「つる性植物」のビナンカズラを採用しました。

(2) 栽培装置

プランター型栽培槽は上下二層構造としており,上層の培地槽は保水性と排水性に優れている無機性培地(軽石等)を用い,そこへビナンカズラを定植し,上部に登はん材を設置しています。

本装置は,循環式養液栽培方式を採用しています。肥料成分を含む培養液は培地槽上面から直接培地へ散水し,利用されなかった培養液は,培地槽の底面より培養液槽へ落水させます。培養液槽へ溜まった培養液は,再びポンプで循環させ再利用します。

(3) その他特徴

当システムは,潅水用配管等の構成を簡素化したことに加え,栽培槽の素材に発泡性樹脂を活用したことにより,軽量でコンパクトな構造となり,清掃等のメンテナンスが容易となっています。また,栽培槽を連結することで緑化面積を容易に増やすことができます。さらに,循環式の養液栽培方式とすることで,肥料成分や水分がむらなく植物に行き渡り,生育に適した環境となることから,つる性植物を安定して栽培することができます。

日常の管理としては,主に植物に吸収された少量の培養液を補充する程度であり,また,培養液が外部へ排水されないため,システムの管理が容易になっています。

2. 今後の予定

この度開発した壁面緑化システムについて,植栽後の維持管理技術等の実用性評価を進めるとともに,当システムの適用・応用先の拡大検討も併せて進めていきます。

以上