当社が開発した風呂用水素水生成装置の「宇品天然温泉ほの湯」での実証運用開始について
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中国電力株式会社
当社が開発した風呂用水素水生成装置の
「宇品天然温泉ほの湯」での実証運用開始について
当社エネルギア総合研究所(所長:平野 正樹)では,風呂用水素水生成装置の開発・実用化に取り組んでおり,この一環として,4月6日から,当社グループの株式会社エネルギアL&Bパートナーズ(社長:髙木 廣治)が運営する「宇品天然温泉ほの湯」(広島市南区)において,実証運用を開始することとしましたのでお知らせします。
水素水生成装置とは,水を電気分解して水素水を生成するものであり,このたび開発した風呂用水素水生成装置は,当社が特許を保有する特殊な電極を用いて電気分解を行うことで,ナノバブル状の粒径の小さい水素を効率よく,長時間にわたり水素風呂※に溶存できるという特徴を有しています。
本装置を設置することにより,温浴設備を保有する施設などにおいて水素風呂を提供することが可能となります。
実証運用では,「宇品天然温泉ほの湯」の施設内に本装置を設置して,男湯,女湯それぞれの一部浴槽(壺風呂)に水素水を供給し,装置の長期安定運転の確認や利用者の評価などを把握することで,その実用性について評価することとしています。
また,事業性評価として,採算性や装置の適用・応用先の拡大などのビジネスモデルについても,併せて検討してまいります。
※水素風呂とは,水素分子を入浴水に溶存させた風呂のことであり,入浴することで保温などの温浴効果があるとされ,また医療面での効果などについても現在様々な研究が進められています。
1.実証運用の概要
(1)実施場所
広島市南区宇品東三丁目4-34「宇品天然温泉ほの湯」内 壺風呂
(男湯,女湯 各2カ所)
(2)実施期間
平成29年4月6日~平成30年3月末(予定)
(「宇品天然温泉ほの湯」での装置の運転は平成29年12月末までの予定)
(3)主な実証運用の内容
実証項目 | 評価内容 | 実施期間(予定) |
---|---|---|
技術性能評価 | 実証装置によりメンテナンス性等を確認し,長期安定運転が可能であるかを評価します。 | 平成29年4月6日~ 平成29年12月末 |
溶存水素濃度等の計測により,性能面を評価します。 | 平成29年4月6日~ 平成29年12月末 |
|
利用者評価 | 利用者へのアンケート調査を実施し,利用者の水素風呂の体感度,満足度を評価します。 | 平成29年4月~ 平成29年9月末 |
事業性評価 | 実証運用を通じ,採算性を評価するとともに,ビジネスモデルについて検討します。 | 平成29年4月~ 平成29年12月末 |
評価まとめ | 実証運用で得られた評価をもとに,今後の実用性について評価します。 | 平成30年1月~ 平成30年3月末 |
壺風呂(水素風呂)の外観
男湯,女湯に各2桶ずつ設置(いずれの壺風呂でも実証運用を実施します)
2.水素水生成装置の概要
温浴施設のボイラー室などのバックヤードに装置を設置し,浴槽内へ入浴水を供給する配管に接続することにより,水素風呂へ水素水を供給します。
(1)電極の構造
当社が特許を保有※1する円筒状の電極を複数内蔵しており,陰極,陽極をメッシュ状に配置することで水との接触面積を増やし,水中にナノバブル状※2の水素を効率的に発生させることで,水素を長時間にわたり溶存させることを可能にしました。
※1 【主な当社特許】平成27年1月 特許登録済 (特許第5688104号/第5688105号)
「水素含有水生成用電極及び水素含有水生成装置」
※2 ナノバブルとは,1マイクロメートル未満の,極めて小さく目に見えない気泡のこと(1マイクロメートルは,1mmの千分の1)。
(2)水素水生成装置の機能
装置の運転を自動制御するシーケンサー機能,電極の自動洗浄機能に加え,電極の導電状況の計測データや運転トラブルなどを把握する流量計データなどをリアルタイムに遠隔監視するデータ伝送機能など,様々な機能を装備しています。
(3)水素水生成装置の仕様
水素水生成装置の外観
【サイズ・重量】
幅 : 560mm
奥行 : 959mm
高さ : 1,512mm
重量 : 200kg
【電源・消費電力】
電源 : 三相200V
定格消費電力:4.5kW
【本装置を利用した水素風呂の水質】
溶存水素濃度:浴槽内 300ppb※1程度(設置時計測値)
水素イオン濃度指数:pH7※2程度(肌にやさしい中性領域)
※1 ppbとは溶存水素濃度の単位であり,1ppbは1tの水に水素分子を1mg溶存させた時の溶存水素濃度を示す。
※2 pHとは,酸,アルカリの度合いを表すもので,pH7を中性とし,それより小さい領域を酸性,それより大きい領域をアルカリ性とする指数。
以上