バランスのとれた電源構成

電気をこれからも安定してお届けするために,1つのエネルギー源に偏らないことが大切です。

電気のエネルギー源には,長所と短所があります。複数のエネルギー源を組み合わせ,それぞれの短所を補い合うことで,環境問題や経済性にも配慮した電気の安定供給が可能になります。

エネルギー源の特徴

エネルギー源(電源)
 

火力

  • 安定的に大量の発電が可能
  • 国際的な資源獲得競争の激化に伴う将来的な調達リスクの懸念
 

石油(内燃力除く)(内燃力除く)

  • 燃料の運搬・取扱・貯蔵,発電出力の調整が容易
  • 資源の埋蔵量が少ない
  • 他の化石燃料に比べ価格が乱高下しやすい
 

石炭

  • 埋蔵量が豊富で安定的に調達可能
  • 他の化石燃料に比べ安価で安定
  • CO2排出量が多い
 

天然ガス天然ガス

  • 他の化石燃料に比べCO2排出量が少ない
  • 長期貯蔵・機動的な調達が困難
  • 石油価格に連動して価格が変動
 

原子力原子力

  • 安定的に大量の発電が可能
  • 燃料を安定的に調達できる
  • 少ない燃料で大量のエネルギーを取り出せる
  • 発電時にCO2を出さない
  • 万一事故が起こった際のリスクが甚大なため,安全対策の徹底が必要
  • 高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定が必要
 

再生可能エネルギー再生可能エネルギー

  • 純国産資源として永続的に利用可能
  • 発電時にCO2を出さない
  • 風力・太陽光などは天候など自然条件に左右され,出力が不安定
  • 他の発電方法に比べて発電コストが高い
 

水力

  • エネルギーを電力に換える効率が高い
  • 大規模開発の余地が限定的
 

風力

  • 今後の導入拡大が見込まれる
  • 他の再生可能エネルギーに比べ設備コストが低い
  • 大量に発電するには広い面積が必要
 

太陽光太陽光

  • 需要の多い昼間に発電可能
  • 小規模な利用が可能
  • 発電コストが高い
  • 大量に発電するには広い面積が必要
 

バイオマスバイオマス

  • 他の再生可能エネルギーに比べ安定的な発電が可能
  • 燃料の収集・運搬・管理コストが高い

将来の日本に望ましい電源構成が示されています。

経済産業省が2018年7月に発表した第5次エネルギー基本計画では,2030年度の原子力発電が占める割合を22〜20%とすることなどを盛り込んだエネルギーミックスが示されました。安全性の確保を大前提とし,安定供給,経済性,環境への適合に関する以下の目標を同時に達成する中,徹底した省エネルギー(節電)の推進,再生可能エネルギーの最大限の導入,火力発電の高効率化,原子力発電への依存度を可能な限り低減するといった基本方針を堅持しつつ,エネルギー源ごとの施策等の深堀り・対応強化により,その確実な実現を目指すとしています。

将来の日本に望ましい電源構成が示されています。イメージ1
将来の日本に望ましい電源構成が示されています。イメージ2

※ベースロード電源:コストが低く,発電量の調整は行わず一定。
原子力,石炭火力,一般水力,地熱を足したもの

出典:経済産業省 資源エネルギー庁
長期需給見通し小委員会『長期エネルギー需給見通し(2015年7月)』および
電力・ガス基本政策小委員会『電力・ガス小売全面自由化の進捗状況について(2019年6月)』等をもとに作成

再生可能エネルギーの普及拡大に取り組んでいます。

再生可能エネルギーは,枯渇することがなく,発電の際にCO2を発生しない,貴重な国産エネルギーです。2030年度のエネルギーミックスでは,22〜24%の再生可能エネルギーが盛り込まれています。中国電力グループとしても,再生可能エネルギーを成長領域の一つとして位置付け,他社とのアライアンスや海外事業も含めて,グループ全体で30~70万kWの新規導入達成に取り組んでいきます。

メガソーラー発電の導入

2011年12月に福山太陽光発電所(3,000kW,広島県福山市),また,2014年12月に,宇部太陽光発電所(3,000kW,山口県宇部市)の営業運転を開始しました。

2019年度発電電力量
福山太陽光 298万kWh
宇部太陽光 448万kWh
メガソーラー発電の導入

宇部太陽光発電所

バイオマス発電の取り組み

バイオマスとは,動植物など生物由来の有機資源のうち化石資源を除いたもので,光合成によりCO2を吸収して成長する樹木等を燃料とした発電は,CO2を排出しないものとみなされます。
当社は新小野田発電所(50万kW×2基,山口県山陽小野田市),三隅発電所(100万kW×1基,島根県浜田市)にて,石炭と木質バイオマスの混焼発電を行っています。
また,エア・ウォーター(株)と当社で事業会社を設立し開発した防府バイオマス・石炭混焼発電所(11万2千kW,山口県防府市)が,2019年7月に営業運転を開始しました。

新小野田発電所

新小野田発電所

材料となる木材チップ

燃料となる木質チップ

再生可能エネルギーの
導入拡大に向けた
技術的課題への対応

2015年9月,隠岐諸島(島根県)において,国内初の取り組みとして,特性の異なる2種類の蓄電池を組み合わせ,それぞれの特長を活かした電力系統制御用のハイブリッド蓄電池システム(出力:6,200kW)を導入しました。その上で,再生可能エネルギー受入拡大を進め,蓄電池の効率的な充電・放電に関する技術実証を2019年3月末まで行いました。
実証の成果としては,隠岐諸島の電力供給の向上や再生可能エネルギー導入拡大によりCO2の排出が削減できました。2018年度のCO2削減量実績は,約6,100t-CO2/年となっています。(現在は中国電力ネットワーク(株)が本システムを保有しています)

隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム技術実証概要図

隠岐諸島におけるハイブリッド蓄電池システム技術実証事業概要図

次世代の火力発電の開発も進めています。

安定供給性や経済性に優れた石炭火力を将来にわたって活用するため,電源開発(株)と共同で設立した大崎クールジェン(株)において,石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)※1と,CO2分離・回収を組み合わせた革新的低炭素石炭火力の実現を目指した実証試験に取り組んでいます。
また,経済産業省は広島県の大崎上島をカーボンリサイクル※2の実証研究の拠点に位置付けており,大崎クールジェン(株)が分離・回収したCO2をカーボンリサイクルの研究を行う企業・団体へ供給することを計画しています。

実証試験システムの概要

実証試験システムの概要

※1  石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)  IGFC:  Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle
IGCCに燃料電池を組み合わせて発電効率をさらに向上させる技術

※2  カーボンリサイクル CO2を炭素資源(カーボン)と捉え,これを回収し,多様な炭素化合物として再利用(リサイクル)すること。

※3  酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)  IGCC:Integrated Coal Gasfication Combined Cycle
酸素を用いて石炭をガス化し,水素と一酸化炭素を主成分とする生成ガスを製造し,ガスタービンと蒸気タービンにより複合発電する技術

S+3Eの同時達成に向けて

電気は,暮らしや経済活動に欠かすことのできないエネルギーの一つです。エネルギー自給率11.8%の日本において,この電気を安定してお届けするため,安全“Safety”を大前提に,安定供給“Energy Security”,経済性“Economic Efficiency”,環境への適合“Environment”を考えながら,これらのS+3Eを同時達成できるよう,原子力を含めた電源構成の構築に取り組んでいます。

S+3Eの同時達成に向けて