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電球や蛍光灯が明るいのはなんでだろう?
電気照明の歴史
明かりは100万年以上前から利用している
人間は100万年以上前から,ものを燃やすことで「あかり」や「暖ぼう」を得ていたんだ。
電球が発明されたのは19世紀になってから。トーマスエジソンが研究と改良を加えて,電気の力を利用した安全で長時間使える「電球」を生み出したんだ。
私たちがよく使っている照明には,白熱電球や蛍光灯,LED(発光ダイオード)があるけど,じつはぜんぜんちがうしくみで光っているよ。電球はとても熱くなるのに,蛍光灯やLEDはそれほど熱くならないね。
電球のしくみ
2000度以上の高温になるんだよ
光るしくみ <熱を光に変える>
電流を流すとフィラメントが熱くなり,温度がどんどん上がると強い光を出すようになって,2000度以上の高温になると白く光るんだ。
フィラメントが熱くなるのは,電流が流れる時,電子が物質の中でおこす摩擦熱のせいなんだ。高い熱から出る光を照明として利用しているんだよ。
電球の歴史
電球の歴史には日本も貢献しているよ
1879年にエジソンが電球を発明してから,そのしくみや形はあまり変わっていないんだ。もっと明るくするためにフィラメントを二重に巻いたり,もっと長持ちさせるためにアルゴンガスを入れたりと,いろいろな工夫が続けられています。
現在はタングステンの二重コイルフィラメントでガラス内部にはアルゴンガスが入っているよ。
ガラス内面にシリカをぬってまぶしさを和らげる「シリカ」タイプと,透明なガラスで出来ている「クリア」タイプがあるよ。
電球で大切なのは光る部分のフィラメント
京都の竹が使われたんだ
白色光を出すためには,物体を高温にする必要がある。このため電球のフィラメントには熱に強い物質が必要だったんだ。
エジソンはタールとすすをぬった木綿糸を焼いたフィラメントを使って,40時間も光り続ける電球を完成させたけど, もっと長持ちするフィラメントを探し続け,京都の竹を使ったフィラメントの電球を発明したよ。なんと1000時間以上も光り続けたんだ。この電球は以後9年間使われたんだよ。
また,フィラメントが空気中の酸素と結びついて切れないように,ガラスの内部を真空にする工夫もされたんだ。
蛍光灯のしくみ
電子と蛍光物質のぶつかり合いで光るんだ
1935年に開発された蛍光灯は,電気のエネルギーだけでなく,紫外線,化学反応,光,圧力などいろいろなエネルギーを使って光っている。
結果的に,電気のエネルギーを光に変える効率がいいので,電気の節約になるんだ。現在,さまざまな場所で使われているし,電球のような丸い形の蛍光灯も多く見かけるようになったね。
- フィラメントに高い電圧をかけると電子が飛び出す。
- 電子はガラス管の中に浮かぶ水銀の粒にぶつかって紫外線を出す。
- 出てきた紫外線が,ガラス管の内側にぬってある蛍光物質にあたると,赤,緑,青の光を出し,それが交ざって白色に光って見える。
LED(発光ダイオード)のしくみ
発光ダイオードが光るしくみ
LED(発光ダイオード)は信号機やイルミネーション,照明などに使われているよ。
白熱球や蛍光灯に比べて消費電力が少なく寿命が長いんだ。
光を出している部分のことをLEDチップというよ。
発光ダイオードは,2つの半導体(電気を通したり通さなかったりするもの)がくっついてできているよ。片方には(+)[プラス]の電気が,もう片方には(−)[マイナス]の電気が多くあるんだ。電気を流すと,電気のつぶが動き出し,つぶ同士が合体し発光するよ。
LEDはとっても省エネ
白熱電球と電球形蛍光ランプと電球形LEDランプの比較
白熱電球 | 電球形 蛍光ランプ |
電球形 LEDランプ |
|
---|---|---|---|
つかう電気 (W:ワット) |
60 W 相当 | 12 W | 9.4 W |
明るさ (lm:ルーメン) |
810 lm | 810 lm | 850 lm |
価格 | 62~ 100円 程度 |
280~ 1,000円 程度 |
1,000~ 3,000円 程度 |
寿命 | 1,000時間 | 6,000~ 10,000時間 |
20,000~ 40,000時間 |
※白熱電球60W相当品での比較。電球形LEDランプは昼白色相当
「照明器具等判断基準小委員会最終取りまとめ」(平成25年)参考資料を編集
60W相当の白熱電球と12Wの電球形蛍光ランプ,9.4Wの電球形LEDランプが同じくらいの明るさなんだ。LEDランプは,少ないワット数で効率良く発光することができているんだね。
どの照明器具も,つけっぱなしにせず,必要がない時はこまめに消灯しようね。