「石炭灰利用・環境保全技術共同研究講座」における研究成果について ~石炭灰造粒物を利用した造成干潟におけるアサリを中心とした生態系の回復について~

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国立大学法人広島大学
中国電力株式会社

「石炭灰利用・環境保全技術共同研究講座」における研究成果について ~石炭灰造粒物を利用した造成干潟におけるアサリを中心とした生態系の回復について~

 国立大学法人広島大学(以下、「広島大学」)と中国電力株式会社(以下、「中国電力」)は、包括的研究協力に関する協定(2019年12月4日お知らせ済み)に基づき、「石炭灰利用・環境保全技術共同研究講座」を設置のうえ、石炭火力発電所から排出される石炭灰の高度利用に関わる共同研究を実施してきました。このたび、約3年間にわたる共同研究の結果、石炭灰製品(Hiビーズ)の土木材料としての優位性、CO削減技術への応用等に関する成果を取りまとめましたのでお知らせします。

 共同研究では、松永湾水産振興協議会および尾道市とともに、Hiビーズを用いた干潟を造成し、アサリを中心とした生態系への影響等について、実証試験を行いました。(2020年11月から尾道市松永湾にて実施)

 実証試験の結果、Hiビーズを用いた造成干潟において、アサリの個体数の増加や成長促進、Hiビーズ表面への藻の繁殖が確認されました。特にアサリの増殖効果は、Hiビーズによるアサリの食害防止や、表面に付着した藻類がアサリの餌環境の改善効果に寄与したものと考えています。

 また、繁殖した藻類がCOを吸収する(ブルーカーボン)効果もあったと考えています。

 なお、当共同研究講座における研究成果を含めた石炭灰造粒物による環境改善への取り組み全般については、土木学会からも高く評価され、環境賞を受賞しています。(2022年5月16日お知らせ済み

 広島大学と中国電力は引き続き、循環型社会の実現に向け、石炭灰造粒物によるブルーカーボン効果や生物生育環境改善などの研究に取り組んでまいります。

 ※ 海田湾における試験において、同様にHiビーズ表面に藻類が付着することで、COを吸収するブルーカーボン効果があったことを確認しています。

以上