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Brandnew Talk vol.3 Side A

お笑い芸人 かが屋

加賀翔・賀屋壮也

息の合ったコンビネーションで日常の気づきから笑いを生む。

Interviewer_
Takahiro Hashimoto
Hirotoshi Oyama

ネタづくりの裏側から キンチョー対策まで。 サラリーマンにも通じる? かが屋の、仕事の流儀

「僕らなんかでいいのかなぁ」。口をそろえて天を仰ぐふたりは、中国電力で水力発電に携わる橋本貴宏さんと大山裕聡さん。日々業務にまい進する彼らは今回、なんと中国地方出身のお笑い芸人・かが屋のおふたりと対談することになったのです。「でも、異業種の方とお話する機会もなかなかないし、つらいときどう乗り越えるかとか、聞いてみたいですね」。じょう舌に語り始めた橋本さんに対し、大山さんは無言。何やら、質問項目を熟考しているようです…。ふたりの初インタビューや、いかに?

中国電力・大山裕聡さん(以降大山):自分が仕事をしているなかでも、伝えることってすごく難しいと思っていて。人に笑ってもらえるように伝える、ってすごいと思うんです。気を付けてることって、ありますか?

かが屋・加賀翔さん(以降加賀):うーん…。わかりにくい言葉は使わない、ですかね。おじいちゃん、おばあちゃんにも笑ってもらえるような。

かが屋・賀屋壮也さん(以降賀屋):喫茶店でも、隣で笑ってたら「なんでだろう」って気になるけど、ほんとにおもしろいことって、結局シンプルなんだよね。

こないだ爆笑してた女子高生ふたり組は、ストローが上下逆、っていう…それだけだった(笑)。

中国電力・橋本貴宏さん(以降橋本):喫茶店で、気づかれちゃったりしません?

賀屋:僕、街で声かけられるの、大好きなんですよね。

橋本:変装しないんですか?

賀屋:するんですけど。ここぞというときには帽子とって、結んでた髪もほどいて、「賀屋だよ」アピール(笑)。

加賀:あと5分で店を出るってなったら、賀屋を全開にして、「気づかれタイム」ってのをつくるんですよ。

橋本・大山:(笑)。

加賀:相方として、すごく恥ずかしいです…。

橋本:おふたりは、緊張とかしないんですか?

加賀:しますします。

橋本:何か対処法はありますか?

賀屋:僕は…「何も考えない」ってのが一番だとは思うんですが、なかなか難しいので。舞台の前で緊張してるときは、「俺は天才」って、思いながら出ていく。

加賀:やばいやつやん(笑)。隣にいて恥ずいって。

大山:橋本さん…参考にできそうですか?

橋本:「何も考えない」、は生かせそう。でも「俺は天才」でいったら…玉砕すると思う(笑)。

賀屋:僕もあんまりうまくいったことはないです(笑)。

大山:ネタって、どうやってつくってるんですか?

加賀:賀屋からは、「ふたりでつくってる」って言ってほしい、って言われてますね。

賀屋:それはだめ。言っちゃだめ(笑)。

加賀:まぁでも、メモみたいのをふたりで持ち寄って、これがいいあれがいい、みたいな感じで、詰めていく感じですね~。

大山:ふたりでつくり上げていく感じなんですね。

橋本:チームで仕事するってのは、我々と同じかも。

加賀:そうですね。ライブだったら、コンビふたりはもちろん、出演者みんなでウケないと。誰かひと組だけが調子よくても、だめなんですよね。

賀屋:水力も、発電所全体に関わる人たちのチームワークが良くないとだめ、みたいなもの…ですかね?

橋本:ですね。チームワークがあるからこそ、「ひとつの番組が成り立つ」、ってことですよね。

賀屋:橋本さん、名MCです(笑)。

テレビ、ラジオ、舞台…。毎日多忙を極めるかが屋のふたり。そんななかでも、ネタづくりの時間は欠かしません。その様子をちょっとのぞかせてもらうと…、加賀さんはiPad、賀屋さんはiPhoneを見つめたまま、一切言葉を発しません。しばらくして加賀さんが、「じゃあ、おれからいくわ」とひと言。そこから、どんどん発表されていく、コントのシチュエーション。賀屋さんが、いいねいいねと相づちを打ちながら、ふたりで小さく肩をふるわせている様子は、休み時間の中学生のようです。

コントのシチュエーションを毎月100個考えるようにしているという加賀さん。 「何がヒントになるかわからないので、気になったことは常にメモするようにしています。その人にとっての当たり前が、すごくおもしろかったりするので。たとえば発電所だったとしたら、あの人はヘルメットのストッパーがいつもゆるい、あのベテランさんは指差し確認が早すぎて見えない…とか。ありそうですよね」

そんなふたりの夢を聞いてみると、
「ライブをやり続けて、来てくれるお客さんの顔は全員知ってる、くらいになりたい」
という加賀さんに対し、
「アメリカ、西海岸に住んでみたいですね。それで、かが屋もずっと続けていきたい」
と、クールに答える賀屋さん。
「いやそれ…俺もアメリカ住んどるやん(笑)! 住まんわ! 俺は日本大好きなんや!」
今後、ふたりの居住先にも注目です。

かが屋結成の地
めっちゃ懐かしいです!

「久しぶりー! 元気? うわー、めちゃ懐かしい」
かが屋のふたりが働いていたコンビニがあった、東京・武蔵小金井。ロケバスを降りるとさっそく、店の常連だったというファストフード店のスタッフさんと遭遇。さすがの地元です。加賀さんは1年ぶり、賀屋さんは引っ越して以来初めて、5、6年ぶりの上陸だといいます。

「僕が朝勤、賀屋さんが夜勤だったんで、1年くらいは顔を合わせることがなかったんです」
当時、すでに芸人としての活動を開始していた加賀さん。店長はそのことを、あらゆる時間帯のスタッフに話していました。かたや賀屋さんは、お笑い好きなふつうの大学生。一方的に、加賀さんに興味を抱いていたとか。

運命が動いたのは、コンビニの忘年会。
「僕が喫煙所にいたら、いきなり耳元で、『バナナマン好きなんだって?』って。それが賀屋さんでした(笑)」
当時、コンビを組む約束をしていた友人に逃げられたばかりだった加賀さん。賀屋さんのアタックを受け入れ、めでたくかが屋の結成となりました。2015年のことです。

いまでは一帯が大きく開発され、コンビニはすぐ近くに移転。何もなくなった跡地で、思わず店の配置をエアー再現してしまう、かが屋なのでした。

PROFILE

かが屋

かがや/加賀翔と賀屋壮也によるお笑いコンビ。2015年結成。「キングオブコント2019」決勝進出。

加賀 翔

かが・しょう/1993年岡山県備前市生まれ。趣味は自由律俳句、短歌、写真撮影。2021年、初の小説『おおあんごう』(講談社)を出版。

賀屋壮也

かや・そうや/1993年広島県呉市生まれ。教員免許をもつ。広島カープファン。少年合唱団に所属していたことから、合唱が得意。