めざせ優勝! サンフレッチェ広島! エコスタジアム「エディオンピースウイング広島」を深堀り
Ahaエネ! │ 公開日:2024.6.14 情報更新日:2024.10.4

2024年2月に開業し、広島市内中心部の新しいシンボルとなっている「エディオンピースウイング広島」。サポーターを熱狂させる多彩な特徴はもちろん、「環境に優しいエコスタジアム」としても注目されていることをご存じでしょうか? そこで今回は、安田女子大学 造形デザイン学科 サンフレ取材班の皆さんがスタジアムに潜入! サンフレッチェ広島の種市さんに、省エネやエコなポイントを取材しました。「エコスタジアム」と言われるワケに迫ります!
- 安田女子大学
造形デザイン学科 サンフレ取材班 - サンフレッチェ広島ホーム公式戦で動画を撮影し、編集した素材をクラブ公式SNSで発信。学生の視点を取り入れながら、チームや選手の魅力を伝えています。

取材MEMBER

久保 凜果さん

清水 瑛真さん

高木 歩実さん
省エネ・明るさ・長寿命のLED照明で演出

清水さん(サンフレ取材班):スタジアムの照明にはLED照明が採用されていて、ナイトゲームでの演出照明も話題になっています。LED照明のメリットを教えてください。

種市さん(サンフレッチェ広島):LED照明の大きなメリットは、「省エネ・明るさ・長寿命」です。
LEDは発光効率が良いため、光を発生させるための消費電力を少なくすることができ、CO2を抑えることができます。スタジアムでは競技用や観客用、演出用と全面的にLED照明を導入して、より効率的な省エネ化を図っています。

種市さん:省エネしながら試合時の十分な明るさを確保し、瞬時点灯・瞬時消灯できることも大きな魅力です。例えばイベント時には暗転から一気に場内を明るく照らしたりとエンターテインメント性ある演出が可能になりますし、試合時には選手の影がピッチに印象的に落とされてプレーがよりダイナミックに見えます。個人的には、そんなところも観戦の醍醐味につながるのではないかと思っています。

種市さん:またLEDは寿命が非常に長いため、頻繁に交換する必要がありません。長い目で見てメンテナンス費用を抑えられ、廃棄物が少なくなるのもエコにつながるのではないでしょうか。
コストを抑えながら魅力ある演出を実現する映像装置

清水さん:スタジアムにはメインビジョンやサブビジョン、リボンビジョンなどたくさんの映像装置がありますが、その分運用コストはかからないのでしょうか?

種市さん:32m×9mと国内最大級のメインビジョンをはじめ、サブビジョンやリボンビジョンなど、スタジアムの大型映像装置にはLEDが搭載されています。LEDビジョンはLED照明と同じく「省エネ・明るさ・長寿命」が特徴なので、長期的に見て運用コストを抑えることができます。

種市さん:エディオンピースウイング広島は、照明と映像、音響を連携させた最先端の統合演出ができることが魅力です。臨場感や躍動感、迫力を感じられる演出で、場内が一体となる雰囲気を楽しんでいただけるとうれしいです。
太陽光や雨水などの自然エネルギーも活用

清水さん:スタジアムでは、自然エネルギーの活用も行っていると聞きました。どのような取り組みをしていますか?

種市さん:一つは太陽光発電です。スタジアムの屋根には480枚の太陽光パネルを設置しています。その発電電力は約200kWで、施設全体の使用電力量の約12%をまかなえる計算になっておりCO2の削減効果が見込まれています。太陽光から得た電気は、スタジアム内部の照明などに利用されています。また災害などによる停電発生時の電源としても使われます。

Ⓒ広島市
種市さん:ほかには雨水をトイレの水や天然芝の水まきなどに再利用しています。コンコースに設置されている約150枚のサイネージには、試合の様子はもちろん太陽光発電や雨水再利用といった自然エネルギーの活用によるSDGsの取り組みについても表示していますので、ぜひ確認してみてください。
天然芝の育成も最大限自然の力で

清水さん:スタジアムの天然芝には、旧スタジアムと同じ「ティフトン419」という品種が採用されているそうですね。

種市さん:広島市で天然芝の試験をした結果、日陰に強いため維持管理がしやすく、旧スタジアムと同じ芝で選手もプレーしやすいだろうという判断から採用されました。芝の下には、島根県産の「島根4.5号」という粒径が均一で排水性に優れた砂が敷かれています。

種市さん:南側サイドスタンドには、ガラスに代わる新しい建築素材として注目されている透明なETFEフィルム(軽く透明度が高い高機能フッ素樹脂)を設置しています。ガラスと比べると製造工程でCO2の排出を低減したり、輸送による環境負荷を軽減できる素材です。またスタンドの両サイドには大きな開口部を設けています。これらは自然光を取り入れ、風通しを良くすることで、芝を育成しやすくするためのものです。芝の維持管理にも、最大限自然の力を活用しているところがエコなポイントです。
PETボトルのリサイクルにも取り組んでいます!

清水さん:スタジアム内で使用されたPETボトルのリサイクルにも取り組まれていると聞きました。

種市さん:使用済みPETボトルを回収・リサイクル処理してPETボトル容器として再生する「ボトルtoボトル」という取り組みを、コカ・コーラボトラーズジャパンと共同で実施しています。スタジアム内ではラベルとキャップ、ボトルを分別して回収するようにしていますので、環境負荷軽減に向けてぜひご協力をお願いします。

ここにも注目!
体験型コンテンツで盛り上がるサンフレッチェ
フットボールアカデミー


スタジアム1階にある「HIROSHIMA SOCCER MUSEUM」には、サンフレッチェが誇る3人のレジェンドがコーチとなりサッカー上達のためのコツを教えてくれるコーナーも。デジタルPKシミュレーターをはじめとしたシュート、ドリブル、パスの体験型コンテンツは、大人も子どもも体を動かしながら楽しめます。
国内の新設サッカースタジアムで
初の常設センサリールーム

聴覚過敏や視覚過敏等の症状のあるお子さまもご家族と一緒に、安心して観戦できる部屋が「センサリールーム」です。室内外で観戦できるようになっており、調光が可能で場内の音を遮断できるカームダウンルームも併設。利用者の状態や気分に合わせて過ごすことができます。日本国内の新設サッカースタジアムでは初めて常設されました。
サンフレ取材班 SPECIAL MOVIE
撮影から編集まで、サンフレ取材班の皆さんが手がけたスペシャルムービー。エコスタジアムを3人ならではの視点で取材してもらいました!
MESSAGE
世界に発信できるエコスタジアム
エディオンピースウイング広島は、環境に配慮したエコスタジアムとして世界にも発信できる場所です。省エネやエコを大切にしながらも、照明や映像、音響など最先端の設備環境を通して誰もがサッカーを楽しめるように造られているので、ぜひ何度でもスタジアムへ来ていただき、楽しんでもらえたらと思います。
●サンフレッチェ広島
事業本部スタジアムビジネス部
種市 俊也さん

環境に優しいスタジアムへ
遊びに行こう!

広島市内中心部に誕生し、街の賑わいを生み出す「まちなかスタジアム」として多くの人が訪れているエディオンピースウイング広島。施設の至るところに省エネやエコにつながる最先端の取り組み、工夫がなされていることが今回の取材で分かりました。サッカーファンを魅了するエコスタジアム、そして広島が誇る場所の一つとして、その存在感はこれからもますます増していきそうです。
エディオンピースウイング広島
住所:広島市中区基町15番2-1号電話:082-512-1025(サンフレッチェ広島 事業本部スタジアムビジネス部)
https://hiroshima-stadiumpark.jp/peacewing
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