いつもの料理が特別に! 希少な早摘みを使ったとろける食感の絶品海苔
邦美丸 │ 岡山県玉野市
ハーモニーマルシェ │ 2023.08.09
毎日のお弁当や四季の行事食など、私たちの食卓に欠かせない海苔。海苔の産地というと九州の有明海が有名ですが、瀬戸内海に面した岡山県も全国ベスト10に入る生産量なのをご存じですか? 中でも岡山県玉野市の胸上(むねあげ)地区で育てた海苔は、高品質と評判なんです。
胸上産の海苔は厚みがあるのが特徴で、ご飯や具をしっかりと包み込むので、おにぎりや巻き寿司に最適!! パリッと歯切れがよく、口に含むととろけるような食感です。胸上で海苔の養殖から販売までを手がける「邦美丸」の富永邦彦さん・美保さん夫妻に、海苔の魅力についてお聞きしました。

- 【 教えてくれる人 】
- 富永美保さん邦美丸 代表
知る人ぞ知る海苔の産地、岡山県胸上

胸上の沖は2本の大きな川が流れ込む栄養豊富な海。おいしい海苔が育つ漁場として、明治時代から養殖が行われてきました。美保さんの実家は祖父の代から海苔の養殖を営んでいて、美保さんも離乳食の時から海苔を食べて育ったそうです。一方、県外出身の邦彦さんは美保さんとの出会いをきっかけに海の仕事に魅せられ、漁師の道へ。修行を重ね、今では「海苔のことは富永さんに聞け」と言われるほど地元で有名な夫婦になりました。
2人が「邦美丸」を立ち上げたのは2009年のこと。胸上は岡山県内一の海苔の産地ですが、“瀬戸内海産の海苔”として一括りにして売られ、産地としての知名度は低いものでした。「家族みんなで大切につくる海苔なのに、“胸上”の名前さえ伝わっていない」。そこで、自分たちで海苔を商品化して販売するようになりました。
丹精込めた海苔のおいしさを伝えたい

海苔の養殖は10月中旬から準備を行い、11月~3月が収穫期。早く摘み取った海苔ほどやわらかく口どけが良いのですが、“早摘み”といわれる海苔は全収穫量のわずか10~20%ほど。「邦美丸」の商品には、この早摘みの海苔を使い、さらに“海苔のプロ”である美保さんの舌で味や風味、食感を厳しくチェック。自分たちが自信を持って「おいしい! 」といえるものだけを厳選して販売しています。
今では、県内外のデパートやおにぎり専門店などに胸上産の海苔のおいしさを発信。「この海苔じゃなきゃ! 」というリピーターのお客さまも増えました。「邦美丸」の海苔にはこだわりが詰まっていて、いつもの料理にプラスしてその味わいを楽しんでみたいですね。
海の資源を守るため「受注漁」に挑戦!

富永さんは、10月~3月の冬季は海苔の養殖、4月~9月の夏季は魚をとる漁業を行っています。それも、耳慣れない「受注漁」という独自のスタイル。「受注漁」とは、あらかじめインターネットで注文を受け、注文があった分だけ魚をとって、それ以上はとらない! という珍しい漁のやり方です。
年々漁獲量が減少する中、「限られた海の資源を守り、後世に残したい」という想いからスタートした邦美丸の「受注漁」。購入したお客さまからは「資源を守る活動に貢献できる」と評判となり、さらには「漁師になって受注漁をやってみたい」という若者の声も届いています。サステナブルな漁業に挑戦するお二人の今後の活動にも、注目していきたいですね!
美保さんおすすめ!うま味たっぷりの海苔レシピ
海苔は「海の野菜」と呼ばれるほど栄養豊富な食べ物。美保さんに海苔を手軽に楽しめるレシピを特別に教えてもらいました!
アボカド海苔チー
- 日本酒との相性抜群! 簡単おつまみにいかが?
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- ①アボカドをスライスし、チーズは角切りにする。
- ②「わさび海苔」を手でちぎって全体にまぶす。
- ③めんつゆを小さじ1/2ほど回しかけて和える。
- ④お好みでブラックペッパーをかけて完成。

サーモンきゅうりの海苔巻き
- カラフルな色合いも楽しい細巻き風
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- ①サーモンのお刺身を短冊状に切る。
- ②キュウリも短冊状に切り、軽く塩を振ってしばらく置き、水気を拭き取る。
- ③全形サイズの「焼き海苔」を3等分し、サーモンとキュウリを格子状に並べて巻く。

おやつ炒め海苔
- サラダやパスタのトッピングにもオススメ!
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- ①フライパンにお好みの油(ごま油・オリーブオイルなど)を引く。
- ②「新海苔」を一口大にちぎって炒め、仕上げに塩をふる。

編集部から

なっこさん
- 海苔づくりはとてもデリケートで手間がかかるんですね。「受注漁」でお話しされていた「限られた海の資源を後世へ」という気持ちは、エネルギー資源の話に通じるものがあって共感しました。電気のもととなるエネルギー資源にも限りがあります。海産物を大事にいただきながら、電気も大事に使ってくださいね。
おすすめ商品

- わさび海苔
- わさびの刺激がほどよく、大人のおやつやお酒のおつまみにピッタリ! 酢飯や刺身との相性も◎

- 焼き海苔
- お米をのせると香ばしくふくよかな焼き海苔の香りが漂います。おにぎりや手巻き寿司にぜひ!

- 新海苔
- 貴重な早摘みの中でも一番摘みだけを使った海苔は、甘くとろけるような味わいがやみつきに

- 受注漁・岡山県産鮮魚セット
- タイやチヌなど、その日に取れた大小さまざまな魚を、漁師のおまかせで詰め合わせたセット
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邦美丸

- 【 取材対象者プロフィール 】
- 富永美保さん漁師の家庭に生まれ育ち、毎日のように海苔を食べてきた「海苔のプロフェッショナル」。漁師の妻として邦彦さんを支えながら、「邦美丸」では販売を担当。家では3人の子どものお母さん。
かんたん!
旨辛キンパのつくり方

- ①耐熱ボウルに牛薄切り肉を入れ、焼肉のたれ、コチュジャン、豆板醤を混ぜ合わせて、電子レンジで加熱する。
- ②耐熱ポリ袋に千切り人参を入れて軽くレンジで加熱し、鶏ガラスープの素、塩、ごま油で調味する。
- ③ほうれん草を茹でて水気を絞り、ざく切りにして塩、ごま油で味付けする。
- ④卵、白だし、みりんを混ぜ合わせてラップを敷いた耐熱タッパ(細長いもの)に流し入れる。電子レンジで加熱し、膨らんできたらラップごと包んで棒状にする。
- ⑤焼き海苔にごま油を塗り、軽く塩を振る。ご飯に塩、ごま油、白ごまを混ぜ、焼き海苔に広げ、①・②・③・④と刻んだたくあんをのせて巻く。切り分けたら糸唐辛子と白ごまを散らす。