使用済燃料中間貯蔵施設
当社は、山口県上関町大字長島の当社所有地内において、原子力発電所で使用した燃料(使用済燃料)を一時的に保管する、中間貯蔵施設の設置に係る検討を進めています。2023年8月から2025年8月にかけて実施した立地可能性調査の結果、立地の支障となる技術的に対応できない問題はなく、立地は可能であると判断しました。
調査結果を分かりやすく地域の皆さまへお知らせし、一層のご理解をいただけるよう取り組んでまいります。
プレスリリース
- 2025年08月29日
- 上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設の設置に係る立地可能性調査結果の報告について
- 2023年08月18日
- 上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討の実施について
- 2023年08月02日
- 上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討について
動画「『使用済燃料中間貯蔵施設』の概要」(9分50秒)
中間貯蔵施設の必要性
- 原子力発電所で使⽤した燃料(使用済燃料)は、95~97%再利⽤可能であり、資源の乏しい日本においては、再処理して有効利⽤する原⼦燃料サイクルの推進を基本⽅針としています。
- 使用済燃料を再処理することで、資源として再び利⽤できるほか、廃棄物の体積や処分施設の面積を大幅に減らすことができます。
- 再処理⼯場は、⻘森県六ヶ所村に建設中で、現在、最終的な安全機能や機器設備の性能を確認しています。
- 原⼦⼒発電所では、使⽤済燃料を再処理⼯場に搬出するまでの間は、発電所内の燃料プールの中で保管していますが、万⼀、プールが満杯になれば保管できなくなり、発電所を運転できなくなります。
- 使用済燃料を再処理⼯場へ搬出するまでの間、⼀時的に保管できる中間貯蔵施設を設置することで、将来にわたって安定的に発電所を運転することができるようになります。
- 国においては、使用済燃料の貯蔵対策として、発電所敷地の内外を問わず新たな地点の可能性の幅広い検討を開始し、電気事業者の積極的な取組みや、事業者間の共同・連携による事業推進の必要性が示されています。
- 電気事業者としても、事業者全体で使⽤済燃料の貯蔵能⼒の拡大に向けた検討を進めています。


出典:電気事業連合会「使用済燃料貯蔵対策の取り組み」
中間貯蔵施設の概要
- 中間貯蔵施設は、原⼦⼒発電所で使⽤した燃料(使用済燃料)を⾦属キャスクと呼ばれる頑丈な専⽤容器に⼊れて、再処理⼯場へ搬出するまでの間、安全に保管する施設です。

出典:日本原子力文化財団「原子力・エネルギー図面集」
- 水や電気を使わず、外気による⾃然空冷により使用済燃料から発⽣する熱を除去するため、設備⾃体は⾮常にシンプルです。
- 施設内では、使用済燃料を取り出したり⼊れ替えたりすることもなく、建物内に置いて保管する形になります。


調査・検討に至った経緯等
- 上関原子力発電所の建設に時間を要する中、2023年2月、上関町長から、まちづくりのための財源確保につながる新たな地域振興策を喫緊の課題として検討するようご要請をいただきました。
- このご要請を真摯に受け止め、鋭意検討を⾏った結果、島根原⼦⼒発電所の安定稼働に資する使用済燃料対策の一環として、また、上関町の地域振興に向けた新たな選択肢の一つになりうる取り組みとして、上関町⼤字⻑島の当社所有地内への中間貯蔵施設の設置に係る検討を進めることとし、同年8月2日、上関町⻑へご回答しました。
- それに対して、同年8月18日、上関町長から、本調査・検討を受け入れる旨のご連絡をいただきました。
- 具体的な計画は、調査・検討結果を踏まえて策定します。
調査の概要
調査の目的
- 上関町大字長島(当社所有地内)への中間貯蔵施設の立地を検討するにあたり、立地の支障となる技術的に対応できない問題の有無について、事業者として判断することを目的として調査を実施しました。
調査内容
- 2023年8月~2025年8月にかけ、上関地点における自然現象と社会環境等に関する次の9項目について、下図を中心とする範囲を調査場所として文献調査や現地調査等を実施しました。
調査の結果得られた客観的データに基づき分析・検討を行い、施設の立地上、問題となるものがないかを判断しました。
| 自然現象 | 気象、地盤、火山、津波、水理(河川等)、地震、竜巻 |
|---|---|
| 社会環境等 | 社会環境、その他(文化財、動植物、景観等) |
- 施設の直下に将来活動する可能性のある断層(活断層)等※が存在する場合、中間貯蔵施設の設置は困難(設計による技術的な対応が困難)となることから、立地可能性を判断する上では、特に「地盤」に関する調査を重要なポイントと捉え、ボーリング調査を実施するなど入念な調査を行いました。
※ 原子力施設に関する新規制基準では、後期更新世以降(約13万年~約12万年前以降)の活動が否定できないものを「将来活動する可能性のある断層等」と定めています。

総合評価
- 実施した全ての調査において施設の立地に支障となるデータがないことを確認しました。
- 地盤に関しては、調査地点において活断層等は確認されませんでした。
加えて、施設の基礎地盤となりうる堅硬な岩盤が存在することを確認しました。なお、調査地点周辺の陸海域で確認した活断層については、耐震設計等に適切に反映することで対応可能と判断しました。 - その他の調査項目について、施設の立地に大きな影響を及ぼすものではないことを確認しました。
- 地盤に関しては、調査地点において活断層等は確認されませんでした。
- 以上のことから、中間貯蔵施設について、立地の支障となる技術的に対応できない問題はないものと評価し、立地は可能であると判断しました。
- プレスリリース 「上関地点における使用済燃料中間貯蔵施設の設置に係る立地可能性調査結果の報告について」
- 調査結果報告書[PDF:28,840KB]
- 立地可能性調査結果に関するQ&A[PDF:684KB]
- 立地可能性調査結果のお知らせ(チラシ)[PDF:1,309KB]
- 立地可能性調査結果に関するご質問(チラシ)[PDF:872KB]
よくあるご質問
Q.
中間貯蔵施設とは何ですか
A.
使用済燃料には、まだ燃料として利用できるウランなどが95%~97%も残っています。
資源の少ない日本では、この使用済燃料から利用できるものを取り出し(再処理)、再び原子燃料として再利用することとしています。
再処理工場へ運ぶまでの間は使用済燃料を貯蔵・管理しておく必要があり、原子力発電所以外で一時的に保管する施設を「中間貯蔵施設」といいます。
Q.
中間貯蔵施設はなぜ必要なのですか
A.
青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場は現在、安全機能や機器設備の性能について最終的な確認をしているところです。
再処理工場に運ぶ前の使用済燃料は原子力発電所の燃料プールで保管していますが、万一、燃料プールが満杯になると運転できなくなります。そのため、国では中間貯蔵施設などの建設・活用を促進することで、使用済燃料の貯蔵能力拡大を進めることとしています。
電気事業者としても、事業者全体で貯蔵能力の拡大に向けた検討を進めています。
Q.
なぜ上関町で中間貯蔵施設の設置を検討するのですか
A.
上関原子力発電所の建設に時間を要する中、2023年2月、上関町長から、まちづくりのための財源確保につながる新たな地域振興策を喫緊の課題として検討するようご要請をいただきました。
当社はこのご要請を真摯に受け止め、鋭意検討を行った結果、島根原子力発電所の安定稼働に資する使用済燃料対策の一環として、また、上関町の地域振興に向けた新たな選択肢の一つになりうる取り組みとして、上関町大字長島の当社所有地において中間貯蔵施設の設置に係る検討を進めることとし、8月2日、上関町長へご回答しました。それに対して、8月18日、上関町長から、本調査・検討を受け入れる旨のご連絡をいただきました。
なお、具体的な計画は、調査・検討結果を踏まえて策定することとしています。
Q.
中間貯蔵施設は安全ですか
A.
中間貯蔵施設に保管するキャスクには放射線を遮へいする機能があるため、その放射線量はキャスクの表面に触れられるほど低くなります。また、キャスクを保管する施設から敷地境界までは十分な距離をとるため、周辺の放射線量は法令基準※以下となり、さらに施設から離れるほど放射線量は少なくなります。
なお、施設は、周辺地域で考えられる最大級の地震や最大規模の津波が来ても、耐えられるよう設計し、国の基準に適合するかどうか、審査を受けることとなります。
※法令基準:0.05ミリシーベルト/年以下
自然界から受ける放射線量(世界平均):2.4ミリシーベルト/年
すでに乾式貯蔵を行っている東海第二発電所(茨城県)では、保管されているキャスクの表面を素手で触っても問題ないレベルまで、温度も放射線量も低く保たれています。
Q.
中間貯蔵施設ではどうやって燃料を保管するのですか
A.
使用済燃料は、原子力発電所で金属製の頑丈な専用容器に密封します。それを中間貯蔵施設に運び、水や電気を使わず、建物内で安全に保管します。この方法を「乾式貯蔵」といいます。
使用済燃料を密封する専用容器は“キャスク”と呼ばれ、「閉じ込め」「遮へい」「臨界防止」「除熱」の4つの安全機能を備えています。
なお、施設内では、使用済燃料を取り出したり入れ替えたりすることがないため、外部に放射性物質が出ることはありません。
建物の外から取り込んだ空気で自然に冷やします
Q.
使用済燃料をキャスクに入れて保管する施設は初めて作るのですか
A.
日本では、茨城県の東海第二発電所などですでに使用済燃料の乾式貯蔵が行われています。
また、海外でも、アメリカ、スイス、ベルギーなどで乾式貯蔵の実績があり、アメリカでは屋外でキャスクを保管している施設もあります。
2025年4月24日現在
東海第二発電所
(写真提供:日本原子力発電株式会社)
Q.
使用済燃料はどうやって輸送するのですか
A.
キャスクの輸送は、IAEA(国際原子力機関)の規則や国内の法令により厳しい基準が定められています。この基準では、キャスクに対して輸送中の様々なトラブルを想定した過酷な試験を行い、安全性を確認することとなっています。
輸送で使う専用船は船底などを二重構造にし、船内に水が浸入しても沈みにくい構造にするなど、IMO(国際海事機関)が定めた最高水準の安全基準に適合するものになっています。
なお、日本では、40年以上も前から原子力発電所から出た使用済燃料を海上輸送しており、安全に搬出・輸送した実績があります。

Q.
いわゆる最終処分場(高レベル放射性廃棄物の処分施設)とは何が違うのですか
A.
中間貯蔵施設は、使用済燃料を再処理工場に送るまで、一定の期間、安全に保管するための施設です。したがって、一定の保管期間を経たら、使用済燃料は再処理工場へ運び出されます。
一方、いわゆる「最終処分場」とは、使用済燃料を再処理工場でリサイクルする際に発生した「高レベル放射性廃棄物」を、地下深くに埋めて最終的に処分する施設のことで、中間貯蔵施設とは、保管する物も、施設も、期間も全く違います。
Q.
中間貯蔵施設で保管する使用済燃料は一時保管と言いながら半永久的に置かれるのではないですか
A.
我が国は、原子燃料サイクルの推進を基本的方針としています。原子燃料サイクルとは、原子力発電で一旦使い終えた燃料(使用済燃料)を再処理し、もう一度発電燃料として利用する取り組みのことです。
使用済燃料の中から、まだ利用可能なウランやプルトニウムを取り出す施設です。
- 中間貯蔵施設は、使用済燃料を再処理工場に送るまで、一定の期間、一時的に貯蔵(保管)するための施設です。一定の期間を経たら再処理工場へ必ず運び出されますので、そのまま置いておかれることはありません。
- 2025年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、「中間貯蔵施設等に貯蔵された使用済燃料は六ヶ所再処理工場へ搬出するという方針」が新たに追記され、中間貯蔵施設等からの搬出に係る方針が具体化されています。
- 青森県むつ市にある中間貯蔵施設では、青森県むつ市および事業者の間で貯蔵期間を50年間と決めています。
Q.
青森県六ヶ所村で建設中の再処理工場はいつ完成しますか
A.
再処理工場全体としては、技術的課題は克服しており、すでに新しい規制基準に合格しています。その後、個別の設備の設計や工事計画について国の審査を受けていますが、六ヶ所再処理工場は国内唯一の施設であり、原子力発電所のように他の発電所の審査の前例がないことから時間を要しています。
2026年度中の完成という目標の達成に向け、我が国の電力会社全体がオールジャパンで支援していきます。




