第29回施設定期検査の状況

[別紙2] 施設定期検査内容について (1号機 第29回施設定期検査)

1.施設定期検査実施内容

(1) 原子炉本体

原子炉圧力容器の蓋を開放し,炉内構造物および燃料の点検を行い,その健全性を確認する。また,原子炉圧力容器の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(2) 核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設

燃料取扱装置および燃料プール冷却装置の点検手入れを行うとともに作動試験の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(3) 原子炉冷却系統施設(蒸気タービン本体及び蒸気タービンの附属設備を除く)

非常用炉心冷却装置を含む原子炉冷却系統施設の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。また,配管の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(4) 計測制御系統施設(発電用原子炉の運転を管理するための制御装置を除く)

制御棒駆動装置および核計測装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(5) 放射性廃棄物の廃棄施設(排気筒を除く)

廃棄物処理設備等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(6) 放射線管理施設

放射線管理用計測装置および換気設備の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(7) 原子炉格納施設

可燃性ガス濃度制御系および窒素ガス制御装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査および全体漏えい率検査を行い,その健全性を確認する。

(8) 非常用電源設備

非常用ディーゼル機関および発電機の点検手入れを行うとともに自動起動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(9) 蒸気タービン本体及び蒸気タービンの附属設備

タービン本体,復水器の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

2.施設定期検査中に実施する主な工事

(1) 燃料取替工事

原子炉内の全燃料400体のうち,約50体を新燃料に取替える。

(2) 制御棒駆動機構取替工事

制御棒駆動機構97体のうち,14体を同一設計の予備品に取替える。※1

(3) 出力領域計装取替工事

出力領域計装の検出器集合体22体のうち,2体を同一設計の検出器集合体に取替える。

(4) 制御棒取替工事

ボロンカーバイド粉末を制御材とする制御棒4本,またハフニウム棒を制御材とする制御棒5本について,各々同一タイプの制御棒に取替える。

(5) 耐震裕度向上工事

耐震安全性に対する信頼性を一層向上させるため,配管等について支持構造物の補強を行う。

(6) 原子炉冷却材浄化系再生熱交換器および非再生熱交換器取替工事

原子炉冷却材浄化系再生熱交換器について,応力腐食割れ※2に対する予防保全の観点から,ステンレス鋼製から炭素鋼製のものに取替える。
また,再生熱交換器の取替に伴い,非再生熱交換器および原子炉冷却材浄化系配管の一部を取替える。

(7) 主蒸気安全弁および逃し弁(安全弁)改造工事

主蒸気安全弁および逃し弁(安全弁)について,予防保全の観点から取替える。

(8) 原子炉再循環ポンプケーシングカバー取替工事

原子炉再循環ポンプの主軸およびケーシングカバーについて,熱疲労対策として改良型に取替える。

(9) 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事

原子炉再循環系配管他に応力腐食割れ対策として,高周波誘導加熱処理※3を実施する。

※1 施設定期検査作業を効率的に実施するため,プラント運転中に点検手入れを実施した同一設計の機器(予備品)と交換 〔入替点検〕

※2 応力腐食割れ
材料の材質,材料に加わる応力及び材料の使用環境の3つが特定の条件になったとき発生するひび。

※3 高周波誘導加熱処理
応力腐食割れ対策工事の一つ。配管外面を誘導加熱コイルにより加熱しながら,管内面を冷却することにより,残留応力を改善する。

3.施設定期検査中に実施するトラブル事例の水平展開

(1) 原子炉再循環系配管等の点検

原子炉再循環系配管等溶接部の約70箇所について,点検を実施する。

平成21年11月18日原院第1号「発電用原子力設備における破壊を引き起こすき裂その他の欠陥の解釈について(内規)」に基づく検査

(2) 復水・給水系配管等の点検

復水・給水系配管等,約960箇所の配管肉厚測定を実施する。

平成20年12月22日原院第4号「原子力発電工作物の保安のための点検、検査等に関する電気事業法施行規則の規定の解釈(内規)の制定について」に基づく検査

以上

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