第16回定期検査の状況

[別紙2] 定期検査内容について (2号機 第16回定期検査)

1.定期検査実施内容

(1) 原子炉本体

原子炉圧力容器の蓋を開放し,炉内構造物および燃料の点検を行い,その健全性を確認する。また,原子炉圧力容器の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(2) 原子炉冷却系統設備

非常用炉心冷却装置を含む原子炉冷却系統設備の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。また,配管の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(3) 計測制御系統設備

制御棒駆動装置および核計測装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(4) 燃料設備

燃料取扱装置および燃料プール冷却装置の点検手入れを行うとともに作動試験の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(5) 放射線管理設備

放射線管理用計測装置および換気設備の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(6) 廃棄設備

廃棄物処理設備等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(7) 原子炉格納施設

可燃性ガス濃度制御系および窒素ガス制御装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査および全体漏えい率検査を行い,その健全性を確認する。

(8) 非常用予備発電装置

非常用ディーゼル機関および発電機の点検手入れを行うとともに自動起動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(9) 蒸気タービン

タービン本体,復水器の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

2.定期検査中に実施する主な工事

(1) 燃料取替工事

原子炉内の全燃料560体のうち,約130体を新燃料に取替える。

(2) 制御棒駆動機構取替工事

制御棒駆動機構137体のうち,19体を同一設計の予備品に取替える。※

(3) 出力領域計装取替工事

出力領域計装の検出器集合体31体のうち,2体を同一設計の検出器集合体に取替える。

(4) 逃がし安全弁取替工事

逃がし安全弁12台のうち,6台を同一設計の予備品に取替える。※

(5) 制御棒取替工事

ボロンカーバイド粉末を制御材とする制御棒8本,またハフニウム棒を制御材とする制御棒4本について,各々同一タイプの制御棒に取替える。

(6) 耐震裕度向上工事

耐震安全性に対する信頼性を一層向上させるため,配管等について支持構造物の補強を行う。

(7) 原子炉再循環系配管他修理工事

応力腐食割れに対する予防保全の観点から,A-原子炉再循環ポンプ入口配管およびB-原子炉再循環ポンプ出口配管について除染口を削除するとともに,A-原子炉再循環ポンプ入口配管について原子炉浄化系配管への分岐部を一体構造として溶接線を低減した配管へ取替えを行う。なお,配管の取替えにより生じる新しい溶接継手部には,応力腐食割れの発生抑制として水冷溶接法による応力改善を行う。

※ 定期検査作業を効率的に実施するため,プラント運転中に点検手入れを実施した同一設計の機器(予備品)と交換 〔入替点検〕

3.定期検査中に実施するトラブル事例の水平展開

(1) 原子炉再循環系配管等の点検

原子炉再循環系配管等溶接部の約20箇所について,点検を実施する。

平成21年11月18日原院第1号「発電用原子力設備における破壊を引き起こすき裂その他の欠陥の解釈について」に基づく検査

(2) 復水・給水系配管等の点検

復水・給水系配管等,約720箇所の配管肉厚測定を実施する。

平成20年12月22日原院第4号「原子力発電工作物の保安のための点検,検査等に関する電気事業法施行規則の規定の解釈(内規)の制定について」に基づく検査

(3) 排ガス再結合器金属触媒の取替

国内のBWRプラントにおいて,排ガス処理系再結合器の触媒性能低下による起動時の水素濃度上昇事象が発生したことに鑑み,2号機にも同種の金属触媒を使用していることから対策触媒に取替える。

以上

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