第17回定期事業者検査の状況

[別紙-2] 定期事業者検査内容について (2号機 第17回定期事業者検査)

1.定期事業者検査実施内容

(1) 原子炉本体

原子炉圧力容器の蓋を開放し,炉内構造物および燃料の点検を行い,その健全性を確認する。また,原子炉圧力容器の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(2) 核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設

燃料取扱装置および燃料プール冷却装置の点検手入れを行うとともに作動試験の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(3) 原子炉冷却系統施設(蒸気タービン本体及び蒸気タービンの附属設備を除く)

非常用炉心冷却装置を含む原子炉冷却系統施設の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。また,原子炉再循環系配管等の溶接部については,非破壊検査および漏えい検査を行い,その健全性を確認する。

(4) 計測制御系統施設(発電用原子炉の運転を管理するための制御装置を除く)

制御棒駆動装置および核計測装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(5) 放射性廃棄物の廃棄施設(排気筒を除く)

廃棄物処理設備等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(6) 放射線管理施設

放射線管理用計測装置および換気設備の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(7) 原子炉格納施設

可燃性ガス濃度制御系および窒素ガス制御装置等の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査および全体漏えい率検査を行い,その健全性を確認する。

(8) 非常用電源設備

非常用ディーゼル機関および発電機の点検手入れを行うとともに自動起動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

(9) 蒸気タービン本体及び蒸気タービンの附属設備

タービン本体,復水器の点検手入れを行うとともに作動試験等の機能検査を行い,その健全性を確認する。

2.定期事業者検査期間中に実施する主な工事

(1) 燃料取替工事

原子炉内の全燃料560体のうち,約130体を新燃料に取替える。

(2) 制御棒駆動機構取替工事

制御棒駆動機構137体のうち,20体を同一設計の予備品に取替える。

(3) 出力領域計装取替工事

出力領域計装の検出器集合体31体のうち,8体を同一設計の検出器集合体に取替える。

(4) 逃がし安全弁取替工事

逃がし安全弁12台のうち,6台を同一設計の予備品に取替える。※1

(5) 制御棒取替工事

ボロンカーバイド粉末を制御材とする制御棒12本,またハフニウム棒を制御材とする制御棒4本について,各々同一タイプの制御棒に取替える。

(6) 原子炉再循環系配管他高周波加熱処理工事

原子炉再循環系配管他に応力腐食割れ※2対策として,高周波誘導加熱処理※3を実施する。

(7) 運転監視用計算機改良工事

製造中止品対策等により計算機の一式取替を実施する。

(8) タービン駆動給水ポンプ流量制御装置取替工事

製造中止品対策等により演算器盤の一式取替を実施する。

(9) 主発電機固定子コイル巻替工事

主発電機固定子コイルの絶縁劣化対策として,コイルの巻替工事を実施する。

(10) 蒸気タービン取替工事

応力腐食割れへの耐性を向上させた蒸気タービンへの取替を実施する。

※1 定期事業者検査作業を効率的に実施するため,プラント運転中に点検手入れを実施した同一設計の機器(予備品)と交換〔入替点検〕

※2 応力腐食割れ
材料の材質,材料に加わる応力及び材料の使用環境の3つが特定の条件になったとき発生するひび。

※3 高周波誘導加熱処理
応力腐食割れ対策工事の一つ。配管外面を誘導加熱コイルにより加熱しながら,管内面を冷却することにより,残留応力を改善する。

以上

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