福島第一原子力発電所事故等を踏まえた島根原子力発電所3号機における安全対策等について

EnerGia 報道資料

中国電力株式会社

福島第一原子力発電所事故等を踏まえた
島根原子力発電所3号機における安全対策等について

 当社は,島根原子力発電所において,福島第一原子力発電所の事故等を踏まえた安全対策等に取り組んでおり,現在建設中の島根原子力発電所3号機においても,1,2号機と同様の対策を講じることとしていますが,現時点の対策をとりまとめましたのでお知らせします。
 島根原子力発電所3号機の安全対策については,準備が整ったものから順次作業に着手しており,今後,確実に実施してまいります。
 当社は,引き続き安全対策に取り組むとともに,新たな知見にも適切に対応し,皆さまに安心していただける発電所となるよう安全確保に万全を期してまいります。

1.安全対策の強化
  地震や津波等,大規模の災害発生時においても,炉心・使用済燃料プールを安定して冷却し,炉心・使用済燃料の損傷を防止するため,「電源の確保」や「冷却機能の確保」などの安全対策を強化します。また,防波壁など設備面の強化に加え,緊急時対応手順の確認や訓練の実施等,運営面も強化します。

項 目 対 策

電源の確保

  • 建物内への浸水防止対策
  • 高圧発電機車の確保
  • 発電機用の燃料補給手段の確保
  • 屋外電気設備(変圧器)の浸水防止対策
  • 高台(40m級)への緊急用発電機の追加設置※1

冷却機能の確保

  • 海水系ポンプエリアの浸水防止対策
  • 海水系ポンプ用予備品(電動機)・代替品※1の確保
  • 消防ポンプ車等による代替注水手段の確保
  • 格納容器ベント用資機材の確保

その他

  • 防波壁の強化※1
  • 屋外タンク周辺への防水壁設置
  • 緊急時対応手順の確認,緊急時対応訓練の実施等

※1 島根原子力発電所1,2号機の対策(平成23年4月22日お知らせ済み)により対応

2.外部電源の信頼性確保
 宮城県沖地震(平成23年4月7日)により他社の原子力発電所において一時的に外部電源が喪失したことを踏まえ,外部電源の更なる信頼性向上の観点から対策を実施します(平成23年5月16日お知らせ済み)。

項 目 対 策
外部電源からの受電に係る信頼性向上策
  • 現在1,2号機と接続している66kV系送電線からも3号機への電力供給が可能となるよう,3号機高圧母線と66kV系送電線を接続
屋外電気設備(変圧器)の浸水防止対策
〔再掲〕
  • 屋外電気設備(変圧器)周辺に防水壁を設置
    (T.P.+15mまでの浸水高さを想定)

3.シビアアクシデントへの対応措置
 福島第一原子力発電所の事故を踏まえ,万一シビアアクシデントが発生した場合でも迅速に事象の収束に向けた対応が行えるよう対策を実施します。

項 目 対 策
中央制御室の作業環境の確保
  • 全交流電源喪失時を想定し,中央制御室の非常用空調系統(再循環系)を運転できるよう,必要な電源を確保
緊急時における発電所構内通信手段の確保
  • PHS,ページング設備やトランシーバーに加え,有線の簡易通話装置(乾電池式)を配備
高線量対応防護服等の資機材の確保および放射線管理のための体制の整備
  • 高線量対応防護服10着を配備※2
  • 緊急時に放射線管理要員以外の要員が現場での放射線測定等を実施できる仕組みを整備
水素爆発防止対策
  • 原子炉建物に,水素検知器および原子炉建物から水素を放出する設備を設置
がれき撤去用の重機の配備
  • 緊急時における構内のがれき撤去作業を迅速に実施するため,発電所構内にホイールローダ1台を配備
  • 早期対応のために,当社社員等がホイールローダを運転操作できるよう体制を整備

※2 島根原子力発電所1,2号機の対策(平成23年6月14日お知らせ済み)により対応

以 上

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