島根原子力発電所におけるチャンネルボックス上部の一部欠損に係る調査結果の報告について

EnerGia 報道資料

中国電力株式会社

島根原子力発電所におけるチャンネルボックス上部の
一部欠損に係る調査結果の報告について

 当社は,経済産業省 旧原子力安全・保安院からの指示※1に基づき,島根原子力発電所の原子炉装荷中および燃料プール貯蔵中の燃料に装着されている全てのチャンネルボックス※2の上部(クリップ)について点検を行い,燃料体13体(1号機10体,2号機3体)のチャンネルボックス上部(クリップ)の一部に欠損があることを確認し,平成24年9月10日,国に中間報告を行いました。(同日お知らせ済み)
 その後,一部欠損が確認された燃料体全数について,チャンネルボックスおよび燃料集合体の外観点検を実施するとともに,欠損の原因調査や再発防止対策の策定等を実施し,これらの結果をとりまとめ,本日,国に報告しましたのでお知らせします。

1.外観点検結果等
 一部欠損が確認された燃料体全数について,チャンネルボックスおよび燃料集合体の外観点検を実施した結果,当該の欠損以外に損傷,変形等の異常のないことを確認しました。また,欠損部の一部を採取し分析した結果,欠損部はもろく細かい粉体になることから,燃料,炉内構造物等の安全性に影響を与えることはないことを確認しました。

2.原因調査結果
 沸騰水型(BWR)原子力発電所で共通して発生した事象であることから,BWRを有する電力会社共同で原因調査を行った結果,メーカーのチャンネルボックス製造時におけるクリップの溶接不良によって溶接部の耐食性が低下し,腐食が発生して欠損に至ったものと推定しました。

3.再発防止対策
 メーカーが新たな溶接設備を導入(一部メーカーは実施済)し,溶接方法の改善を行うこととしました。

以上

※1 「燃料集合体チャンネルボックス上部(クリップ)の一部欠損について(指示)」(H24.8.10付)
旧原子力安全・保安院は,東北電力株式会社女川原子力発電所第3号機で確認されたチャンネルボックス上部(クリップ)の欠損事象に伴い,沸騰水型原子炉を所有する原子力事業者に対して以下を実施し,その結果を平成24年9月10日までに報告することを求めた。
1. 炉内および使用済燃料プールにある燃料集合体について,チャンネルボックス上部(クリップ)の欠損の確認
2. 1.において確認された場合,チャンネルボックス上部(クリップ)の欠損を含む燃料集合体の損傷,変形等の確認
3. 1.または2.において確認された場合,燃料集合体の健全性の評価及び原子炉施設への影響の評価
4. 1.または2.において確認された事象に係る原因の究明および再発防止策の策定
5. 1.または2.において確認された場合,チャンネルボックス上部(クリップ)の損傷に伴い生じると考えられる金属片による原子炉施設への影響の評価および対策
※2 チャンネルボックス
燃料集合体に取り付ける四角い筒状の金属製の覆いであり,燃料集合体内の冷却材流路を確保するとともに制御棒が移動する際のガイド機能を有するもの。
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