Energia
AI × 牡蠣

カキNavi カキ養殖採苗支援ツール

AIによる画像解析でカキ幼生の発生状況を確認できるので、採苗のタイミングを逃しません!!

お知らせ・更新情報

2025年06月25日
「カキNaviホームページ」を更新しました。
2024年02月20日
第21回シーフードショー大阪に出展します。

確実な採苗はカキ生産量を安定化させるための第一歩。でも、そのためにはノウハウや経験、採苗のための労力やコストなど、様々なものが必要です。

  • 採取サンプルを目で見ても、幼生の成長状態までは
    わからない。
  • 陸に持ち帰って顕微鏡で確認すると、時間がかかる。
  • 自治体情報から最適な採苗のタイミングを
    見極めるのはむずかしい。
  • フジツボが採苗器に付着すると、採苗率が低下
    してしまう。

そんなお悩みを
カキ養殖採苗支援ツール
「カキNavi」が解決します!

Point01 的確

AIを活用した画像解析により、採苗に適したカキ幼生を高精度に検出できます。経験や勘に頼らず誰でも確実にカキ幼生の検出が可能です。

Point02 迅速

天候や潮流の影響で、幼生の発生状況や浮遊場所は刻々と変わります。『カキNavi』によりその場でカキ幼生の発生状況を迅速に確認することで、採苗のタイミングを逃がしません。

Point03 効率的

『カキNavi』を活用することで、発生状況を何度も確認しに行く手間・時間・人手など、採苗にかかる様々なコストを軽減することができます。

紹介動画

「カキNavi」使用手順を
動画でご覧いただけます。

※提供中のカキNavi画面と一部異なる場合があります。

技術紹介

AIによるカキ幼生の検出

様々な海域で撮影した幼生画像を学習用データとして用意し、非常に高い精度でカキ幼生を検出できるAI画像解析モデルを構築しました。デジタルカメラで撮影した画像を1枚あたり1分程度で処理でき、簡便で迅速な計測が可能です。

的確な検出を支える
専用サンプリング装置

サンプル採取した海水から幼生を専用装置(特許登録済み)で分離回収し、そこから抽出した含有物をデジタルカメラで拡大撮影し、スマートフォンに取り込みます。余計なものを取り除いて撮影する、高精度の判定結果が得られる画像が取得できます。

採取・分析情報のマッピング

サンプリング地点のGPSデータと時刻を記録し、サンプルを撮影した画像と地点・日時データを紐づけ。カキ幼生を成長段階別に検出し、その個体数をツール内の地図上で確認できます。

研究・開発の概要はこちら

カキ養殖の流れ
~採苗準備から収穫まで~

カキの幼生が成長し収穫(水揚げ)を迎えるまでには3年かかり、その過程では収穫量に影響を及ぼす大切な作業工程がいくつもありますが、中でも「採苗」は最初の重要な工程です。

※1年や2年で収穫するカキもあります。

カキ養殖の流れ

1

採苗準備(殻通し・採苗器の作成)

カキの赤ちゃんにあたる「幼生」を採るための準備をはじめます。幼生が付着するためのホタテ貝の殻と2cmほどのプラスチックの管を、交互にワイヤーに通していきます。
これは採苗器(さいびょうき)といい、海中につるして牡蠣の幼生を付着させるものです。

2

採苗(さいびょう)

親カキは5月頃から卵を持ち始め、6月~9月ごろに一斉に産卵します。産卵後20日位たつと受精し幼生となり海水中の浮遊物に付着します。
この時期に、カキいかだにつるしたホタテ貝の貝殻を海中に入れておくと幼生が付着します。

採苗作業では、より多くの幼生が発生する時期・場所を探して、何度も採苗器を移動することも。殻長270μm のごく小さな幼生の居場所を目視で見つけるためには、経験やノウハウが欠かせません。採苗次第で収穫量が左右されるだけに、大変難しく気が抜けない作業です。

カキいかだを配置する場所を探すだけでも大変だよ

カキ養殖採苗支援ツール「カキNavi」は、
採苗工程での重要ポイント「採苗に適したカキ幼生を見つける」作業を的確・迅速・効率的に行えるよう、AIのチカラでしっかりサポートします。

3

抑制

浅瀬の抑制棚で1年を過ごしたカキを、2年目には海中に移して育てます。
抑制棚から取り上げたホタテ貝の貝殻を、1枚ずつ約20cm程度間隔で長さ約9mの針金に通し替えて、養殖用の垂下連(すいかれん)を作り、カキいかだにつるします。

4

育成

カキいかだにつるされたカキは、生育の様子や気候、海の状態によって沈める深さやいかだの場所を変えながら、大切に育てられます。

5

収穫

3年目の10月から11月になると、待ちに待った収穫が始まります。
カキいかだにつるされた垂下連は、この頃には1本の長さが約9m・重さ200kgにもなっているため、カキ船についたクレーンで巻き上げ収穫します。

カキNaviを使用した
幼生検出の流れ

1

カキNaviへログイン

カキNaviへIDとパスワードで
ログインする。

↓

2

採取地点データの取得

海水サンプルの採取位置(GPS)と時刻を取得します。

↓

2

操作は全て船上で行う
ことが可能

従来は、海水サンプルを採取して陸に戻り、顕微鏡を使って幼生の個体数をカウントして発生状況を確認してましたが、この作業をすべて船上で短時間に行えるため、最適なタイミングで採苗作業を行えます。

↓

3

海水サンプルの画像解析

海水サンプルと水道水を専用装置(特許登録済み)に入れ、カキ幼生を分離・回収します。

※クリックで画像を
拡大。

専用の撮影機材でサンプルを拡大撮影し、スマートフォンへ転送します。

②で登録した採取位置と時刻のデータに撮影した画像を紐づけて、クラウド上へ送信。AIが画像を解析し、カキ幼生の発生状況を分析します。

↓

4

解析結果のマッピング

※クリックで画像を
拡大。

解析結果は採取日ごとに管理され、それぞれの日付・地点におけるカキ幼生の発生状況をマップ上で確認することができます。

↓

5

解析結果の確認

※クリックで画像を
拡大。

各地点をタップすると、サンプルを採取した日時、座標、カキ幼生の成長段階ごとの個体数などを確認することができます。

↓

6

詳細画像での確認

※クリックで画像を
拡大。

画像を拡大すれば幼生の大きさ・状態・色が分かるので、採苗に適した状態かどうかも判断できます。また、
採苗の妨げとなるフジツボ類の確認もできるため、採苗率向上にもつながります。

↓

2

幼生の大きさ・状態・色を見て
採苗の判断ができる

幼生の付着期のみに発現する「眼点」の有無を画像検出の指標として用いているため、検出した幼生が採苗に適した状態かどうかも判断できます。
あわせて、採苗の妨げとなるフジツボ類の幼生検出やカウントも可能です。

よくあるご質問

カキNaviは、どんな種類の
カキの幼生に対応していますか?
現在対応しているのは「マガキ」です。
なお、カキの生育を妨げるフジツボの幼生も検出できます。
カキNaviを使うメリットは何ですか?
熟練者の勘やノウハウに頼らず、誰でも、的確に「採苗に適したカキの幼生」を検出できます。
カキの幼生の発生状況(大きさ・数・眼点の有無など)をその場でスピーディに確認するため、最適な採苗タイミングを逃がしません。
幼生の検出には、
どのくらい時間がかかりますか?
海水のサンプリングから幼生の検出まで、約15分で完了します。
(海水のサンプリングを検出機関に持ち込む場合、結果確認まで1日程度かかるのが一般的とされています)
カキNaviは、陸から離れた海の上でも利用できますか?
スマートフォン(タブレット端末等も可)がインターネット接続(通信)できる状態であれば、どこでも利用可能です。
カキNaviを使って幼生調査をするためには、
スマートフォンがあればいいですか?
スマートフォンのほか、幼生を採取・抽出するためのプランクトンネットや専用キット(分離筒や指定のデジタルカメラ等)が必要になります。
実証試験での評価はどうでしたか?
2024年度までに実施された広島県の実証事業(ひろしまサンドボックス『スマートかき養殖 IoTプラットフォーム』)において、複数の漁協にご協力いただいていましたが、ご利用いただいた漁業者の皆さまからは高い評価をいただいています。
カキNaviは、
いつから利用できますか?
カキNaviのご利用を希望される場合は、下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。

お問い合わせ先

カキNaviに興味がある、カキNaviを使って協業したいなどのお問い合わせは下記の「お問合せフォーム」からご連絡ください。

お問い合わせフォーム

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兵庫県姫路市白浜町甲770