社長メッセージ

株主・投資家の皆さまへ

  株主・投資家の皆さまには、平素から格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

<信頼回復に向けた取り組み>
  当社グループは、一連の不適切事案により、株主・投資家の皆さま、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまからの信頼を損なったことを大変重く受け止め、「同様の事象を二度と発生させない」という決意のもと、社外取締役による経営の監督強化、三線管理の強化などにより、「経営の監督」と「業務の執行」の両面から再発防止に努めております。
  再発防止の徹底に向けては、一連の不適切事案発生の背景にある、企業文化を含む根本原因を分析のうえ、その分析結果を踏まえた対応方針を整理し、この対応方針のもとで、本年4月、「エネルギアグループ企業行動憲章」を見直しました。
  役員・社員が一丸となって、皆さまからの信頼回復に努めてまいります。

<2023年度決算および2024年度通期業績見通し、配当方針>
  2023年度の連結決算につきましては、減収・増益となりました。
  売上高は、電気料金の見直しを行ったものの、総販売電力量の減少や燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、前年度に比べ減収となりました。
  経常利益は、燃料価格の低下に伴う燃料費調整制度の期ずれ影響の改善などにより、前年同期に比べ増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も、前年度に比べ増益となりました。
  2024年度の通期業績見通しにつきましては、売上高は、燃料費調整額の減少や総販売電力量の減少により、減収を見込んでいます。
  経常利益は、原子力稼働による収支改善はあるものの、燃料費調整制度の期ずれ差益が縮小および送配電事業の利益が減少する見込みであることから、減益を見込んでいます。
  配当につきましては、連結自己資本比率15%に回復するまでは、財務基盤の回復・強化を最優先に行い、配当性向10%で配当を行うこととしています。
  この配当方針および2023年度の業績を踏まえ、2023年度の配当は、1株につき年間35円とし、中間5円、期末30円とする予定です。
  2024年度の配当につきましては、上記の配当方針に基づき、1株につき年間10円とし、中間5円、期末5円の予想としています。

<収益・財務基盤の回復に向けた取り組み>
  2023年度の連結経常利益は過去最大の黒字となりましたが、これは燃料費調整制度の期ずれ差益などの一過性の要因によるところが大きく、また、ここ数年で大きく毀損した財務基盤の回復は未だ道半ばにあると認識しています。
  当社グループは、競争力のある大型電源の稼働・安全運転、内外無差別※の徹底を前提とした電気事業収益の最大化、経営効率化などに取り組み、各事業の稼ぐ力と生産性の向上を図るとともに、カーボンニュートラル実現に向けた施策、多様な人材の活躍推進などにより持続的な成長を図り、収益・財務基盤の回復に向けて取り組んでまいります。
  ※内外無差別:発電から得られる利潤を最大化するという考え方に基づき、社内外・グループ内外の取引条件を合理的に判断し、内外無差別に電力販売を行うこと。
  なお、大型電源の一つである島根原子力発電所2号機につきましては、本年12月の再稼働を目指してまいります。安全確保を第一として安全対策工事に万全を期すとともに、原子力規制委員会による審査や使用前確認にも適切に対応していくことで、再稼働に向けた一つひとつの準備を着実に進めてまいります。

  当社グループは、経営理念「信頼。創造。成長。」の実現に向けて、足元の最重要課題として「信頼回復」と「収益・財務基盤の回復」を掲げ、思考様式・行動様式や電気事業のビジネスモデルの変革に取り組むとともに、サステナビリティ経営を推進し、企業価値の向上と持続的成長を図ってまいります。

  株主・投資家の皆さまにおかれましては、今後とも格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2024年5月

中国電力株式会社 代表取締役 社長執行役員 中川 賢剛