社長メッセージ

株主・投資家の皆さまへ

株主・投資家の皆さまには、平素から格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。

当社グループでは、「中国電力グループ中期経営計画(2024-2025)」を掲げ、信頼回復と収益・財務基盤の回復を最重要課題に位置付けて取り組みを進めています。

2024年度を振り返りますと、一連の不適切事案に係る再発防止と企業文化変革の取り組み状況を踏まえ、昨年9月に「法令遵守に関するコミットメント」を公表しました。また、昨年12月には島根原子力発電所2号機の再稼働を実現することができ、いずれも当社の経営の大きな節目になったと考えています。

2024年度決算については、島根原子力発電所2号機の再稼働に加え、夏場の高気温影響等による総販売電力量の増加や卸取引市場の活用、グループを挙げた経営効率化などにより、1,285億円の連結経常利益を確保し、2025年度末を目標としていた連結自己資本比率15%への回復を1年前倒しで達成することができました。

昨年4月から9月までの期間限定で設置した「収益力強化」と「需給最適化」を目的とした2つのプロジェクトの検討結果は、電力の小売・卸売両面での収益拡大に向けた方針・戦略として実行段階に移行しており、2025年度の総販売電力量が昨年度からの増加を見込むなど、成果も着実に表れています。引き続き、電力・燃料トレーディング技術の高度化や多様化するお客さまニーズに応える新たな料金メニュー・サービス提供に取り組むことで、稼ぐ力の向上を図ってまいります。

また、本年2月には、我が国のエネルギー・環境政策の大きな方向性を定める「第7次エネルギー基本計画」が「GX2040ビジョン」や「地球温暖化対策計画」と合わせて閣議決定され、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用するなどの方向性が示されました。

当社グループとしても、電力の安定的な提供、電源の脱炭素化、そして将来の競争力強化・成長に向けた島根原子力発電所3号機や柳井発電所2号系列リプレース等への脱炭素投資を進めていきますが、そのためには多額の資金が必要です。このため、これらの電源の運転開始を目指す2030年頃までは、必要な資金調達を確実に行いつつ、グループを挙げて利益を創出し財務基盤の回復・強化を図っていくことが、将来に向けた当社グループの企業価値や株主価値の向上につながると考えています。こうした考えにもとづき、このたび、配当性向12%を目安とする新たな配当方針を決定しました。

以上のようなことを念頭に、現在、新たなグループ経営ビジョンや次期中期経営計画の検討を進めています。脱炭素化ニーズの高まりや電力需要の増加等の事業環境の変化を大きなチャンスと捉え、事業基盤である中国地域の発展に貢献し、持続的に成長していく企業グループを目指してまいります。

株主・投資家の皆さまにおかれましては、今後とも格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2025年4月

中国電力株式会社 代表取締役 社長執行役員 中川 賢剛

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