第5回 自治体説明会

《開催日》2014年8月12日(火)13時30分~15時30分
《出席者》島根県,松江市,出雲市,安来市,雲南市,鳥取県,米子市,境港市

  7月22日(9回目),8月5日(10回目)に開催された審査会合の概要についてご説明しました。

【主なご説明内容】

  審査会合への提出資料等に基づき,島根原子力発電所2号機の確率論的リスク評価(PRA),静的機器の単一故障に係る設計についてご説明しました。

<島根原子力発電所2号機の確率論的リスク評価(PRA)について>
  • 確率論的リスク評価の概要(原子力規制委員会の規則解釈に従い必ず想定する事故シナリオ以外に,個別プラント特有の事故シナリオを抽出することが目的であること等)を説明。
  • PRAのうち,7月22日の審査会合で報告した内部事象PRA(プラント内部で発生する機器故障・運転員の誤操作などの原因によって引き起こされる事象を対象としたPRA)について説明。
  • 原子力規制委員会から,審査資料の非公開箇所(機密に係る事項を含む)の理由および妥当性について再度整理すること,当社が検討した評価内容と外部に委託した範囲等について説明するようコメントがあったこと等を紹介。
  • また,評価にあたっては外部委託を活用しているが,メーカの作業内容を当社社員が適切に確認するなど,共同で実施している旨説明。

<島根原子力発電所2号機の静的機器の単一故障に係る設計について>
  • 静的機器の単一故障に係る新規制基準の概要を説明。
  • 島根2号機の全ての系統・機器を対象に,重要度の特に高い安全機能を有するが,単一設計となっている静的機器として,3系統4機器を抽出。これらの機器の故障の要因,故障による影響評価,機器の修復性などを検討した結果,多重性の除外条件に該当し,基準に適合していると評価した旨を説明。
  • 原子力規制委員会から,機器の抽出方法の妥当性や,故障箇所の検知性および被ばく評価への影響等について詳細に説明するようコメントがあったことを紹介。

【自治体からの主なご質問等】
  当社の検討内容や今後の対応等についてご質問がありました。主なご質問は以下のとおりです。
  • 内部事象PRAにより島根2号機に特有の事故シナリオは抽出されたのか。

    →PRAでは,内部事象とともに,地震・津波などプラント外部で発生する事象を対象としたPRA(外部事象PRA)を行った上で,代表となる事故シナリオを抽出するが,内部事象PRAにおいては島根2号機に特有のシナリオは抽出されていない旨回答。

  • 起因事象の発生確率としては手動停止・サポート系喪失が高いが,起因事象別の炉心損傷頻度については過渡事象が最大となるのはなぜか。

    →手動停止・サポート系喪失については,事象としての発生頻度は高いものの,プラントの運転や炉心の冷却に直接関わらない部分の故障などが起因となっていることが多いため,炉心損傷頻度については過渡事象が最大となる旨回答。

  • 格納容器の主要仕様について,限界圧力は最高使用圧力の2倍であることを実験により確認したとの説明があったが,実際にはどの程度の余裕があるのか。

    →数値ではっきり申し上げるのは難しいが,様々な条件を考慮して保守的に検討した結果,最高使用圧力の2倍としている旨回答。

  • 審査会合でのやりとりから,中国電力がPRAの評価を外部にすべて委託しているとの印象を受けた方もいるので,今後,審査会合で適切に対応していただきたい。
  • 従来の規制においても,重要な静的機器については多重化が求められていたとのことだが,3系統4機器が多重化されていないのはなぜか。

    →これらについては,従来,単一故障の発生確率が極めて小さいことから,多重性の除外条件に該当するとしていた。新規制基準により明確化された除外条件を踏まえ,改めて評価し,多重性の除外条件に該当することを確認した旨回答。

  • 格納容器冷却系のサプレッション・チェンバ(圧力抑制室)側のスプレイヘッダについて,スプレイヘッダが全周破損してもサプレッション・チェンバへの注水は行われるが,スプレイができないため除熱機能が損なわれるということか。

    →事故時には注水量の95%が格納容器内へ,5%がサプレッション・チェンバ内へスプレイされるが,スプレイヘッダの全周破断時には,保守的に,この5%のスプレイが入らないとして評価を行った旨回答。

  • 原子力規制委員会から,機器の抽出方法の妥当性についてコメントがあったとのことだがどうか。

    →系統図からすべての系統・機器を抽出したうえで,国の重要度指針分類も用いて,重要度の特に高い安全機能を有する系統・機器を抽出している。今後,この抽出過程を丁寧に整理して説明していく旨回答。


《説明資料》

○「島根原子力発電所2号炉 確率論的リスク評価 解説編  [PDF:196KB]」

○「島根原子力発電所2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について  [PDF:7,714KB]」

〔原子力規制委員会第125回審査会合(2014年7月22日) 資料1-1〕

○「島根原子力発電所2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について(1/2)  [PDF:21,032KB]」

〔原子力規制委員会第125回審査会合(2014年7月22日) 資料1-2〕

○「島根原子力発電所2号炉 確率論的リスク評価(PRA)について(2/2)  [PDF:33,305KB]」

〔原子力規制委員会第125回審査会合(2014年7月22日) 資料1-2〕

○「島根原子力発電所2号炉 静的機器の単一故障に係る設計について 解説編  [PDF:665KB]」

○「島根原子力発電所2号炉 静的機器の単一故障に係る設計について  [PDF:6,608KB]」

〔原子力規制委員会第129回審査会合(2014年8月5日) 資料4-1〕

○「島根原子力発電所2号炉 静的機器の単一故障に係る設計について 補足説明資料  [PDF:1,373KB]」

〔原子力規制委員会第129回審査会合(2014年8月5日) 資料4-2〕

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