第30回 自治体説明会

《開催日》2019年12月13日(金)14時00分~16時10分
《出席者》島根県,松江市,出雲市,安来市,雲南市,鳥取県,米子市,境港市

前回の説明会(2019年9月27日)以降に開催された9回の審査会合の概要等についてご説明しました。

<プラントに関する項目>

○ご説明資料
島根原子力発電所  2号炉  外部火災影響評価について(コメント回答)【2019年10月1日審査会合分】 [PDF:763KB]
島根原子力発電所  2号炉  火災による損傷の防止(コメント回答)【2019年10月1日審査会合分】 [PDF:840KB]
島根原子力発電所  2号炉  安全施設(コメント回答)【2019年10月1日審査会合分】 [PDF:602KB]
島根原子力発電所  2号炉  内部溢水影響評価について(コメント回答)【2019年10月29日審査会合分】 [PDF:2,454KB]
島根原子力発電所  2号炉  有毒ガス防護について【2019年12月5日審査会合分】 [PDF:6,546KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年10月8日審査会合分】 [PDF:8,062KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年11月12日審査会合分】 [PDF:9,334KB]

○主なご説明内容
火災による損傷の防止,内部溢水影響評価に関する指摘事項の回答などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 消火設備の自動起動方式に関して,複数の感知器が作動した時にガスを放出とあるが,熱感知と煙感知のいずれかが,2箇所で同時に作動した時に起動するように見える。その認識で良いか。

    →その通り。煙感知と熱感知をエリア内に複数設置しているが,煙感知と熱感知が1つずつでも,2箇所で作動した場合には放出となる。

  • エリアが広く,何らかの原因で1箇所だけしか感知器が作動しないということもあると考えるが,1箇所しか感知器が作動しない場合のバックアップの手順はどうか。

    →感知器が1箇所でも作動すれば,現場を確認するようにしており,確実に消火活動が行えるように手順を整備していきたい。

  • 自動起動方式では,20秒以上の時間遅れをもってガスを放出とある。これは,もし現場に人が居たときに警告し退避させ,退避できない場合は手動で何らかの対応をするということと想像するが,仮に退避できない場合はどのような対応になるのか。

    →20秒は仮に部屋に人が居れば作動について注意喚起するための時間である。20秒後には自動で放出する。消火に使用するガスが炭酸ガスであれば窒息するが,当社が使用するガスは,フロンガスであり人体に害がないため放出しても避難は可能と考える。

  • 自動起動方式は,20秒すると自動でガスが放出されるが,中央制御室からの手動起動の手段は,なぜあるのか。自動で放出ができない時のためか。

    →中央制御室のように常時人が滞在する箇所は,手動で放出する。これまでは,補助盤室のように中央制御室に近い箇所も現場確認のうえ手動で放出すると説明していたが,自動で放出するように見直したもの。
    1箇所の検知方式でしか検知していない場合等,自動放出しない場合には,現場で状況を確認し,手動放出操作を行うことになる。

  • 自動放出エリアであることは明示されるのか。

    →自動放出エリアの出入口には,自動消火を行うことを明示しており,放出時には,パトランプ,音声アナウンスにより警告を行うようにしている。

  • 水を使用し消火する箇所はあるか。

    →今回,ガス消火を追加するが,従来からの水を使用する消火設備も配備している。

  • いろいろな場面を考えて対応を検討していただきたい。自動消火を前提とした火災防護であれば,初期消火は初期の段階だけとし,早く退避するようにといった教育も必要と考える。
  • 内部溢水のスロッシング量が,申請時の68m3程度から,180m3まで増えているが,既存の対策でカバーできる量なのか。

    →燃料プールのスロッシング水を下の階に落さないという設計をしており,新しい溢水評価量に見合った堰の高さを確保する。

  • 有毒ガス影響評価のうち,開放空間では人体の影響がないことについて,中央制御室や緊急時対策所は密閉した空間と考えるが,ここに窒素ガス等が流入することは評価しないのか。

    →評価方法はガイドに明記されおり,化学物質に該当しない窒素ガス,水素ガスについては考慮されていない。なお,酸欠の影響について評価し,結果を示していく予定である。

  • 3軸粘性ダンパの設置個所で,BクラスとBクラス(弾性設計用地震動Sd機能維持)の範囲としているものがあるが,違いは何か。

    →基本的には,主蒸気隔離弁で隔離されるので当該箇所はBクラスである。ただし,タービン系の不調時には,主蒸気隔離弁に依らず,主蒸気止め弁やタービンバイバス弁での隔離を行うため,安全上の重要度が少し高いということで,他の系統に比べ強化している。

  • 3軸粘性ダンパ採用の理由として,熱膨張の変位を拘束することができないためということがあったが,今後,変位を拘束しないということについてどこかで審査が行われるか。

    →熱膨張を考慮した設計の部分は,工認段階で確認されるものと考えている。
    実際の熱膨張に照らして正しい位置に設置できているかについては,据付後に事業者が確認していくことであり,審査で担保されるようなことではないと考えている。

<建物・土木構造物に関する項目>

○ご説明資料
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年10月24日審査会合分】 [PDF:3,080KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年11月14日審査会合分】 [PDF:3,063KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年11月12日審査会合分】 [PDF:11,791KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年11月14日審査会合分】 [PDF:5,632KB]
島根原子力発電所  2号炉  地震による損傷の防止(耐震設計の論点)【2019年11月14日審査会合分】 [PDF:6,687KB]

○主なご説明内容
地震による損傷の防止に関する耐震設計の論点などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 島根2号,女川2号,柏崎6,7号の解析適用に関する比較において,コンクリートの強度を示すヤング係数が異なり島根2号が小さい理由は何か。

    →建設の時期により考慮したコンクリート強度が異なるためヤング係数が異なる。
    島根2号は,割と古いので大きくないが,島根3号では,もっと大きくなっている。

  • 打設した時のコンクリートの質が違うということか。

    →質というと少し違い,強度であり,設計当時に考えていたコンクリートの強度がそれぞれ違うということである。

  • 免震重要棟の遮蔽壁に関して,免震重要棟は,元々は緊急時対策所であったので,設置当時の基準地震動で耐えられるように遮蔽壁も造られていると思うが,現状の基準地震動でも耐えられるのか。ここでは,仮に倒れた場合の影響を考えているが,実態として倒れることがないということを確認するのか。

    →遮蔽壁は現在の基準地震動でも耐えられると考えているが,ここでは,評価に,質点系モデルを使用することについて確認を受けているものであり,評価の詳細は,工認段階で示していくものである。

<津波・地山に関する項目>

○ご説明資料
島根原子力発電所  2号炉  津波による損傷の防止(コメント回答)【2019年10月31日審査会合分】 [PDF:2,332KB]
島根原子力発電所  2号炉  津波による損傷の防止(コメント回答)【2019年10月31日審査会合分】 [PDF:7,089KB]
島根原子力発電所  2号炉  防波壁及び1号放水連絡通路防波扉の周辺斜面の安定性評価について(コメント回答)【2019年11月22日審査会合分】 [PDF:5,906KB]

○主なご説明内容
防波壁及び1号放水連絡通路防波扉の周辺斜面の安定性評価,津波による損傷の防止に関する指摘事項の回答などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 防波壁西端部の表層部を撤去する方針とのことであるが,工事の手続きと,審査でコメントのあった撤去した後の斜面の安定性評価は並行して進むというイメージで良いか。

    →工事の計画や申請関係と並行して安定性の検討を行っているところ。

  • 表層部の撤去範囲に,宇中連絡道路がある。この道路にも役割があると考えるが,撤去にあたり施工中はどのように扱われるか。

    →詳細は今後確認するが,当該道路部分も撤去範囲内にあるが,実際は,ほぼ表層土はない。
    構内の工事の状況により交通の頻度は異なるが,必要に応じ通行止め等を検討したい。

  • 工事用であれば問題ないが,安全対策等で使用するのであれば代替ルートを確保する等して,工事を進めていただきたい。
  • 表層土を2m削ると撤去量はどのくらいとなるのか。

    →約1万m3である。5000m2×2mとの概算。

  • 防波壁に対する荷重の組み合わせとして,地震時,津波時,津波+余震の重畳時とあるが,重畳時に組み合わせる余震荷重とはどの地震によるものか。

    →詳細は6条の外部からの衝撃による損傷の防止関連の審査資料で整理しているためそこで確認いただきたいが,余震荷重として弾性設計用地震動Sdを使用している。

  • 重畳時の津波荷重が,海域活断層に想定される地震による津波荷重とあるが,なぜ日本海東縁部ではなく海域津波となるのか。日本海東縁部の津波を重畳時に考慮しなくても良いという考え方は。

    →基本的には,日本海東縁部の津波は,津波としては大きいが距離が離れているので,島根での地震の荷重には影響ないと考えている。
    なお,資料についてコメントを受けている段階であり,他サイトの審査事例を踏まえて資料を作成し審査で説明していくため,今後の資料を確認して頂きたい。

  • 防波壁の構造選定について,波返重力擁壁は既存のケーソンを活用したため採用したと考えるが,鋼管杭式については,杭を複数打った方が強度は高いように思える。鋼管杭逆T擁壁でなく多重鋼管杭擁壁を採用した理由は何か。

    →設置場所周辺に発電所の施設が近接し狭隘である箇所でも設置できるものとして多重鋼管杭式擁壁を検討し採用した。一方で,逆T字方式は周囲が広い箇所の基本の形として採用した。

  • 薬液注入による地盤強化はどのような方法で行っているか。

    →3号機北側の改良地盤においては,セメント系の高圧噴射ジェット工法としている。その他,薬剤を注入する箇所もあるが,今後資料を充実することとしているので,その資料を確認して頂きたい。

以上

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