第36回 自治体説明会

《開催日》2022年7月11日(月)10時00分~11時22分

《出席者》島根県、松江市、出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市
※Web参加

前回の説明会(2021年9月24日)以降に開催された計3回の審査会合の概要等についてご説明しました。

〇ご説明資料

ご説明資料については,以下のリンク先に掲載している「設計及び工事計画の認可申請に係る審査の実施状況一覧(時系列)」の中の該当の審査会合欄をご覧ください。(審査資料を掲載している原子力規制委員会HPへのリンクを設定しています)。
なお,説明会で使用した資料は,審査資料を一部抜粋して作成しています。

アドレス:https://www.energia.co.jp/judging/2gouki_keikaku.html

<工事計画認可申請(補正)の概要について>

○対象となる審査会合
 2021年12月7日(1回目)

○主なご説明内容
 設置変更許可審査時に詳細設計へ申送りした事項、新たな規制要求(バックフィット)への対応事項、今回申請内容における設置変更許可審査時からの設計変更内容、その他の詳細設計に係る説明事項についてご説明。

<工事計画認可申請(補正)の対応状況および論点整理について>

○対象となる審査会合
 2022年3月29日(2回目)、6月14日(3回目)

○主なご説明内容
 工事計画認可申請(補正)の対応状況および論点整理についてご説明。

<工事計画認可申請(補正)のヒアリング実施状況>

島根原子力発電所2号機の工事計画認可申請(補正)のヒアリング実施状況について [PDF:584KB]

○主なご説明内容

ヒアリングにおいてコメント対応済となった審査項目のうち「格納容器フィルタベント系の設計」、「緊急時対策所の居住性」、「竜巻への配慮」に関するコメント回答状況についてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • ブローアウトパネル閉止装置が、基準地震動Ssで機能が損なわれないようになっているのか、どのように確認されたか教えていただきたい。
    「地震波加振試験(3次元応答確認)」のところで、「試験結果から、応答軸が明確であることを確認した。」ことについての説明いただきたい。また、一般的に考えて単振と3次元と比べて差がでてくると思うが、「単軸加振と3方向同時加振結果での顕著な差がないことを確認した。」ことについて説明いただきたい。

    ⇒ブローアウトパネル閉止装置が、基準地震動Ssで機能が損なわれないことは、加振試験で確認している。
    加振台の性能制約上、地震波を前後、左右、上下の3方向に揺れるが、1方向の加振(単軸加振)で性能を確認している。応答しやすい方向を構造等から工学的に検討し、3方向、各々の方向に単軸加振している。3方向に加振するとねじれとか、単軸では表れない振動モードが表れることがある。構造上、そのような構造ではないことは確認しており、加振試験で地震動を小さくして3軸加振した場合と、単軸加振した場合で、異なる振動モードが表れないことから、単軸加振での試験の有効性を確認したものである。

  • 安全系電源盤に対する高エネルギーアーク(HEAF)の対策が必要な範囲外に非常用ディーゼル発電機や上流側の電源盤があるが、こちらの対策は必要ないことを説明いただきたい。

    ⇒HEAF対策は、安全上重要な設備への対策であり、重要な電源を賄っている範囲ということになるが、対策は大きく2つある。一つは、非常用電源の電源盤(M/C)への電源供給を担保している遮断器に対してであり、上流側からくる電源の供給を遮断するパターンと、非常用ディーゼル発電機から発生した電源を遮断するパターンとがある。2C-M/Cの例をあげると、非常用電源を供給する場合、上流側に2A-M/Cの所内変圧器、起動変圧器、予備変圧器の受電遮断器があるが、ここに対して遮断の役割を今回の過電流継電器でもたせ、下流側の電源設備を守るという意味で、上流側を遮断するという対策を取っている。
    一方で、非常用ディーゼル発電機の方は、供給側の受電遮断器を遮断することになるため、母線の方に入ってくる電気を遮断する設備として、HEAFの対策としている。
    よって、実際にHEAFの対策で遮断器を遮断する設備というのはその上流側と、非常用ディーゼル発電機の出口側ということになる。

  • 非常用ディーゼル発電機の「51過電流継電器」の動作にタイマーを入れておられる。他電力のプラントの状況だと、「51の過電流継電器」ではなく、「87の比率差動継電器」を用いた対策がされている。このタイマー、他電力プラントの違いというところを教えていただきたい。

    ⇒他電力では、島根原子力発電所と既存設備のインターロックに違いがある。島根原子力発電所では非常用ディーゼル発電機ロックアウトリレー動作に対して、非常用ディーゼル発電機の機関停止というインターロックを元々設けており、他電力では、非常用ディーゼル発電機の機関停止を設けていなかった。HEAFの対策として、他電力にその対策であるタイマーを加えたものである。
    他電力が、島根原子力発電所のインターロックにHEAFとして合わせてきたということと、タイマーの設置については、当社も他電力も同じように今回設置したということである。結果、HEAFの対策は、他電力と合致しているということである。

  • 一般に補助リレーとか、タイマーを追加すると故障の確率も上がってくるということになる。「51の過電流継電器」は、1回/年の誤差試験や定期点検をされると思うが、タイマーは、同様の点検や試験を考えているのか。オムロンとか市販のパーツが入れられるような印象を受けるので、今後の保守という意味でどのように点検等されるのか教えていただきたい。

    ⇒新しく設置したタイマーについても、保護継電器と同じ点検を今後、実施していくことで計画したいと考えている。

  • 竜巻への配慮のところで、「たるみを有する固縛で拘束する設計する設備」について、対象となる設備はないと回答されているが、そもそも飛散しないのか、離隔距離等で固縛の必要がないのかを説明いただきたい。

    ⇒この対策については、離隔距離で2号機の方へ届かないということで、この対策が必要ないと評価しているものである。今後、3号機の方を申請するタイミングになると、このような対応を取らないといけないものが発生すると考えている。

  • ヒアリングの実施状況で今回説明があったのは、フィルタベント、緊急時対策所の居住性、竜巻への配慮だが、この3点を選ばれた理由を説明いただきたい。また、ヒアリングにおいて説明しているものについては、今後審査会合で必ず出てくるので、説明をその時にされるのか、ヒアリングだけで事実確認で終わるような内容であれば、ヒアリングのコメント対応が終わったところで、この審査状況説明会で説明されるのかを教えていただきたい。

    ⇒3点を選んだ理由については、新規制基準における主な安全対策ということで、代表的な格納容器フィルタベント系、緊急時対策所の2点を選んでいる。また、自然現象への対応として竜巻を選んだものである。この前提としては、対応済案件の中から選んでいる。
    主な説明事項として挙げている内容については、原子力規制庁でどのように扱われるかはこれからの相談になると考えるが、特にコメントなく対応した案件については、まとめてご紹介となるか、それに近いような対応になるものと考えている。

  • 審査会合の申し送り事項の中にも軽重があるので、ヒアリングのみで終わるものもあると思うので、審査会合の場で確認できないものについては、審査状況説明会の場で随時説明をお願いしたい。

    ⇒承知した。

  • 「格納容器内の水素濃度及び酸素濃度の計測範囲の変更」の説明では、設置変更許可で示していた段階から、工認の詳細設計に移ったところで仕様を変更されたことを説明されていると思うが、変更後の切替設定値が設計検討中ということで数値が示されていないが、現状決まっているのか、決まらないと工認は認可されないのか。
    また、水素濃度計は格納容器の中だけが対象となっているが、格納容器の中以外の水素濃度計は仕様変更の対象にならないのか。

    ⇒切替設定値の設計検討中について、「酸素濃度4.4vol%,水素濃度4.0vol%以上で計器設計上可能なナローレンジ上限に近い値に設定する。」としており、ヒアリングの際に説明している。この内容で切替設定値を設定することにより、必要な範囲で、ナローレンジにおいて水素濃度、酸素濃度を測定でき、格納容器のベント判断において適切な監視能力が確保可能である。工事計画認可における検出器の種類であったり、計測範囲であったり、個数が設備仕様の主要な項目であるが、切替設定値自体は工事計画認認可に記載する値ではないため、ヒアリング等で確認いただくとか、そういった数値ではない。よって、その数値が決まっていなければ、工事計画認可がいただけないということではない。 
    具体的な値は、設備の詳細設計を進めている段階のため、まだ決まっていない。
    他の水素濃度計等について同様の変更はないのかという質問については、レンジ切替がある水素濃度計はこの水素濃度計のみであり、他の水素濃度計については同様な問題は生じないと考えている。
    他にもレンジ変更をする計器、例えば核計装などあるが、自動のレンジ切替をするものではないため、同様な問題は発生しないと考えている。

  • 設計検討中になっているものについては、工認の認可にあたって必須ではないというところで、ヒアリングの中なり、今後のどの審査の段階か分からないが一応確認されると理解した。

    ⇒切替設定値の件で誤解を招くような説明であったかもしれない。
    今回の切替設定値については、工事計画認可における設備仕様の主要な項目には該当しない。レンジ切替の理由が切替設定値によるものであり、ヒアリングの中で説明させていただき、切替設定値自体は、ヒアリングで確認いただく数値には該当しない。現在、詳細設計を進めているが、切替設定値自体を今後のヒアリングで確認いただくことはなく、設備仕様の主要な項目として変更した計測範囲や個数、種類などを確認いただいている。

  • 工事計画認可申請(補正)に係る説明工程について教えてほしい。色々な審査項目にどの程度時間がかかるかを記載されているが、この表では3月まで予定されているものは、耐震性に関する説明書や強度計算書となっている。これは、審査会合の説明事項番号のついていないものになっていて、今回の審査状況説明会においても、おそらく説明されていない部分だと思っている。
    この項目に時間がかかっている理由について、冒頭の挨拶の中で、力仕事のような作業でと触れられていたが、どういったことをやっているか、何故時間がかかるのかを説明いただきたい。

    ⇒工事計画認可申請(補正)については、取水槽関係などの解析評価を第5回等でお示しする予定としている。結果、それらの解析が終わらないと、取水槽廻りにある設備、機器関係の耐震計算等が進まないことになるため、図書の提出のタイミングが遅くなるものである。
    これらの機器、設備の多くは、申し送り事項はないため、耐震計算等の結果をこちらから説明することになる。

  • コメント対応済みの項目が多くあるが、こちらも審査会合で示した主な説明事項の抽出のどれかに該当するということでよいか。

    ⇒「コメント対応済」の項目については、説明事項の抽出に該当するものはなく、「施設共通の説明書」の「13.火災防護」の備考欄に「【2-2】火災感知器の配置コメント対応済」と記載している。これが、バックフィット案件の主な説明事項の一つにはなるが、「コメント対応済」ということでヒアリングにおいてコメント対応を終了している案件となる。ただし、案件によって軽重があるため、どのタイミングで紹介するのか、まとめてご説明となる。

  • 説明項目の備考欄記載のものは、設置変更許可審査時から来ている項目だと思うが、今後、「設置変更許可との整合」という審査の工程での説明の中で、この項目は「設置変更許可のこの審査項目に関連して説明している」とか、関連づけが分かるということか。

    ⇒「設置変更許可との整合」は、そこまでリンク付けをした説明内容にはならないと思っている。実際には、設置許可審査時からの設計変更内容等についてまとめているが、「設置許可から変えたもの」という位置づけになる。ただし、これらの項目は、設置変更許可再申請の案件ではなく、その時に説明した段階から若干変更したものというようなイメージのものであり、実際に「共通の設置変更許可との整合性のところで、「何かしら設置変更許可とは整合していない」としてあがるような内容ではないと考えている。

以上

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