第38回 自治体説明会
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《開催日》2024年4月4日(木)14時00分~16時00分
《出席者》島根県、松江市、出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市
《説明資料》
○[2号機] 新規制基準適合性(保安規定変更認可申請)に係る審査状況について
○[2号機] 新規制基準適合性(特定重大事故等対処施設等)に係る審査状況について
新規制基準適合性に係る審査の資料については,以下のリンク先に掲載している該当の審査会合欄をご覧ください(審査資料を掲載している原子力規制委員会HPへのリンクを設定しています)。
なお,説明会で使用した資料は,審査資料を一部抜粋して作成しています。
「保安規定変更認可申請に係る審査の実施状況一覧(時系列)」
https://www.energia.co.jp/judging/2gouki_hoankitei.html
「新規制基準適合性(特定重大事故等対処施設等)に係る審査の実施状況一覧(時系列)」
https://www.energia.co.jp/judging/2gouki_tokuteijudai.html
○[1号機] 廃止措置計画変更認可申請に係る審査状況について
・島根原子力発電所1号炉廃止措置計画変更認可申請書及び島根原子力発電所原子炉施設保安規定変更認可申請書の概要について [PDF:2,509KB]
○能登半島地震を踏まえた島根原子力発電所の確認結果について
・能登半島地震を踏まえた島根原子力発電所の確認結果について [PDF:1,885KB]
《説明内容》
<[2号機] 新規制基準適合性(保安規定変更認可申請)に係る審査状況について>
○対象となる審査会合
2023年3月28日(1回目)、12月7日(2回目)、2024年2月22日(3回目)、3月2日(4回目)
○主な説明内容
保安規定変更認可申請に係る対応状況や審査会合における指摘事項への回答等
○自治体からの主なご質問
- 今日は丁寧に説明していただいたと思うが、自治体の担当者向けにも県民の皆さま向けにも、分かりやすい説明をしていただきたい。長期間にわたる審査の、膨大な資料を詰め込んで説明いただいていることは承知しているが、分かりやすくなるよう工夫をお願いしたい。
- 審査の中で安全文化の劣化兆候を指摘され、保安規定の組織体制が大きく変わったが、その後の審査における委員からのコメントが気になっている。ポイントは、監視の体制を強化するとかではなく、間違ったことは間違っているとちゃんと大きな声で言えるかどうか、こういった点にあるといったコメントだったと思うが、これについて何か説明できることはあるか。
- ルールができていても、守らない人がいれば問題は起こる。気を引き締めてほしい。
- 安全文化について新たな仕組みを作ることがスタート地点だと思う。運用にあたって、現場や協力会社に出向いての現場観察や、インタビュー等の対応をしていくと思うが、そういった活動をするときに、監視評価される側の理解も重要になってくると思う。
- 非常用ディーゼル発電機の潤滑油の管理方法について、現行の保安規定に基づき、系統内に7日間分の潤滑油を持っているということか。
⇒分かりやすい説明となるよう努めさせていただく。
⇒今回の組織改正にあたり、委員が言われたのは、この組織改正が元々の問題に合っているのかということ。元々は特定重大事故等対処施設(以下、「特重」)に係るガイドの誤廃棄を報告しなかったことで、本来、無くしたら説明するべきことに関して、我々は報告の必要がないと判断してしまい、そこが問題であった。
当社は点検不備等の不適切事案が続き、そのために原子力強化プロジェクトを作って、安全文化の醸成活動を重視してきたが、特重ガイド誤廃棄の事案を起こしてしまった。これを踏まえ、一番大事なことは、組織改正をすることではなく、まずは安全文化を高めていくことだと考えている。
今回の反省は、これまで発電所に対する安全文化の施策を重点的にやってきたが、結果として本社側の活動が少なくなっていたこと。今回の特重ガイド誤廃棄の報告遅れは、本社の主管であった。そのため、今後は本社においても発電所と同じように安全文化醸成の施策を実施することにしている。
その上で、それらの活動をさらに有効的に行うにはどうすればよいか検討した結果、発電所だけではなく、本社、協力会社も含めて全体の安全文化を高めていく必要があることを踏まえ、この機会に原子力強化プロジェクトを廃止して、その取り組みを電源事業本部に一元化するとともに、安全文化の監視評価活動をすることによって、弱みを把握していこうということである。
組織は作れば良いというものではなく、新しい体制の中で、言いたいこと、おかしいことがあったらすぐに言えるという空気を作っていくことが大事なので、しっかり活動していきたい。
⇒ご指摘のとおり。まずは、このような組織を作った理由を、社内、協力会社にきちんと理由を説明し、納得してもらった上で活動していきたいと考えている。
基本的には、現場に出向いて活動状況を見ながら、そこで気づいたことをまとめて話し合っていくというようなことを考えているが、きちんと社内、協力会社の皆さんに説明し、理解いただいた上で、しっかり監視評価活動をしていきたいと考えている。
⇒現状の保安規定では、潤滑油を7日分ではなく8時間分を確保することとしているが、変更後の保安規定では、7日分消費量以上の潤滑油を確保することとした。
<[2号機] 新規制基準適合性(特定重大事故等対処施設等)に係る審査状況について>
○対象となる審査会合
2024年2月16日(20回目)、3月1日(21回目)
※保安上の観点から非公開で開催された審査会合は除く
○主な説明内容
特定重大事故等対処施設および所内常設直流電源設備(3系統目)の設置に係る原子炉設置変更許可申請への対応状況や審査会合における指摘事項への回答等
○自治体からの主なご質問
- 発電所敷地内のシーム(地層の間に挟まれた薄い粘土層)については、2号機本体の許可の中で、将来活動する可能性はないと評価されたと理解している。あるいは県顧問からも、シーム自体の活断層との関連は非常に薄く、シームが活動して変動を起こす可能性は考えにくいといった助言をいただいている。今回、特重の審査の中で、何を疑われてここまで審査が長引き、再評価させられたのか。
⇒シームについては2号機本体の設置変更許可段階で性状を確認しており、活動性はなく、断層との関連もないことを説明している。また、その性状について、粘土が2~3cmの厚さで南北方向に動いた跡があるということを説明していた。
特重エリアで確認されたシームは、一部に東西方向に若干振れたようなシームがあり、これは設置変更許可段階では確認されていないシームなので、その性状や活動性について改めて議論された。
結論からすると、エリアがこれだけ広い敷地であり、褶曲という構造が島根のサイトにはあるため、シームが局所的に東西方向に振れるようなことは文献にも示されている。そういったことを説明するとともに、活動性についても説明し、安全性に影響がないことを納得いただいた。
<[1号機] 廃止措置計画変更認可申請に係る審査状況について>
○対象となる審査会合
2024年2月8日(1回目)
○主な説明内容
廃止措置計画変更認可申請に係る概要等
○自治体からの主なご質問
- 例えば、被ばく線量や廃棄物の関係など、廃止措置計画変更の申請前に受けた説明内容から、審査の過程で変更されたものはあるか。
⇒基本的な考え方は、昨年来皆さまにご説明している内容から変わっていない。分かりやすさや明確化という観点でのコメントはいただいているが、基本的な方針については問題ないと判断いただいており、特段の変更等は行っていない。
<能登半島地震を踏まえた島根原子力発電所の確認結果について>
○主な説明内容
能登半島地震を踏まえた島根原子力発電所の確認結果
○自治体からの主なご質問
- 変圧器について、放熱器の上部配管接続部の損傷は簡単に直るものなのか。また、放圧板が動作しているが、これは動作して当たり前なのか。動作した後に異常がなければ、またすぐ動かせるのか。
- 変圧器の破損に関連して、新規制基準では外部電源に期待しておらず、送電鉄塔の耐震補強を実施しているが、(規制上)もうそれは求められていない。変圧器が壊れてしまったところは、外部電源の一部の機器になるため、それは問題ではないと思うが、発電所のそばまで電気はきているので、せめて、発電所側の設備だけでも(機能を維持できるよう)、自主施設の範疇とは思うが検討していただきたい。
- 地震に伴う隆起で、常設のポンプ等が使えない場合には、可搬型の大量送水車等を使用するなどの対応をするのか。
- 想定津波高さが11. 9mだが、取水槽は何m高くなることを想定し、それに対して何mの壁があるのか。
- 資料の24ページ、GIS(ガス絶縁開閉装置)のブッシング(絶縁用の碍管)の破損について、中国電力にはGIS のブッシングの予備部品を保有していないとのことだが、これは志賀も同様だったのか。また当該設備は半年よりも短い期間で復旧できるような対策をとっているのか。
⇒配管接続部の損傷について、損傷したボルトの取替など損傷した部分だけ取り替えることはできるかもしれないが、変圧器自体に大きな衝撃が加わっている可能性があり、巻線や他の部分についても、異常の有無について確認が必要であることから、単に損傷した部分の取替だけで使用可能という判断はできないと考えている。
また、放圧板については、地震に限らず、変圧器内で内部短絡等によりアークが発生した場合、変圧器内で使用している絶縁油が分解され、ガスが発生する。発生したガスによって変圧器本体タンク内の内圧が上がることによるタンクの変形や破壊を防止するため、放圧板が動作して圧力を外部に逃がすよう作られている。今回ご説明した志賀2号機の主変圧器では当該ガスが検出されたため、設計時に想定した事象に従って、放圧板が正常動作したと考えている。
⇒新規制基準においては、外部電源によらず、多重多様な非常用電源により安全を維持することが求められており、非常用ディーゼル発電機やガスタービン発電機などを配備している。
変圧器については耐震Cクラスではあるが、全く何も評価していないわけではなく、変電所等における電気設備の耐震設計指針(JEAG5003)に基づき耐震性評価を行っており、静的5m/s2の加速度で変圧器が倒壊しないという確認をしているが、発電所で発生した地震の揺れが設計で想定しているものを超過した場合は、接続配管等の損傷は否定できないとの説明をさせていただいた。
ただし、志賀原子力発電所で故障の原因を調査しており、その調査結果も踏まえて、必要に応じて対策を講じていく。
⇒常設のポンプ等が使用できない場合は、可搬で準備している大型送水ポンプ車等で海水を取水することは可能である。
⇒2号の取水槽で10.6mの高さを想定し、これに対して、11. 3mまでの壁を付けている。
⇒志賀の変電所では24ページに記載しているとおり予備品を1個持っていたため、GISのブッシングを6月までに取替予定である。また変電所や送電線等は一般送配電事業者の設備であり、24ページに記載しているとおり北松江変電所および津田変電所内のGISのブッシングの予備品は保有していない。
このブッシングの種類は、変圧器の型式、電圧階級やメーカーも多種多様であり、全ての予備品を保有管理することが難しいことから、一般送配電事業者間で資材を融通する協定を締結している。ただし、中国地域管内であれば、中国電力ネットワークは、移動変圧器や移動遮断器を保有しており、変電所内の機器が破損した場合は、これらを用いて電力の供給が可能であると聞いている。
220kV系設備に比べ66kV系設備の設備規模は小さいため、比較的に早く復旧できると考えているが、実際には機器の損傷状況により対応は異なってくると思われることから、どの程度の期間で復旧できるかについて回答は差し控えさせていただく。
以上