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Top Ahaエネ! モビリティから創造するミライ~マツダMX-30の開発責任者に聞いてみた(前編)~

モビリティから創造するミライ~マツダMX-30の開発責任者に聞いてみた(前編)~

中国電力×マツダ コラボ特集

Ahaエネ! │ 2024.12.20

世界中で「100年に一度の大変革期」といわれる自動車業界。特に電気自動車への関心が高まり、実際に街で見かける機会も多くなりました。広島に本社を構えるマツダ株式会社で、同社初の量産型電気自動車「マツダ MX-30」の開発を担う岡留光代さんに、“自動車のミライ”や“地域のミライ”をテーマに、ご自身の思い、企業としての取り組みについて聞いてみました!

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profile

マツダ株式会社 商品開発本部
主査 岡留 光代さん
大阪府出身。マツダに入社後、部品物流から海外工場の立ち上げ、完成品の出荷まで、物流に関わる業務を24年間経験。2024年に「マツダ MX-30」3代目主査に抜擢され、開発責任者として世界各国の環境規制に基づいた開発を進めている。趣味は数年前に再開したソフトテニス。お気に入りのドライブスポットは島根や鳥取の日本海沿い。また、お花(藤の花)も好きで、特に広島県世羅町にある「世羅高原農場」が推しスポット♪

Q.岡留さんが担う主査の仕事とは?

「一番お客さまに近い主査」として

マツダでは車種ごとに「主査」がいます。車種開発担当の責任者という位置付けで、企画・開発・生産・販売などの全般を統括する立場です。私は、2024年4月に前任者から引き継ぐまで、開発の経験はなかったのですが、チームには各領域のプロが大勢います。チームのメンバーに支えられながら、みんなが同じ方向に向かって力を注げるよう、環境を作るのが私の役割です!
また、主査として、実際にMX-30を購入いただいたお客さまに会いに行ったりすることもあります。
私自身、主査という立場に変わったことで、これまでの見え方が変わり、お客さまとの距離が近くなったと感じています。だからこそ、「一番お客さまに近い主査」として、各領域のプロたちに、お客さまの視点で考える、伝えることを大事にしたいと考えています。

Q.これからのモビリティ業界に求められる役割は?

技術を活かし心豊かな
地域づくりに貢献したい

車の電動化や自動化が急速に進む激動の時代のなかで、マツダのパーパスを「前向きに今日を生きる人の輪を広げる」と定義しています。この“前向きに生きる”ってどういうことなのか、私なりに考えてみると「自分らしくやりたいことを楽しむ」ことなのかなと思います。

日本が直面している少子高齢化や人口減少は、中国地方でも大きな課題となっています。そういった社会で、高齢者の方々も含めた誰もが「自分らしくやりたいことを楽しむ」ためには、行動範囲を狭めることなく自由に行きたいところへ行ける社会システムや、交通インフラが欠かせません。モビリティ業界の一端を担う私たちも、いかにユーザーの方々にその価値をお届けし、地域に寄り添っていくのか、先送りできない課題として全社で取り組むべきだと捉えています。

その一つが、広島県三次市の皆さまや行政機関と連携し、2018 年から実証試験に取り組んできた「支えあい交通サービス」。これは、マイカーを持たない人や運転免許を返納した高齢者などを対象に、地域住民がドライバーとなって利用者を送迎するサービスです。移動の自由を保つことで、自分らしいライフスタイルの維持や安心して暮らせる地域づくりに貢献することを目的としています。
マツダは自動車会社ですが、新しい車を製造し販売するだけでなく、長年の経験から培った技術やノウハウを地域社会のために生かせることは、地域の皆さんに支えていただいている私たちにとって大きな喜びでもあります。

Q.電動化時代における“マツダらしさ”とは?

電気自動車ならではの
「走る歓び」を追求

マツダに入社するまでは、実はそれほど車や運転に興味があったわけではないんです。でも入社してマツダ車に乗るようになってから、運転の楽しさを知りドライブが大好きに。それはやはり、マツダ車が「人馬一体」を目指していて、ドライバーの思いと車の動きが一致する心地よさや安心感からだと思います。このことは、人間が車に合わせるのではなく、人間に合わせて車をつくる「ひと中心」という設計思想に支えられています。今後ますます自動車の電動化が加速していきますが、運転の心地よさや安心感は、変わらず大切な“マツダらしさ”であり続けると思います。

マツダ車の魅力である人馬一体や走る歓びは、実は電気自動車との相性がとても良いです。電気は、例えば照明ならスイッチを入れるとタイムラグがほとんどなくパッとつきますよね。それと同じで、電気自動車は、アクセルを踏むとスッと自然に加速し、緩めるとそれに伴って減速します。技術者の言葉を借りると、まるで「足の裏に車がくっついている」かのような感覚。ドライバーの意思に対するフィードバックが早いので、思いのままに正確に車が動いてくれるように感じられるんですよ。

Q.岡留さんが開発を担当するマツダMX-30とは?

マツダの電動化をリードし
ロータリーEVモデルも登場

「マツダ MX-30」は当社初の量産型電気自動車モデルをはじめ、従来のガソリンエンジンや、マツダ独自のロータリーエンジンを発電機に使用した電動ユニットを搭載したモデルなど、次世代の電動化時代を見据え、自由な発想で新しいものにチャレンジしようという想いを込めた意欲的なクルマです。
特徴の一つはフリースタイルドア。開放的ですっきりとしたデザインを実現するため、センターピラー(車の左右中央部にあるドアを保持する柱)がありません。前後のドアを開けると開口部が広く、後部座席へのアクセスや荷物の出し入れなど、とても姿勢がラクなんです。

内装は、運転席と助手席の間のコンソールトレイに、ナチュラルな雰囲気のコルク素材を使用していることや、シートやドアまわりに、リサイクル原料から作られた繊維素材を使用していることなどが特徴。サステナビリティに配慮したデザインであることはもちろん、お客さまからは「リビングのような心地よい空間」というお声もいただきます。

2023年9月に販売開始したロータリーEVモデルは、マツダの象徴ともいえるロータリーエンジンを、発電機として復活させた電気自動車です。ロータリーエンジンを市販車に搭載するのは約11年ぶりということもあり、ロータリーファンをはじめ多くの方々からご注目いただきました。新たなハイブリッドシステムやコンパクトな電動駆動ユニットを実現したこと、既存の技術を発展させ新たな分野に挑戦したことなどが高く評価され「2024~2025日本自動車殿堂カーテクノロジーオブザイヤー」や、「2024~2025日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会特別賞」に選定されたことは、とてもありがたく光栄なことですね。
引き続き「ひと中心」という思想で、安全性や走る歓びを追求した電気自動車の開発に取り組みます。

後編へ続く
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