第32回 自治体説明会

《開催日》2020年8月11日(火)14時30分~16時40分
《出席者》島根県,松江市,出雲市,安来市,雲南市,鳥取県,米子市,境港市

前回の説明会(2020年6月24日)で取り上げた審査会合以降の計7回の審査会合の概要等についてご説明しました。

〇ご説明資料

ご説明資料については,以下のリンク先に掲載している「新規制基準適合性に係る審査の実施状況一覧(時系列)」の中の該当の審査会合欄をご覧ください。(審査資料を掲載している原子力規制委員会HPへのリンクを設定しています)。

なお,説明会で使用した資料は,審査資料を一部抜粋して作成しています。

アドレス:https://www.energia.co.jp/judging/itiran.html

<プラントに関する項目>

○対象となる審査会合

6月16日(157回目),6月30日(160回目),7月21日(163回目)

○主なご説明内容

火災による損傷の防止,竜巻影響評価などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 中央制御室における運転員の被ばくについて,加圧運転と再循環運転について説明があったが,加圧運転を前提にした被ばく評価の方が低くなっているのはなぜか。

    ⇒フィルタベントではヨウ素等は除去できるが,放射性の希ガスについては除去することができないため,そのまま外部へ放出され,その希ガスが中央制御室空調換気系に取り込まれるという評価になっている。加圧運転は,外気を取り込むモードとなっており,ここから希ガスを含む空気が入ってくることで再循環運転よりも高い被ばく線量となっている。ただし,積極的に外気を取り入れることによって,屋外の希ガス濃度が下がった時には中央制御室内の放射線量が低くなる。当社はこれらの点も踏まえて解析を行い,加圧運転の方がより運転員の被ばく線量が低くなるという判断を行った。原子力規制庁は,加圧運転で積極的に放射性物質を含む外気を取り込む運転が保守的ではなく,中央制御室の要員にとって良くない可能性もあるため,本当にこのような運転をするのがいいのかは詳細な説明が必要と判断されてコメントに至っている。

  • 運転員の被ばくについて,中央制御室での加圧運転と再循環運転を比較すると,加圧運転の方が結果的に被ばく量が少なくなるようだが,一方で資料にはDB(設計基準事故)時は再循環運転で,SA(シビアアクシデント)時は加圧運転すると書いてある。フィルタベント時の被ばくを考慮したものと思うが,最初からずっと加圧運転せずにDBとSAで変えているのはなぜか。もうひとつ,緊急時対策所においては,同じようにDBの時は再循環運転して,SAの時は加圧運転することになるのか,どのような空調換気系か教えていただきたい。

    ⇒まず緊急時対策所については,フィルタベント使用中は空調を完全に止めて空気ボンベで供給する設備となっており,中央制御室自体とは少し運用が異なっている。ただし,中央制御室には退避室があり,実際は運転員は中央制御室に居るのではなく退避室に退避しており,そういう意味では運用はほぼ同じとなっている。DBの時とSAの時で評価が違う点については,フィルタベントを使う場合とそうでない場合の評価の違いで説明している。

  • 設計基準事故の時は最初は再循環運転をしていて,何らかの理由で事故が進展しSAになった時には加圧運転に切り替える運用で,最初から加圧運転にはしないということでいいか。

    ⇒そのとおり,最初から加圧運転ではない。

  • なぜ最初から加圧運転にしないのか。最初から加圧運転にしていれば,切り替える必要はないと思う。

    ⇒インリーク(外気の侵入)率を設定し被ばく線量が技術基準に適合することを確認しており,現在は少量の外気を連続して取り込み運転することで評価し,選択している。

  • 大規模損壊発生時の対応について,大規模損壊に特化した手順として,「現場での可搬型計測器によるパラメータ計測,監視手順」を整備するとのことだが,具体的に言える範囲でいいのでどのような可搬型測定器で何を測定するのか,温度,水位,放射線量なのか教えてほしい。

    ⇒ここで申し上げているのは,3号機の運転員が可搬型測定器を現場に持って行く手順である。パラメータ監視機能喪失時は可搬型計測器による確認作業を行うとあり,順番として優先順位をつけ,原子炉圧力容器の水位,圧力,格納容器の圧力,それから格納容器内の温度,燃料プールの水位を優先的に採取することになっている。当然このほかにも採取できるものは採取する手順であり,例えば格納容器の中の放射線量等も確認していく。

<地震に関する項目>

○対象となる審査会合

6月19日(158回目) ,6月25日(159回目),6月30日(160回目),7月7日(161回目),7月14日(162回目)

○主なご説明内容

地震による損傷の防止,原子炉建物等の基礎地盤及び周辺斜面の安定性評価などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 機器・配管系への制振装置の適用に関し,設置を検討している三軸粘性ダンパについて,この三軸粘性ダンパは海外での適用事例はあるが,日本国内の原子力では適用の事例はない。三軸粘性ダンパの適用については原子力規制庁から異論はなかったと説明があったが,今後,工認でどれだけ確認されるのか。このダンパを採用すること自体については問題ないとされたのか。

    ⇒設置許可段階の審査としては概ね了承いただいたものと考えている。工認において具体的な設計をして,工認計算書,耐震計算書として内容を示して説明する必要があると考えている。

  • 地下水の設計に関して,設計地下水位は工認で改めて確認されるとのことだが,地下水に関してどこからが工認なのか説明してほしい。

    ⇒現在,地下水位に関し,設置許可段階では地下水位を求めるための3次元的な浸透流解析をするところまで了解いただいている。工認では3次元の浸透流解析の条件や計算結果を示し,それに基づく地下水位を設定する。

  • 地震による損傷の防止の中の上位クラス施設への下位クラス施設の波及的影響に関し,上位クラス配管の口径の1/4以下の小口径配管については,抽出対象から除外されるということであるが,原子力規制庁のコメントに対する回答の中で,高エネルギー配管については念のため考慮するという説明があった。これは,そもそも計算上は小口径配管は考慮する必要はないと整理したうえで,高エネルギー配管については念のため考慮するとの位置づけでよいか。

    ⇒ご理解のとおり,小口径配管は地震で落下するような損傷に至るかということと,もし落下したとしても上位クラスの配管に損傷を与えるかについて検討を行った結果,いずれも上位クラス配管の口径の1/4以下であれば問題ないとの結果が出ているが,高エネルギー配管については,反力で配管が暴れ回るかもしれないということで上位クラスへ影響を与える可能性のある下位クラスとして抽出することとしている。

  • 「すべり安全率」という言葉について,今回の資料では「すべり安全率」の定義の式は書いていないが,審査会合の資料を見ると滑ろうとする力と滑りに抵抗する力の比がすべり安全率と定義してあったと思う。その定義を見るとすべり安全率が1を超えていたら滑らないと思えるが,その理解で良いか。

    ⇒基本的には1.0で良いが,JEAC(電気技術規定)等では余裕を見て基礎地盤では1.5,斜面では1.2と定められている。

  • 例えば第868回審査会合(令和2年6月19日)資料のP103の基準地震動はSs-Dを作用させたときのすべり安全率となっており,P109ではSs-N1という留萌の地震だったと思うが,場所によって作用させる地震が少し違っており,全部に対し820ガルの地震を作用させるわけではないように見える。場所によって地震が変わっている理由は何か。

    ⇒表ではSs-Dしか記載していないが,これは一番すべり安全率が小さい地震動を記載しており,補足資料等においては全ての地震動について記載している。

  • 取水槽ガントリクレーンについて,取水槽から走行レール端部までの距離が最小30mで,30mあれば取水槽ガントリクレーンが走行レール端部に衝突することはないとのことだが,30mの根拠は何か。

    ⇒解析した結果,レール方向に横滑りするが,その移動距離は2~3m程度であり30mあれば十分であると判断した。

  • 液状化についての審査は終了したと説明があったが,液状化は起きるのかどうかを質問した場合の答えはあるか。

    ⇒液状化については試験結果で起こらないと考えているが,念のため保守的に起こるとして液状化強度特性を設定して今後設計していくことになる。

<津波に関する項目>

○対象となる審査会合

6月25日(159回目),6月30日(160回目),7月7日(161回目),7月14日(162回目)

○主なご説明内容

防波壁の設計方針,漂流物の影響評価の妥当性などについてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 津波による損傷の防止の中の,1号機における防波堤の有無による影響を考慮した対応策の選定について考え方を教えて欲しい。今回,取水槽への流路縮小工の設置から取水管端部への流路縮小工設置に変更されたとのことだが,そもそも最初のところでは運用対応と設備対応で,設備対応は取水槽への防水壁の設置を挙げていたと思うが,以前の審査会合ではそのあたりの議論がされていなかったように見受けられるので,取水槽あるいは端部への流路縮小工を設置する方がいいとした考え方を教えて欲しい。

    ⇒取水槽への防水壁の設置は1号機での検討であった。2号機に対しては様々補強しているが,1号機はこれから廃炉を進めていく段階になり,そこで取水槽に防水壁を設置した場合,それらの耐震性をずっと確保する必要があり,それよりはそもそも取水槽に入らない対策が有効であると考えた。

<有効性評価>

○対象となる審査会合

2019年6月11日(108回目)~2020年6月30日(160回目)

○主なご説明内容

重大事故等対策の有効性評価についてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • 今回の有効性評価を説明してもらうにあたり,有効性評価は全体を通して説明した方が理解が進むとのことで,過去の審査状況説明会においては飛ばしていた。今回有効性評価の審査が終わったということで説明いただいたが,説明が分かりにくい。特にどの事故シーケンスがより厳しいのかメリハリが分からなかった。例えば,停止中とか燃料プールの損傷といったケースは,特に問題になるようなレベルではないのではないか。各シーケンスに対して,どれも評価上問題ない,満足したことが確認できた,ということはそれぞれ分かったが,シーケンスごとにどれがより厳しい状況なのか,ということが分からなかった。また,各シーケンスでどの設備を使うのか,期待しない設備はどれかなど,例えば新しく設置したHPAC(高圧原子炉代替注水設備)に期待するのかどうかの判断の前提が分からないところがある。過圧・過温のケースではHPACを使用しない前提だったと思うが,使用していたらベント開始までの時間も伸びてくると思うし,ベントについてもフィルタベントを最終的に使用するとなっていたが,例えばその前段でRHAR(残留熱代替除去系)を使えばまた状況が変わり,フィルタベントを使用しなくていいという状況になると思うが,こうした点で分かりやすい説明が欲しかったというのがコメントである。そのうえで,先ほど聞いたが,期待する設備,期待しない設備はどのような前提で考慮しているのか。たぶん審査ガイドには載っていないと思うが,どのような整理をしているのかお聞きしたい。

    ⇒どの設備を期待する,期待しないについては,これはなかなか事業者としても難しいところであり,色々と審査のなかで原子力規制庁と決めていったところがある。まず,大LOCA(冷却材喪失事故)の時にHPACを使えばどうなるかについては,この場合,HPACは使えない状態となっている。なぜかというと,大LOCAが起きた場合,原子炉圧力が急激に低下するが,HPACの駆動は原子炉圧力の蒸気を利用してサプレッションチェンバ(圧力抑制室)の水を入れるため,HPACは使えない。一方,今回説明した高圧・低圧注水機能喪失の場合,HPACが使える想定はできるが,ここで考えているのは低圧注水の有効性を確認するということでHPACは使わない評価としている。

  • 有効性評価に関して,先ほど高圧・低圧注水機能喪失の場合は低圧注水の設備の有効性を確認するために,HPACを期待していないとの説明であったと思う。最終的にフィルタベントを使うという所に対して残留熱代替除去系を使う場合はフィルタベントはいらないのではないか,という質問への回答がないが,評価はされてないということか。それともここではフィルタベントの有効性を確認するためにあえて残留熱代替除去系を使っていないとの想定なのか教えて欲しい。

    ⇒残留熱代替除去系は格納容器破損防止対策について有効性評価が求められており,炉心損傷防止対策では有効性評価が求められていないため,格納容器破損防止対策で評価しており,炉心損傷防止での評価は行っていない。

  • 炉心損傷防止対策ではフィルタベントは求められているが,残留熱代替除去系は求められていないとの説明か。使える設備はあるが,ここでは要求されてないので出さないとの説明か。

    ⇒炉心損傷防止対策の有効性評価で残留熱代替除去系は求められていないため評価は行っていないとの整理である。ただし,この点については,審査会合で原子力規制庁側からコメントがあり,炉心損傷防止対策で,運用上,残留熱代替除去系を使うのかどうか回答を求められ,「使えるものは使う」と回答している。

  • 残留熱代替除去系を使用しない場合の格納容器破損防止対策に関し,セシウム137の放出量評価について,申請当時に聞いていた数字は確かサプレッションチェンバ(圧力抑制室)とフィルタベントを通すと約0.002TBqという数字が出ていたと思う。資料中には出ていないが,この数字自体は変わらないとの理解で間違いないか。

    ⇒本日の資料の数値はドライウェル経由(サプレッションチェンバを経由しない)のフィルタベントから出ているセシウム137の値を評価しており,数値は約3.4TBqとなっている。サプレッションチェンバ経由のフィルタベントの値については2.1×10-3TBqとなり,申請時の評価から変わっていない。

  • サプレッションチェンバ(圧力抑制室)経由のフィルタベントとドライウェル経由(サプレッションチェンバを経由しない)のフィルタベントでは3桁位数値が違うということで,サプレッションチェンバにも放射性物質を除去する能力を期待できると考えられるが,サプレッションチェンバの除去性能についてどのように考えているのか。

    ⇒ここでの計算はMAAPという格納容器の計算コードで出した値により計算しており,サプレッションチェンバを通すと放射性物質が除去できるとの知見がある。文献によってはDF(除去性能)で100という数値もあるが,被ばく評価上では10とか5とかの保守的な値で評価している。

  • 優先順位として,先にサプレッションチェンバ(圧力抑制室)の水を通してベントする方が1番の手順だったと思っており,サプレッションチェンバの水を通さないでベントするのは2番目だったと思うが,1番目の解析結果が出ていないのは,厳しい条件で評価しても判断基準は満たせることを示しているという理解で良いか。

    ⇒そのとおり。

<フィルタベント>

○対象となる審査会合

2014年8月28日(11回目)~2020年6月30日(160回目)

○主なご説明内容

フィルタ付ベント設備についてご説明。

○自治体からの主なご質問

  • フィルタ付ベント設備の設計に関し,銀ゼオライト容器から先の配管について,銀ゼオライト容器で複数の配管が纏まり,それから配管が4本に分かれ,圧力開放板で再度まとまって1本になった後,再び4本に分かれる構造となっているが,なぜ圧力開放板の手前で4本になり,圧力開放板の後で再度4つに分かれるのか。1本で良いのではと思うがなぜ4本なのか。

    ⇒当初設計の工事は審査と並行して進めており,配管の4本についても既に工事を行っていたが,審査のなかで銀ゼオライト容器を設置することとした。スクラバ容器は流量制限のためのオリフィスがあることで性能が維持される設計となっているため,銀ゼオライト容器の後にオリフィスを設置する設計ではなく,銀ゼオライト容器の前(上流側)にオリフィスを設置することで設計をやり直している。その段階で,銀ゼオライト容器からはほぼ大気圧となっており,後段に4本の圧力開放板を設置したままでは圧力が不均衡となり,圧力開放板が1つ,2つしか動作せず,4つの圧力開放板すべてが動作しない可能性があることが確認されたことから,全ての圧力開放板を動作させるための策として1本に配管を集約し,圧力開放板を設置することで確実に全てのガスを放出させる設計に切り替えた。

  • 圧力開放板が1つに集約された理由は理解できた。そもそもであるが,圧力開放板がこの位置に取り付けられている意味,用途は何か。

    ⇒通常状態は系統内を窒素で置換するが,窒素で置換する範囲を下流側で担保しているのが圧力開放板となる。通常は30kPaの圧力で窒素を封入するが,多少の変動では開放しないよう80kPaで設定している。

  • 窒素以外で圧力が上がった場合は必ず開かないといけない。反対から何か入ってくるのを恐れているのであれば,例えば逆止弁であってもいいと思うが,そうではなくある程度の圧力になると確実に開くようにというのが圧力開放版の位置付けか。

    ⇒ご理解のとおりで,圧力開放板の下流は大気圧となっており,外側からの過圧によって割れるということはない。

  • フィルタベントの除去性能は,島根県の原子力安全顧問もどうやって確認したのかと過去言っていたことがあり,値としてはメーカのカタログ値であり,おそらく実験でしか確認できていないと思うが,この性能をどうやって事業者として確認しているのか伺いたい。

    ⇒性能検証試験があり,スクラバ容器については1980年代から90年代にかけて旧アレバ社で実施したJAVA試験を行っており,この試験において実機を用いた性能試験を行っている。島根2号機の出力を加味した性能試験も運転範囲にあることを確認し評価している。また,銀ゼオライト容器についてもJAVA試験装置を改造した,JAVA PLUS試験装置により性能検証試験を行っており,実機と同一仕様の銀ゼオライトを使用し,所定の性能が発揮されていることを確認している。

  • フランスのアレバの方で既に適用の実績があり,JAVA試験で確認しているということであるが,中国電力として今回のフィルタベントを製作するにあたって工場検査に行き性能を確認したということもあるのか。

    ⇒アレバ社はフランスではなくドイツのアレバ社となる。個別のものの試験は行っていないが,アレバ社のフィルタベントを採用する際に現地の施設,工場,研究所を訪問し,JAVA試験やJAVA PLUS試験等の実施状況,記録類を確認した。

  • 性能については極めて保守的な数字が記載されていると思うが,pH調整しアルカリ性を維持すればもっといい数値となると思うが,pHコントロールはしないのか。するが評価上は期待しないということか。

    ⇒仕様のなかでpHの規定値はあり,それを担保するために薬品を注入して,スクラバ容器におけるスクラビング水のpHの調整を行う。サプレッションチェンバ(圧力抑制室)については,対策内容は現時点では確定していないが,自主対策としてpH調整ができる設備を検討している。

  • pHコントロールすると,今記載している除去性能よりも良くなるという理解で良いか。

    ⇒システムとして,フィルタベントの上流側であるサプレッションチェンバ(圧力抑制室)のpH制御を行うことで,フィルタベント側に出てくる放射性物質は低減するという効果を期待して設備を設置する。

  • 弁の構成について,第1弁がサプレッションチェンバ側とドライウェル側にあるが,系統を見るともう1つ弁が付いているように見える。この弁は何のための弁か。また,この弁を使ってベントすることは出来ないのか。

    ⇒この弁は原子炉棟の空調換気系のラインを使用し通常運転中に圧力調整するために使用するための弁であり,この弁をベント時に使用することは基本的に考えていない。第1弁は電動弁であり,仮に電源喪失時でも開放できるように現場で手動操作ができることから,開放できないということは想定していない。

  • 通常運転時に使用するということであるが,手動開放機構みたいなものは設けていないとの理解で良いか。

    ⇒通常運転時に台風等が来た時に大気圧が下がり,格納容器の圧力が相対的に上がる状態となるため,その場合の格納容器の圧力調整に使用する弁となる。

  • フィルタベントの排気管の位置について,現在は原子炉建屋の屋上にあると思う。ここから出した場合と主排気筒から放出した場合の比較はしているが,そもそも新しく排気管を設け原子炉建屋の屋上から放出する設計とした意図を説明してほしい。

    ⇒ベント開始時は圧力がそれなりにあるが,ベントを行っていると圧力が徐々に下がってくることから,ベントを行うために配管の圧損を考えると,できるだけ配管の長さを短くし,なおかつ高いところを放出点とすることを検討した結果,原子炉建物の屋上とした。

以上

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