経済産業省からの業務改善勧告等への対応について

EnerGia 報道資料

中国電力株式会社

経済産業省からの業務改善勧告等への対応について

 当社は、中国電力ネットワーク株式会社(以下、「中国電力ネットワーク」)が管理する当社以外の小売電気事業者(以下、「新電力等」)と契約中のお客さま情報を閲覧していたことについて、2023年4月17日に経済産業省電力・ガス取引監視等委員会(以下、「監視等委員会」)から業務改善勧告を受領しました。(同日お知らせ済み

 本日、本勧告の内容に基づく報告書を取りまとめ、監視等委員会へ報告しましたのでお知らせします。

 また、経済産業省が管理・運営する「再エネ業務管理システム」の利用についても、2023年4月17日に同省資源エネルギー庁から行政指導を受けており(同日お知らせ済み)、本日、本行政指導の内容に基づき報告しました。

お客さまに多大なご心配をおかけしたことについて、深くお詫び申し上げます。

1.不適切事案の主な発生原因

 【共通原因】

 (1)3線管理機能の不足

 当社では、業務執行部門〔1線〕、管理間接部門〔2線〕、内部監査部門〔3線〕のそれぞれにリスクマネジメントの役割を担わせることで内部統制を実施しています。

 このたびの不適切事案では、以下の問題があったと考えています。

 ・お客さま情報を取り扱っている1線においては、行為規制や個人情報保護、情報の適正な取得等についての理解や意識の不足のほか、チェックする仕組み等の不足があった。

 ・2線および3線においては、内部統制システムが相応に機能していると考えており、リスク情報把握が十分にできていなかった。また、2線によるチェック体制が構築できておらず、1線に対するけん制・監視機能が十分に発揮できていなかった。

(2)コンプライアンス最優先の意識の不足

 このたびの不適切事案により、法令遵守をはじめとしたコンプライアンス最優先の意識が未だ社員に十分浸透しているとは言えないことが明らかになりました。 行為規制の趣旨の理解不足から、社員には、以下のような意識があったと考えています。

 ・業務執行部門の社員が、行為規制や個人情報保護の趣旨を十分に理解しておらず、お客さまサービスの向上を優先して判断する傾向があった。

 ・自由化が進展した競争環境下で行う業務に対する意識改革ができておらず、業務遂行のスピード、効率性、正確性を優先していた。

【新電力等と契約中のお客さま情報の閲覧に係る個別原因】

 託送情報に係る情報システムを中国電力ネットワークと共用しており、新電力等と契約中のお客さま情報を閲覧できる状態であったことが原因と考えています。

【再エネ業務管理システムの利用に係る個別原因】

 外部システムの利用に特化したマニュアルを策定していなかったなど、外部システム利用時の情報管理体制が不十分であったことが原因と考えています。

2.主な再発防止策

 【共通の再発防止策】

 (1)3線管理機能の強化

・業務執行部門〔1線〕においては、対処すべき重要なリスクとして行為規制等の遵守を管理し、速やかにリスク対策を確定するとともに、再発防止に向けて業務の遂行状況を定期的に確認・評価すること等により、内部統制の強化を図る。

・管理間接部門〔2線〕においては、1線がリスクを適切に把握・評価し、対応しているかを定期的にモニタリングするとともに、1線のリスク意識を向上させるための働きかけを強化するなど、不適切な行為の未然防止を的確に行う仕組みを 構築する。また、行為規制の趣旨を踏まえた研修の対象者を全社員に拡大のうえ、毎年実施していくことにより、他部門においても、行為規制の趣旨の浸透を図る。

・内部監査部門〔3線〕においては、行為規制に関する監査を充実するなど、1線、2線に対する監査を強化するとともに、対応策の有効性に係る検証も強化する。

・社外の視点を採り入れることで3線管理を確実なものとするために、本年6月の定時株主総会において、社外取締役を増員する予定。

<体制図>

 

(2)コンプライアンス最優先の業務運営に向けた社員の意識改革

 ・1線においては、行為規制等に関する社内マニュアルの整備に加え、幹部による定期的な職場巡回・啓発活動を行う。

 ・また、電力自由化後における意識改革を促すため、全社員に対して、社長からのメッセージ発出、行為規制に係る留意事項の定期的な研修、行為規制・個人情報に係る相談窓口の周知等を実施するとともに、内部通報窓口の積極的な活用を働きかける。

【新電力等と契約中のお客さま情報の閲覧に係る個別の再発防止策】

 これまで、当社および中国電力ネットワークでは、段階的にシステムの共用状態の解消を進めてきましたが、このたびの不適切事案を踏まえ、対応体制の拡充を図るとともに、集中的に対応することで、約3年以内となる2026年6月までに対応できるよう取り組んでまいります。

【再エネ業務管理システムの利用に係る個別の再発防止策】

 行為規制に係る外部システムを利用する際の利用申請の方法、取得した情報の適切な管理等を定めるマニュアルを新設し、外部システムを活用する際の取扱いを明確化します。

 今後、同様の事象を二度と発生させることのないよう、一連の不適切事案を受けて設置した「不適切事案再発防止対応本部」(2023年3月31日お知らせ済み)が中心となり、企業文化等の根本原因も踏まえた全社横断的な再発防止策を着実に実行するとともに、継続的に実施状況の確認と改善に取り組んでまいります。

 なお、このたびの不適切事案により、多くの皆さまの信頼を大きく損なったことを重く受け止め、社長執行役員の他、関係業務を所管する責任者の報酬の一部を返上(月額報酬10%減1か月)することとしました。

以 上