運命的な出会いで生まれたマステ! かわいいだけじゃない進化も

カモ井加工紙 │ 岡山県倉敷市

ハーモニーマルシェ　│　2023.09.13

さまざまな柄や色が楽しめるマスキングテープ。手帳やノート、アルバムを簡単にかわいくデコレーションできますよね。文具屋でかわいい柄を見かけるとつい買ってしまうという人もいるのでは。
中でもよく目にする「mt」シリーズ、実は岡山県倉敷市に本社を置く「カモ井加工紙」の製品なんです。最近では「mt」シリーズから生まれたインテリア用シリーズも話題に! 今年創業100周年を迎えさらに進化し続けるカモ井加工紙の姿を取材してきました!

【教えてくれる人】: 岡本直人さんカモ井加工紙株式会社　営業部

運命の手紙から誕生したマスキングテープ

今や雑貨として愛用している人が多いマスキングテープですが、もともとは作業現場で塗装のはみ出しを防ぐために一時的に貼るテープとして使われていたもの。ハエ取り紙メーカーとして1923年に創業したカモ井加工紙では、その粘着技術を応用して工業用のマスキングテープを製造・販売していました。

ところが、約15年前にある一通の手紙が会社へ。送り主は東京在住のカフェオーナーと常連客だったデザイナーとコラージュ作家の女性3人でした。「大好きなマスキングテープを作る様子を見学したい」というメッセージと、マスキングテープの新しい使い方が紹介された自主制作の冊子が添えられていたそう。
そこには、壁の装飾やラッピングなど本来の使い方ではない独自のアイディアが盛りだくさん! 「このテープがかわいいといわれるなんて」と営業部の岡本直人さんも驚いたそうです。
その熱意に心を動かされ、女性3人を倉敷本社工場へ招待。「重ねた時の透け感がかわいい」「ちぎった形がかわいい」など、これまでにない新鮮な意見が! 作業現場で使うものから日常生活で楽しむものへ、マスキングテープの新しい価値に気づいた瞬間でした。

かわいい雑貨アイテムとして大人気に

その後、約1年半の開発を経て2008年に20色のマスキングテープ「mt」を発表すると、同年にグッドデザイン賞を受賞。翌年にはパリのインテリア見本市にも出店し海外でも高く評価されました。この「mt」シリーズで、カモ井加工紙はマステ界の最大手として世界中にファンを持つ会社になりました。マスキングテープの快進撃、本当にすごいですね!

「『mt』はお客さまが育ててくださったもの。私たちが使い方を提案するのではなく、お客さまに発見し楽しんでいただけるようにさまざまな切り口で開発したい」と岡本さん。インスタグラムでのフォロワー数も12万人を超えるなど、今もファンを増やし続けています。

おしゃれにDIYできるインテリア用

文具・雑貨として認知されるようになったマスキングテープですが、カモ井加工紙では、新たな商品としてインテリア用マスキングテープを発売! 「実はこのインテリア用もイベント装飾で幅広のテープを貼っているのをお客さまが見られて、『自分の部屋でも貼ってみたい』といわれたことがきっかけでした」と岡本さん。お客さまの意見を柔軟に取り入れて一緒に発展し続けているんですね。

壁紙や小物などのリメイクシート「mt CASA」、キッチンマットなどに使えるクッション性のあるシート「mt mat」、結露吸水テープや虫取りテープなどの創業当初の技術を生かした「mt house care series」など、暮らしを便利にするさまざまなアイテムが揃います。
2023年に創業100周年を迎え『その人生に密着したい。』というテーマを掲げるカモ井加工紙。「もっとくっつくことで気づけることがたくさんあると思います」と岡本さん。暮らしに密着しワクワクを届けてくれるマスキングテープの進化から目が離せなくなりそうです。