毎日にちょっぴりHAPPYをくれるコーヒーの魅力

「コーヒーは自由な“解釈”を楽しめる飲み物。だから、つながりや広がりができ、新しい魅力を次々と生み出していくんです」と佐藤さん。
まるで芸術と同じように、人それぞれの自由な解釈で表現することができ、世界中でさまざまなスタイルのコーヒーが楽しまれているんです。

「雨の日は、深煎りのコーヒーをぽってりとした厚い飲み口のマグカップで、落ち着いた音楽を聴きながら飲むとリラックスできそう。浅煎りなら、薄いグラスにして、アップテンポの曲で気分を上げてもいいかも。天気のいい日なら窓を開けて、聴き心地の軽いジャズを流して風を感じながら飲むのもいいなぁ…とか。自分のスタイルで、自然の音や風に身を任せながら、自由に楽しんでいただきたいです」。
器や音楽でも、コーヒーの楽しみ方を広げられるなんて。コーヒーが持つあまりに広い魅力に、早くものめり込んでしまいそうです。

おうちコーヒーを格上げ! ハンドドリップのコツ

自由なスタイルでOKといわれても、もちろんプロならではの工夫やテクニックがたくさん! おうちコーヒーのおいしさを最大限に引き出す、ハンドドリップのコツを教えてもらいました。

1グラインダーにこだわってみよう

豆はもちろん、グラインダー（ミル）で挽くのがベスト。家庭向けのグラインダーはここ数年で目覚ましい向上を遂げていて、コンパクトかつ簡単な操作で挽き方を調整ができるものも登場しています。佐藤さんの激推しマシンは「Varia VS3」（52,800円）。これがあればお店を開けるほど（笑）粗挽き・細挽きなどが無段階で調節できます。

3バランスの良い注ぎ方

粉に均等にかかるように湯を注いで30秒待ち、これを繰り返します。湯が落ち切らなくても、次の湯を入れてOK。1回に注ぐ湯の量は、湯の全体量を4で割るのがおすすめです。例えば、湯200gなら「200÷4=50」で、50gの湯を4回注ぎましょう。最後の方はコーヒーの壁ができていても、崩さず、真ん中に注いでください。

4自分なりにアレンジしてみよう

湯を注ぐスピードは、速いと“さっぱり”、ゆっくりだと“しっかり”した味になります。注ぐ回数も増やしたり減らしたり、いろいろと挑戦して味の変化を楽しんでみましょう。淹れ終えたら軽く混ぜて、味を均等にします。

数人分淹れるときには…

ホームパーティでコーヒーを振る舞うときには、次の器具を持っておくと重宝します。テクニック不要で誰でもおいしいコーヒーを淹れることができ、数人分が一度に作れて便利です。
※いずれも『BREATH HIROSHIMA』で購入できます

●アメリカンプレス（左）
（16,500円）
上部にコーヒー粉を入れてプレスすると徐々にコーヒーができあがり、その様子を見るのも楽しいです。フレンチプレスだと微粉が出るんですが、アメリカンプレスは密閉性が高く、微粉が出ないという点が特徴です。

●クレバーコーヒードリッパー（右）
（M：2,700円、S：2,200円）
底部にシリコンラバー製の「弁」が付いており、湯を溜めることができる構造になっています。コーヒー粉を十分に抽出ができたタイミングでカップやサーバーの上へ置くと「弁」が開き、抽出液が下に流れ出ます。

自分好みの味に出会うための、「硬さ」の話

「コーヒー豆は、乾燥工程や標高、品種などによって『硬さ』が違います」と佐藤さん。例えば、昼夜の寒暖差のある地域の豆は、成長が遅く密度が高くなるため、硬くなる傾向があります。初めてケニア産の豆に触れたときには、その硬さに驚いたそうです。「挽いてみると硬さが分かりますよ。手ごろなグラインダーだと壊れそうなものもあります」。
そして、豆の硬さによって異なる特性を知っておくことが大切。硬い豆はドリップした時に茶葉のように膨らんでいくため、最初にザブザブと多めに湯を注ぐのがおすすめだそう。特に焙煎の浅いコーヒーでは、硬い豆ほど湯を吸水して膨張し、抽出の後半で詰まりを起こします。一方、柔らかい豆は細胞が壊れていて低密度なので膨らんだりはしません。その豆がどのような落ち方をするのかに合わせて、湯を注ぐスピードを変えてみるのが、雑味が少なくおいしいコーヒーを楽しむコツといいます。

おうちで簡単にできる、夏のコーヒーアレンジ

自由にアレンジできるのも、コーヒーの魅力。爽やか＆のど越しを楽しめる、夏にぴったりなレシピを教えてもらいました。コーヒーが持つ多彩な表情を、ぜひ楽しんでください。

おしゃれ感も◎
コールドブリュートニック

浅煎りのコーヒー粉20gを市販のお茶パックに入れ、300 gの水（粉の15倍）を注ぐ。蓋をして約8時間経ったらコールドブリューコーヒー（水出しコーヒー）ができあがり。グラスにトニックウォーターと半量ずつ入れて、レモン、ライム、ミントなどを添えたら、驚くほど爽快な味わいに!

まろやかなのに軽い♪
ミルクコールドブリュー

水ではなくミルク出しコーヒーもおすすすめ。上記レシピ同様に、浅煎りのコーヒー粉20gをお茶パックに入れて、320gのミルク（粉の16倍）を注ぐ。ミルクの濃厚さを感じながら、コーヒーの風味もしっかり楽しめます。