登場人物
- 灰カラ先生
- 石炭灰の有効活用をはじめ、環境分野の専門家として、脱炭素社会やSDGsなどの目標を達成するための研究と実践に取り組んでいる。
- 灰カラ三姉妹
- 中国電力の石炭灰から生まれた三姉妹。循環型社会の実現とSDGsの一助になるべく、それぞれの個性を生かして力を尽くしている。
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灰カラ先生
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二女 灰カラこな子
[エコパウダー] -
三女 灰カラつぶ子
[Hiビーズ] -
長女 灰カラすな子
[ライトサンド]
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其の一灰カラのもとの「石炭」は植物の化石ですって?詳細を開く
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- わたくしたち灰カラ三姉妹は、石炭灰から生まれました。
ルーツである石炭について知りたいのですが、そもそも、どのようにして誕生したのでしょうか? - ファミリーヒストリーですね。
ひとことで言えば石炭は「植物の化石」です。
1億年以上前の植物が炭化して硬くなったもので、それを細かく砕いて燃やし、残った無機物が石炭灰。
つまり、石炭灰はミネラルなのです。
広島大学では、石炭灰と草木灰を比較する研究も行いました。
その結果、石炭灰の成分は、わらやもみ殻の灰とほぼ同じ。
有機物の循環を助ける「ミネラル供給灰」になることが、明らかになりました。 - ということは、石炭灰は期待されていますのね。
- もちろん、大いに期待しています。
石炭灰は廃棄物ではありますが、植物由来の灰なので安心して利用できます。
雑多なものが入ったゴミ焼却灰とは、根本的に違うのですよ。 - ありがとうございます。
なんだかとっても、うれしゅうございますわ。
- わたくしたち灰カラ三姉妹は、石炭灰から生まれました。
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其の二「灰」は昔から暮らしのお役に立っていたんですの?詳細を開く
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- 江戸のまちはリサイクル都市だったそうですが、かまどの灰までムダにしなかったとか?
- 灰は貴重な資源ですからね。
昔の人は、生活の知恵として、よくわかっていたのでしょう。
「灰買い」という専門の商人がいて、住民たちにちゃんとお金を払って買っていました。
買い集めた灰は、灰問屋が引き取るシステムになっていたので、ビジネスとして十分成り立ったのです。 - その灰を、どのように再利用していたのでしょう。
- 灰は天然の化学薬品として、驚くほど広い用途がありました。
田畑の肥料や酒造り、紙すき、染色、陶磁器の釉薬など、ありとあらゆるところに灰が使われていたのです。 - 灰の大先輩たちの活躍に、わたくしたち灰カラ三姉妹も、負けてはいられませんわ。
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其の三そういえば「灰」で花が咲く昔話もございますわね詳細を開く
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- 灰は、昔ばなしにも登場しますわね。
- どんな物語ですか?
- 枯れ木に灰をまいて花を咲かせた、「花咲か爺さん」が有名ですわね。
わたくしと同じ末娘の「シンデレラ」もそうです。
彼女の本当の名前はエラで、灰まみれになって働いていたことから、灰という意味のシンダーとエラを合わせて「シンデレラ」。
つまり「灰まみれのエラ」なんですの。 - 灰で花が咲くといえば、日本酒の種麹を育てるときに灰をまくことで、花が咲いたような「糀」ができるそうですよ。
- まぁ、「花咲か爺さん」の話にそっくりですわね。
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其の四農業用の肥料にも「灰」が使われておりますわよね?詳細を開く
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- 灰を利用することでいいことがあるのは、農業もですわよね?
- 灰はアルカリ性なので、土に混ぜ込むと、土壌を中和させて作物の生育を促してくれます。
そのため、今でも農業用の肥料として使われているんですよ。 - 実は、「ライトサンド」のわたくしも、農業のお手伝いをさせていただいております。
自慢話に聞こえたら、ごめんあそばせ。
広島県内のとある農場は、粘土質で水はけが悪く、作物の根腐れなどで収穫が伸び悩んでおられましたの。
そこで、農地に「ライトサンド」を混ぜたところ、水はけが良くなり、キャベツの収穫量が前年に比べて1.5倍に増えたのです。 - それは喜ばれたでしょう。
「ライトサンド」は、農業の分野でも実績のある、安心で安全な灰カラ製品なのですね。 - 光栄でございます。そう言っていただけると、もっとお役に立ちたくなりましたわ。
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其の五今どきの言葉では「ゼロ・エミッション」でしょうか?詳細を開く
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- かまどの灰までリサイクルした江戸のまちは、「ゼロ・エミッション」をすでに実践していたのでは?
- そうかもしれませんね。
ゼロ・エミッションとは、ある企業から排出される廃棄物を、別の企業の原料として使うなど、トータルで廃棄物をゼロに近づけていく活動のことです。
江戸では、家々の廃棄物をゼロにしていたのでしょう。 - 中国電力でも、石炭灰をセメントの原料や灰カラ製品としてリサイクルしております。
- つまり、灰カラ三姉妹はゼロ・エミッションに貢献しているのですね。
- 「エコパウダー」のわたくしと「ライトサンド」は土木建築資材、「Hiビーズ」は環境修復材としてお役に立っておりますの。
これらをあわせて、中国電力の石炭灰は、ほぼ全量(98.9% : 2022年度実績)が有効活用されております。
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其の六「チャレンジ・ゼロ」についても教えてくださいませ詳細を開く
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- 日本では今、「チャレンジ・ゼロ」というキーワードが注目されているようですわね?
- はい。「チャレンジ・ゼロ」は、チャレンジ ネット・カーボン イノベーションの略です。
経団連が日本政府と連携し、「脱炭素社会」の実現に向けて、企業や団体がチャレンジするイノベーションのアクションを国内外に発信し、後押しするプロジェクトです。 - 脱炭素社会は、気候変動対策の「パリ協定」で、長期的なゴールと位置づけられている世界の目標でございますわね。
- それを実現するために、日本では新たな技術への挑戦がはじまっています。
- 中国電力も「チャレンジ・ゼロ」の参加企業として、さまざまな取り組みを公表しております。
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其の七灰カラの「カーボンリサイクル」技術はいかがでしょう?詳細を開く
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- 脱炭素社会を実現するには、カーボンリサイクルが必要でございましょ?
- CO2を炭素資源として再利用する考え方ですね。
はい。とても重要です。
この分野で、画期的な技術として注目されているのが、中国電力の「CO2-TriCOM(シーオーツートリコム)」です。 - これまで廃棄物として課題になっていた、石炭灰と電柱廃材にCO2を取り込むことで、新たな製品に生まれ変わらせるカーボンリサイクル技術でございます。
- マイクロ波を使ってCO2を吸収させるのは、日本初の技術ですよね。
- 電子レンジと同じ原理ですの。
詳しくは、ぜひコチラをご覧になってくださいませ。
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其の八灰カラは「ブルーカーボン」効果も期待されていますの?詳細を開く
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- 近ごろ「ブルーカーボン」という言葉を耳にしますが、どのようなものでしょうか?
- 森林にCO2を吸収する能力があることは、ご存知ですよね。
陸上の植物に取り込まれた炭素は、「グリーンカーボン」と呼ばれています。
同じような能力が海にもあり、干潟や藻場などで取り込まれた炭素のことを「ブルーカーボン」と呼びます。
2009年に国連環境計画(UNEP)において命名されました。
これが、ブルーカーボン効果のイメージです。
- 干潟や藻場ということは、沿岸域の生態系ですわね。
それでしたら、「Hiビーズ」のわたくしにも、お手伝いできることがありましてよ。 - 海洋生物の生息を助ける「Hiビーズ」で造成された沿岸域は、ブルーカーボン効果が期待されていますからね。
その有効性について、広島大学は中国電力と共同研究しています。 - まぁ、頼もしいこと。
わたくし、ブルーカーボン効果を高めるために、ますます力を尽くしますわ。
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其の九灰カラは「生物多様性」の一助にもなっておりますよね?詳細を開く
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- いろいろな生物が豊かに存在できる「生物多様性」も、これからのキーワードですわよね?
- 企業の立場から生物多様性の保全に取り組む「経団連生物多様性宣言」は、環境と経済を両立して持続可能な社会の実現をめざしています。
- 中国電力も賛同しておりますわ。
- どのような取り組みを公表されていますか?
- 「Hiビーズ」のわたくしを活用した河川底質環境の改善や、人工リーフによる魚介類の生育環境の創生、石炭火力発電所でハヤブサとの共生にも取り組んでおりましてよ。
生物多様性の一助になりましたら、うれしいですわ。
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其の十Hiビーズで海がきれいになるのはなぜでしょう?詳細を開く
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- 「Hiビーズ」のわたくしは、海をきれいにできるのですが、そもそも海の水はどうして汚れるのでしょうか?
- 生物の死がいや排泄物などが海の底に沈んでゆくと、こうなってしまうのです。
- まぁ、大変。
でも、ヘドロが溜まった海の底にHiビーズを散布すると、水質も悪臭も浄化できますのよ。
- Hiビーズで海がきれいになるしくみが、よくわかりますね。
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其の十一灰カラがもっと「SDGs」に貢献できれば幸いでございます詳細を開く
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- 灰カラ三姉妹のみなさんの願いは、何ですか?
- 石炭火力発電所で発生した石炭灰を再生利用することで、持続可能な開発目標「SDGs」のお役に立つことですわ。
それは、「ライトサンド」も「エコパウダー」も「Hiビーズ」も同じですことよ。
2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 - それにプラスして、「Hiビーズ」のわたくしは、海洋生物の生息環境を修復する資材として、沿岸域の生態系回復にも貢献してまいりますわ。
2020年までに、海洋及び沿岸の生態系に関する重大な悪影響を回避するため、強靱性(レジリエンス)の強化などによる持続的な管理と保護を行い、健全で生産的な海洋を実現するため、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行う。 - 「SDGs」の実現に向けて、灰カラ三姉妹の活躍の場が、ますます広がるといいですね。
- ありがとうございます。
灰カラ三姉妹に、おまかせあれ。